BMXをメインに「ヴィンテージチャリ」愛好家が集まったアットホームなイベント。
ロードモデルに比べるとまだまだヴィンテージBMXの世界は日本ではコアなファンによって支えられているカテゴリー。
といっても、アメリカ発祥のカルチャーだけに、古着好きやヴィンテージバイク好きとも共通項が多く、いわばアラフォー、アラフィフ世代の「好き者」たちがシーンを牽引している。
そんなオールドスクールBMX好きたちがふらっと自分のコアな愛車を持ち寄って交流するのがHAPPY BIKE MEETINGだ。そこにはアワードがあるわけでもなく、カスタムを競うわけでもない。
ただ好きな人たちが集まって情報交換をする場所というのがコンセプトになっている。
それに呼応してヴィンテージの車両やパーツ、それに古着なんかを販売するスワップミート的なブース、それにフード関係のブースが集まることで、通りすがりの人たちがこれまたふらっと立ち寄って、この世界が好きになってしまう、なんていうシーンも珍しくないのがこのイベント。
なんともゆるーい時間が流れる大人なイベントなのだ。
今やヴィンテージBMXは本場のアメリカだけでなく、ヨーロッパやオーストラリアなど、世界中にファンがいるカテゴリー。現在のBMXへと進化したそのルーツを愛でる人たちによってマーケットが存在している。
もちろん、車両や当時のパーツなんかはクラシックカー同様、年々高騰気味なので、気になる人はお早めに。
この世界も一度ハマるとなかなか抜け出せない「沼」であることは間違いない。
日本のヴィンテージBMXを牽引する人たちが集まる。
まだまだコアな世界といえるヴィンテージBMXだけど、それだけに愛好家たちの情熱はかなりのもの。パーツひとつを取っても車体と苦労して探して時代考証に忠実に組むなんてのも当たり前。もちろんそれは大部分が自己満足の世界なんだけど、そんな姿勢に賞賛を送りたい。これもオタクになれるカテゴリーなんだと実感。
「何、何?」、「どれ、どれ?」と愛好家たちのBMXトークも弾む。好き者たちが集まれば、自然と交流が生まれる。こうやって文化の密度が濃くなっていく。
スワップミートではヴィンテージの車体も販売される。1970年代当時のアメリカの自転車文化を知るには最高の空間。もちろん販売している人たちはかなり詳しいのでいろいろ聞けば勉強にもなる。
自転車関係だけでなく、アメリカ古着やアンティークなどもスワップミートでは販売されるので、自転車好きではなくても楽しめる。
アンティークはガレージ系インテリアに使えそうなモーター系アンティークだけでなく、あらゆるアイテムがちらほらと見ることができる。フリーマーケット気分でも楽しめる。
グリップにハンドルに、フォークにスプロケットなど。本格的なヴィンテージパーツを探している人たちは必見。パーツひとつのチョイスで自転車全体のイメージが変わるのだ。
こちらは旧いマウンテンバイクのフレームたち。BMXだけでなく、ヴィンテージの自転車関係のブースは充実。MTBにもBMX同様、じわじわとヴィンテージモデルを愛する人たちが増えてきているという。
フレームの中央にショックを搭載したヴィンテージのBMX。今では想像もできないアイデアが投入されていたのがヴィンテージのおもしろさ。フロントフォークも異形だ。当時は日本のYAMAHAやKAWASAKIなんかも参入していた。有名なのは映画『ET』に登場したKUWAHARAである。
ヴィンテージBMXを見せてもらう。
多くのヴィンテージBMXが集合した本イベント。せっかくなので昔ながらの文化を感じるモデルをピックアップしてみる。どれも現在は入手困難なモデルたち。「わかる人にはわかる」オーラを感じたら、この世界にどっぷりと浸れる素質あり。旧いがエライってわけではないけど、現代では作ることができない昔ながらのスタイルにロマンを感じてしまう。
1977 R&R Centurion
フレームのトップチューブが2本でリアに向かってV字を描く特徴的なデザインの1台。すべて当時のヴィンテージパーツで組まれていて、BMXカルチャーの創生期を感じることができる。このイベント特価で45万円。R&RはR&Rレーシング・プロダクツとして1977年にノースハリウッドで生まれたBMXメーカー。ということはこれは初期モデル。1979年までしか存在しなかったメーカーである。
1978 WEBCO Replica
WEBCO(ウェブコ)は1974~1980年までカリフォルニアのベニス存在していたBMXメーカー。元々はモーターサイクルパーツのメーカーだったがBMXに参入した歴史を持つ。現在では希少価値の高いモデルを次々と生み出していた。現車は当時の時代考証に忠実にヴィンテージパーツ(ホイールも時代感あるよね)で組まれたモデルで、フロントフォークが角形(スクエアフォーク)のロングタイプを採用しているというのが珍しい。残念ながらオーナーの愛情も深く非売品。
【取材協力】
SCREAMIN’ WHEELS
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