アメリカ製を貫くデニムブランド、TELLASON(テラソン)のオーナーに聞いたデニム愛。

ジーンズの母国といえるアメリカでは、残念ながらワークウエアが隆盛を極めたときのような、アメリカ製のデニムブランドはほとんど存在しない。そんななかでアメリカ生産を創業時から貫いているTELLASON(テラソン)は、今となっては貴重なアメリカン・デニムブランドなのかもしれない。そんなテラソンのオーナーであるトニーが原宿にあるハミングバーズヒルショップで開催されるキャンペーン企画に先立って来日。テラソンのデニム、そしてトニーのデニム愛を聞いてきた。

テラソンがアメリカメイドを続けるわけ。

現代ではメイド・イン・U.S.A.のプロダクツ自体がファッションの世界では稀少。多くのブランドが生産をアメリカ国外に移すことで、今ではアメリカでモノ作りすることは以前よりも難しい環境になっている。

そんな逆境にデニムでチャレンジし、サンフランシスコにある旧い縫製工場で作られるテラソンは、リアルアメリカンなデニムブランドとして2008年に生まれた。今回はブランドのファウンダーの1人でありオーナーのトニーが来日したので直撃。想像通り、旧きよきアメリカとデニムをこよなる愛する男だった。

「昔ながらのジーンズが好きで。というのも自分の父親が若いころのモノクロ写真を見ると、ジーンズにTシャツで写っていて、そのジーンズはいかにも穿き込んで父親の体型にフィットしている。いわゆるシュリンク・トゥ・フィットだよね。その雰囲気が僕にはカッコよく見えて。

現代でも当時のような穿き込んで、良い色落ちがして、自分の体型にフィットしていくジーンズを作りたかったんだ。それをアメリカで作りたくて生まれたのがテラソンなんです。

もちろん、ブランドを始めたときからアメリカで縫製をするのは簡単ではなかったよね。サンフランシスコで唯一残るワークウエアの旧い縫製工場でテラソンは作られているんだけど、もうこういった工場はアメリカではかなり少なくなっていて。

ただ、そういう昔ながらの工場とそこにいる熟練の職人たちからできるプロダクツは特別なんだ。

あとはサンフランシスコにあるボクらのオフィスからクルマで20分くらいで行けるのもかけがえのないものだよ。今ではリモートでも繫がることはできるけど、やっぱり実際に行って、会って話すことで、ボクらの思いもすぐに伝わるし、何か修正指示とかが発生してもクルマを出せばすぐに行けるからね。そういう関係性も大事だと思ってるんだ。

もともとサンフランシスコでは多くのジーンズが作られていた歴史があるから、僕にとってサンフランシスコはホーム・オブ・ブルージーンズ。ここで作っていくことが必要だと思っているよね。

モノ作りにおいては、昔と同じモノを作ろうとは思っていないんだ。昔ながらのセルビッジ生地を使ってアメリカで縫製して、基本的に生のロウデニムを大事にしているかな。

ロウデニム、それと耐久性の高さ、それに我々ならではのデザインによって生まれているんだ。

これからもそんなコンセプトを大事に、長く穿いていられるプロダクツをこれからも作り続けていきたいよね」。

穿き込まれたテラソンのエイジングサンプル。メリハリのある色落ちがはっきりと生まれている。トニーは1本のジーンズを毎日のように穿き、洗濯は水を使って手洗いという。とにかく1本のジーンズを穿き続けるのがスタイルだという
創業時はノースカロライナ州にあるコーンミルズのセルビッジデニムを使っていたが、現在は日本のセルビッジ生地を採用している。タグにはカリフォルニアメイドとジャパンファブリックの表記がプリントされる

アメリカのモノ作りで生まれるテラソンのプロダクツ。

ジーンズを生み出したアメリカの誇りとプライドを信条にユーティリティや耐久性を重んじた作りが特徴のテラソン。流行の左右されることなく、長く付き合うことができるデザインとクオリティは、今や世界中のファンを魅了している。

もっともスタンダードなモデルとなるANKARA(アンカラ)。1950年代に存在したジーンズをオマージュしたミディアムライズのクラシックストレートになる。日本製のセルビッジ生地を採用し、14.75oz.と12.5oz.をラインナップする。2万9700円
1900年代初頭のフレンチのワークウエアをデザインソースにしたチョアジャケットになるGRAYFORD JACKET(グレイフォードジャケット)。生地はデッドストックのコーンミルズ製になる12.5oz.セルビッジデニムを使っている。4万700円
現在は閉鎖されてしまったために稀少ともいえるコーンミルズのホワイトオークファクトリーで織られたセルビッジ生地を表すタグが付く。前立て部分に生地のセルビッジ部分を使っている

HBHS(ハミングバーズヒルショップ)でテラソンのキャンペーンが始まる。

3月15日からハミングバーズヒルショップではテラソンのキャンペーンを実施。2万円以上のテラソンのアイテムを購入した人にテラソンのオリジナルバンダナをプレゼントする。テラソンのストックは日本一というハミングバードヒルショップでは各アイテムがそろうのでぜひ足を運んでいただきたい。キャンペーンは3月いっぱいの予定。

【DATA】
Hummingbirds’hill Shop(ハミングバーズヒルショップ)
東京都渋谷区神宮前3-27-22 ル コタージュビルディング 101
TEL03-6721-0189
11:00~20:00 無休(夏季、年末年始、臨時休業日を除く)
http://hummingbirdshill.com/shop/

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...