カーボンをまとったハコスカ進化系。
それまで旧車に乗ったことがなく、大石さんにとって初の国産旧車となったこの車両は、今から16年前に入手したものだ。入手した当初は、お約束どおり、リアにオーバーフェンダーが装着されたR仕様になっていたそうだ。
エンジンはこれまで何度かの仕様変更を経て、現在はL28改3.1リッターで、アルゴン加工で燃焼室のハートシェイプ加工を施し、ソレックスのφ50をセット。点火系も永井電子のCDIで強化し、大排気量ならではのパンチあるパワフルなエンジンとなっている。
外装は購入時のままでしばらく乗っていた大石さんだが、しばらくすると、「みんなと一緒はイヤ」という考えが噴出。定番に縛られみんな同じスタイルが当たり前というハコスカの世界に徐々に不満をもつようになった。
そんな時にスピードフォルムが制作したオリジナルオーバーフェンダーを見てヒトメボレしてしまった。
「これまで普通のオーバーフェンダーしかなかったハコスカの世界に、まったく新しいスタイルを提案してくれたスピードフォルムのオーバーフェンダーは自分にとってピッタリだったんです。当時はFRP製だったため、カーボン製が欲しいとリクエストしてこのフェンダーを作ってもらいました」と大石さん。
合わせて以前に購入してずっと埃をかぶっていたというカーボンボンネットも装着し、白いボディにオーバーフェンダーとボンネットがカーボン素地という現在のスタイルに生まれ変わったのだ。
ホイールは、ワークマイスターM1でディスク面をマットカーボンに、リム部分をブラッシュ仕上げにして、ダンロップ・ディレッツァを履く。もちろん、オフセットや車高はこのフェンダーに合わせてセットアップ。これによってこれまでのR仕様とは一線を画した唯一無二の一台が完成した。
1972 SKYLINE GT-X|進化系ハコスカの唯一無二の仕様。
エンジンはL28改3.1リッター仕様。ソレックスのφ 50というフルチューン仕様となっている。ちなみにピロアッパーは、キャスターとキャンバーを個別設定できるスピードフォルムのオリジナルアイテムをアイテムを使用している。
エンジンルームにはストラットタワーバーを装着。足回りはフルタップの車高調をチョイスしている。
ボリュームのあるアルミ製ラジエターには機械式ファンをあえて残してあり、街中の走行も考慮した冷却系強化が行われている。
ガンメタのディスクとブラッシュドリムが斬新なホイールはワークマイスターM1。フロント16×9.5J-13、リア16 × 10J-19を履く。
ここから今回のリニューアルに合わせてカーボンステアリングをチョイスしたダッシュ周りを見ていこう。
センターコンソールやスイッチパネルにはシルバーカーボン張りとしている。追加されたスイッチはバックランプとLED用のもの。
シートは現在廃盤となっている大阪ラバーソウル製のものを二脚セット。着座位置もかなり低い。
センターコンソール助手席側には燃圧計とワイドバンドA/F計をセットした。
シフトレバーはR純正スタイル。使い続けたことで、側面、特にシフトダウン時に手が触る右側部分のニスが剥げている点に注目したい。
スピードメーターと燃料計はそのままに、タコメーターをはじめ、各追加ゲージはブルーのイルミネーションが特徴のDefi製に統一。
センターコンソールにもさらに追加メーターを3連で装着している。
助手席足元にはクーラーのエバポレーターを設置。エンジンの排気量があるため、パワーロスが少なくしっかりと効いてくれる。
【SPEC】
●エンジン:L28 型改 ●排気量:3100cc ●トランスミッション:5速マニュアル ●サスペンション:フルタップ車高調 ●ホイール:ワークマイスター M1 ●タイヤ:DUNLOP DEREZZA
【DATA】
SPEED FORME
〒583-0874 大阪府羽曳野市郡戸46-10
TEL072-930-1234
営業時間:10:00~20:00
※情報は取材当時のものです。
(出典/別冊Lightning Vol.231「VINTAGE AUTO 快適旧車のススメ。」)
Photo & Text / D.Katsumura 勝村大輔
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