フルカウント辻田流「入浴道」。最後は“水で仕上げる”のが鉄則なんです。

ここ最近、愛好家が増殖中のスーパー銭湯やサウナなどに代表される入浴カルチャー。そんな時代が来る以前からほぼ毎日銭湯に通っているのが、ジャパンデニムでは知らない人はいない代表の辻田幹晴さん。

まさにライフワークとして銭湯に通い続ける大先輩が教える銭湯のあれこれ。個人的におすすめの銭湯から入浴の仕方、さらには楽しみ方まで、長年銭湯に通い続けてきたことで到達した「入浴道」をお届け。今回は銭湯初心者の方に向けた「正しい入り方」を教えます。

銭湯初心者に知ってほしい、カラダに良い温冷浴のあれこれ。

以前からその兆候はありましたけど、コロナウィルスのパンデミックで、夜は飲食店閉まっていたことも引き金となって、スーパー銭湯から街の小さな銭湯までどこも混雑が見られます。マスコミもこの空前のサウナブームをこぞって取り上げ、サウナー、整った、など新しい用語も生まれています。

第一回目となる今回は、そんな銭湯初心者の方へ向けて、マナーを含めた僕なりの正しい入り方を伝授したいと思います。正しい入り方といっても、毎回同じルーティーンをきちんと決めているわけではなく、むしろ決めずに、その日の体調や気分によって入り方を決めています。

まずは入浴する前のお約束。

その中でも必ず行っていることと言えば、食後直ぐには入らないと言うこと。

これは食後胃の中の食べ物を消化するために血液が集中しています。入浴することで血流が身体をめぐるため、消化が疎かになり消化不良を起こしてしまうからです。食後直ぐに入浴すると気持ち悪くなるのはこのためです。

そして入浴前には発汗を促すために必ず水を飲みます。水を飲むタイミングは直前ではなく15分前くらいがちょうどいいです。水分を取らずそのまま入浴すると、発汗によって血液濃度が高くなり血圧があがるリスクがあります。

ここから私なりの気持ちいい入浴法を伝授します。

注意点はそのくらいにして、あとは僕なりの気持ちいい入浴方を教えます。極端な話、風呂には水風呂に入るために行っています。というと普通は、「は? なにそれ?」となると思いますが、風呂好きの人の多くはこの快楽を求めて銭湯に行きます。

家の風呂では味わえない1番の醍醐味です。

水風呂だけに入るのであれば、プールにでも行けばいいのですが、それとは違って、どれだけ気持ちいい状態になるかということが重要です。「羽衣状態」、愛好家の間で通用するワードですが、水風呂に入って少し経つと、肌の表面に薄い着物を纏ったような感覚にみまわれます。

これは体内からでる熱が温度を中和させ、冷たさを感じなくさせてくれているからだと思っています。この状態になるためには、サウナ→水風呂、又は高温浴→水風呂を5回以上繰り返すことで得ることができます。

これは必ずしも連続で行うのが正しい訳でもなく、途中椅子に座って休憩したりしながら無理せずゴールを目指しましょう。

最後は水風呂、水シャワーで仕上がります。

これを言うとほとんどの方は「えっ?」と疑念を持ちます。特に冬場は最後にしっかり温まってから上がるのが当たり前だと思っている人が多いかと。これは温冷浴の観点から言うと非常にもったいないことでして、最後にしっかり温まってから上がると、体温を下げるために汗が出てきます。

風呂上がりに汗をかくと、外との気温差で下着に沁みた汗はすぐに冷たくなり、湯冷めの原因になってしまうんです。そして、頭は熱いままで、のぼせたような状態となってしまいます。

そこで、しっかりと身体の芯まで温まった後、最後に水風呂に1分以上浸かることで、汗はかきにくくなり、体温を保ったまま副交感神経を上げることができ、睡眠への自然な流れができるのです。頭の熱も水シャワーで取っておくと完璧です。

今回は、単純に気持ちの良くなる入浴方をお伝えしました。ぜひ銭湯愛好家の方は試していただきたいです。

スッキリしたいとき、疲れを取りたい時、ゆっくり眠りたい時、目的に応じて入浴方は変わります。今後はさまざまな入浴の楽しみをお伝えしていきたいと思います。

この記事を書いた人
辻田幹晴
この記事を書いた人

辻田幹晴

温冷浴マスター

ジャパンデニムの雄「フルカウント代表」。40歳のときに癌を患い、そのとき医師から体を温めて基礎体温を上げることと、血流を良くすることが癌の予防になると言われたのがきっかけで銭湯に毎日行くように。かれこれ16年、ほぼ毎日銭湯に通う。今流行りのサウナーではなく、(サウナにも入るが)色々経験した結果、最近はぬる湯にハマっている
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