シルバーに輝く秘密基地。エアストリームとキャンプ用品。

圧倒的な人気を誇る出雲発の「オールドマウンテン」。ディレクターである辻ノ内実さんは大のヴィンテージカー好きでもある。旧きよき時代のアメリカ車の中には、美しくエイジングしたツールが並んでいた。

車内に置かれたものひとつひとつにまでこだわったトレイラー。

旧きよきアメリカの風景を切り取ったような写真。でもこれは今の日本で撮影したもの。このシボレーのシェビーバンG20と’40年代のスパルタンのジェラルミントレーラーのオーナーは、島根県の出雲を拠点とする実力派アウトドアブランド『オールドマウンテン』の辻ノ内さん。近年盛り上がっているインディペンデントなアウトドアブランドの中でも熱狂的な人気を誇る。

愛車のシボレーのシェビーバン20は、1980年製。ブラウンの同系色で構成されたカラーブロックが、なんともクラシックな印象である

その理由に、徹底したクオリティだからこそ生まれるエイジングの美しさがある。強い太陽光や雨風にさらされ、経年変化したクルマには、独特な色気がある。そんなクルマを愛する辻ノ内さんだからこそ体現できた経年変化だと言っても過言ではない。

「持つ人の人生における“一生モノを作る”というのがブランド哲学のひとつなので、長く使えて、エイジングする度にかっこよくなるプロダクトを意識しています。

このトレーラーの中にあるのは、実際にキャンプ道具としても使っているオリジナルです。例えばチェアの座面。これはカーミットチェアに自社で作ったラクダ革で張り替えているのですが、座り心地に直結する柔らかさと耐久性を両立させています。ステッチ部分に特殊材料を仕込むことで伸びを防ぎ、座面裏に強度のあるパラフィンコットンを貼ることで座り沈みを一定で止めているんです。この二重構造によって独特なエイジングを楽しめるのも醍醐味です」

’40年代のスパルタンのトレーラーの室内は、オリジナルの内装を活かし、床にはヴィンテージのラグを敷いている。穿いているデニムは、’70年代からある出雲縫製工場で作った出雲デニム
室内でもキャンプでも使っているストーブは、日本船燈。真鍮ボディなので、長年使い込んでいるので、いい風合いになっている
アウトドアで聴ける12V仕様の真空管オーディオであるホワイトコーンスペシャル。惜しみなく無垢材を使用し、細部にはオリジナルの真鍮パーツを使用
使っているチェアは、カーミットチェアをオールドマウンテンのオリジナルに張り替えたカスタムモデル。右がGARAKUDAというコットンとキャメルレザーのコンビで、左は同じく高級サウジアラビアンキャメルレザーを使ったRAKUDA

【問い合わせ】
オールドマウンテン
https://www.oldmountain.jp
Instagram @oldmountain_official

(出典/「Lightning2023年2月号 Vol.346」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...