ひとりで行くならやっぱりこういうところですね。
ゴジラの咆哮が聞こえてくるシネシティ広場(旧コマ劇場前広場)からほど近い路地。掘っ立て小屋のような飲み屋が並び、昭和の猥雑な新宿の雰囲気を漂わせるこの場所に「歌舞伎町レッドのれん街」はある。
個性豊かな7軒の店舗がひしめいており、ニューハーフが登場するショーパブやカラオケが楽しめるバーも入居するなど、カオスな様相はこれこそ歌舞伎町といったところだ。そんな「歌舞伎町レッドのれん街」を訪ねたのは、ナノ・ユニバースでPR/マーケティング部長を務める田中直樹さん。
「普段はひとりで飲むことは少ないのですが、ひとりで行くならやっぱりこういうところですね」
田中さんが7軒の中から選んだのは、串かつをメインとする「東京串かつ かっちゃん」。店に入ると早速、生ビールを注文。この日はテレビ番組の取材を終えた開放感からか、酒がどんどん進む。
「揚げ物が好きなんですけど、なかなか自宅で作るのは難しいじゃないですか。普段、家で食べれないものを食べたいから、こういう店をついつい選んじゃいますね。外でも家でも飲みますし、休肝日も特に設けていないんですが、健康診断の結果はずっとオールA。だからといって健康に気をつけてないわけではないですよ。毎日、体重計に乗って、ちょっと増えていたら食事を調節したりしています。意外にストイックなんです」
そんな話をしながら、運ばれてきた串揚げを早速頰張る。皿に並んでいるのは、エビにイカ、カキ、サーモンに子持ち昆布といった食材を使った串揚げ。お店の人によると、現地直送か豊洲から買い付けた生でも食べられる魚介を串揚げにしているという。繊細な衣と絶妙な揚げ具合の相乗効果で、その味わいはまさに絶品。
「こういう料理が食べられるのが醍醐味ですよね。衣が他とは違います。これは家では絶対にできないなあ」
たとえ記憶がなくなったとしても楽しかったのは確かだと思えるように飲みたいんです。
串かつを堪能していると、少々怪しげな女性が田中さんのもとに近寄ってきた。聞くと、お客さんの似顔絵を描いて回っている流しのイラストレーターなのだという。こんな出会いも横丁ならでは。早速、似顔絵をお願いした田中さん。10分ほどで完成した作品に、〝似てますね!〟とご満悦。
「こういうこと意外なイベントがあるから、横丁は楽しいんですよ」
1杯目のビールを飲み終えると、つづいてはハイボール。
「基本的にミーハーなので、良いと言われている店には行ってみるようにしています。なぜ良いのか知りたいんですよね。でも、なるべく職場に近い店では飲まないようにしています。自分が嫌なのではなくて、自分がいることで人に気を使わせてしまうのが嫌なんです」と田中さん。
とはいえ、堅苦しく飲むのは大嫌い。
「せっかくお酒を飲むのなら、たとえ記憶がなくなったとしても、楽しかったのは確かだと思えるように飲みたいんです。お金を使うなら、楽しい経験をして元をとってやりたいっていう考え方ですね(笑)。だから、こういう色んな人と適度な距離感でコミュニケーションを取れる横丁の居酒屋は大好き。これからもずっと通いつづけたいです」
【DATA】
東京串かつ かっちゃん
東京都新宿区歌舞伎町1-3-7
TEL03-6452-3140
営業/17時~翌5時
休み/なし
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/別冊Lightning Vol.209「TOKYOノスタルジック横丁」)
Text/T.Ogawa 小川高寛 T.Itakura 板倉環 K.Osawa 大沢圭 M.Terano 寺野正樹 Photo/S.Tsuji 辻茂樹 K.Miyamae 宮前一喜 S.Saito 斉藤優 T.Sasai 笹井タカマサ S.Kai 甲斐俊一郎
関連する記事
-
- 2024.11.05
渋谷発!! カクテル世界チャンピオンがプロデュースした新世代ハイボールが誕生。
-
- 2024.11.12
ビール造りに終わり無し!クラフトマンシップに共感したOHRAIラガー誕生!