オールドスクールな自転車(BMX)が集まる濃くてゆるーいイベント

1970年代にアメリカで生まれた自転車カルチャーのひとつがBMX。今や当たり前のスタイルだけど、そんなBMXの世界にもヴィンテージが存在。まだ車両のデザインや作りにスタンダードなスタイルがなく、アメリカの自転車メーカーが試行錯誤して製作していた黎明期のBMXたちは、今ではオールドスクールBMXとしてヴィンテージ価値まで高まっている。そんな旧きよきBMXを初めとする愛好家が集まるイベント「HAPPY BIKE MEETING 2024」が東京、中目黒で開催された。

BMXをメインに「ヴィンテージチャリ」愛好家が集まったアットホームなイベント。

ロードモデルに比べるとまだまだヴィンテージBMXの世界は日本ではコアなファンによって支えられているカテゴリー。

といっても、アメリカ発祥のカルチャーだけに、古着好きやヴィンテージバイク好きとも共通項が多く、いわばアラフォー、アラフィフ世代の「好き者」たちがシーンを牽引している。

そんなオールドスクールBMX好きたちがふらっと自分のコアな愛車を持ち寄って交流するのがHAPPY BIKE MEETINGだ。そこにはアワードがあるわけでもなく、カスタムを競うわけでもない。

ただ好きな人たちが集まって情報交換をする場所というのがコンセプトになっている。

それに呼応してヴィンテージの車両やパーツ、それに古着なんかを販売するスワップミート的なブース、それにフード関係のブースが集まることで、通りすがりの人たちがこれまたふらっと立ち寄って、この世界が好きになってしまう、なんていうシーンも珍しくないのがこのイベント。

なんともゆるーい時間が流れる大人なイベントなのだ。

今やヴィンテージBMXは本場のアメリカだけでなく、ヨーロッパやオーストラリアなど、世界中にファンがいるカテゴリー。現在のBMXへと進化したそのルーツを愛でる人たちによってマーケットが存在している。

もちろん、車両や当時のパーツなんかはクラシックカー同様、年々高騰気味なので、気になる人はお早めに。

この世界も一度ハマるとなかなか抜け出せない「沼」であることは間違いない。

日本のヴィンテージBMXを牽引する人たちが集まる。

まだまだコアな世界といえるヴィンテージBMXだけど、それだけに愛好家たちの情熱はかなりのもの。パーツひとつを取っても車体と苦労して探して時代考証に忠実に組むなんてのも当たり前。もちろんそれは大部分が自己満足の世界なんだけど、そんな姿勢に賞賛を送りたい。これもオタクになれるカテゴリーなんだと実感。

「何、何?」、「どれ、どれ?」と愛好家たちのBMXトークも弾む。好き者たちが集まれば、自然と交流が生まれる。こうやって文化の密度が濃くなっていく。

スワップミートではヴィンテージの車体も販売される。1970年代当時のアメリカの自転車文化を知るには最高の空間。もちろん販売している人たちはかなり詳しいのでいろいろ聞けば勉強にもなる。

自転車関係だけでなく、アメリカ古着やアンティークなどもスワップミートでは販売されるので、自転車好きではなくても楽しめる。

アンティークはガレージ系インテリアに使えそうなモーター系アンティークだけでなく、あらゆるアイテムがちらほらと見ることができる。フリーマーケット気分でも楽しめる。

グリップにハンドルに、フォークにスプロケットなど。本格的なヴィンテージパーツを探している人たちは必見。パーツひとつのチョイスで自転車全体のイメージが変わるのだ。

こちらは旧いマウンテンバイクのフレームたち。BMXだけでなく、ヴィンテージの自転車関係のブースは充実。MTBにもBMX同様、じわじわとヴィンテージモデルを愛する人たちが増えてきているという。

フレームの中央にショックを搭載したヴィンテージのBMX。今では想像もできないアイデアが投入されていたのがヴィンテージのおもしろさ。フロントフォークも異形だ。当時は日本のYAMAHAやKAWASAKIなんかも参入していた。有名なのは映画『ET』に登場したKUWAHARAである。

ヴィンテージBMXを見せてもらう。

多くのヴィンテージBMXが集合した本イベント。せっかくなので昔ながらの文化を感じるモデルをピックアップしてみる。どれも現在は入手困難なモデルたち。「わかる人にはわかる」オーラを感じたら、この世界にどっぷりと浸れる素質あり。旧いがエライってわけではないけど、現代では作ることができない昔ながらのスタイルにロマンを感じてしまう。

1977 R&R Centurion

フレームのトップチューブが2本でリアに向かってV字を描く特徴的なデザインの1台。すべて当時のヴィンテージパーツで組まれていて、BMXカルチャーの創生期を感じることができる。このイベント特価で45万円。R&RはR&Rレーシング・プロダクツとして1977年にノースハリウッドで生まれたBMXメーカー。ということはこれは初期モデル。1979年までしか存在しなかったメーカーである。

1978 WEBCO Replica

WEBCO(ウェブコ)は1974~1980年までカリフォルニアのベニス存在していたBMXメーカー。元々はモーターサイクルパーツのメーカーだったがBMXに参入した歴史を持つ。現在では希少価値の高いモデルを次々と生み出していた。現車は当時の時代考証に忠実にヴィンテージパーツ(ホイールも時代感あるよね)で組まれたモデルで、フロントフォークが角形(スクエアフォーク)のロングタイプを採用しているというのが珍しい。残念ながらオーナーの愛情も深く非売品。

【取材協力】
SCREAMIN’ WHEELS
http://screaminwheels.com
https://www.instagram.com/screaminwheels/

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...