ヴィンテージインディアンとは? 知っておきたい豆知識7選。

1901年に創業し、’50年代に幕を閉じるまでアメリカの二大モーターサイクルメーカーとしてハーレーと争い続けたインディアン。独自のディテールや構造を多く持つヴィンテージインディアンの知っておきたい豆知識を紹介する。

教えていただいたのはこの方……「リトルウイングエンジニアリング」代表・大平芳弘さん

ヴィンテージインディアン、ハーレーの整備、カスタムを手がける東京の老舗。レース参戦経験も豊富で、特に内燃機整備の技術に定評がある。インディアンに関しては日本での先駆け的存在として知られる。

【豆知識①】排気量が大きいのが「チーフ」、小さいのが「スカウト」と覚えるべし。

インディアンの代表的なモデルはチーフスカウトの2モデル。

厳密なことは置いといて、同じ年代で見れば排気量が大きいのがチーフ、小さいのがスカウト。

ディープフェンダーがチーフだと思っている人が多いけど、’42年でスカウトの生産が終わるためタマ数が少ないだけで’40年以降はチーフもスカウトもディープフェンダーなので要注意。(※下の写真のスポーツスカウトはタンクやマフラーなどを変更したボバーなので、ストックとは異なる)

CHIEF

SPORT SCOUT

【豆知識②】’40年代のインディアンと言えばディープフェンダー!

おそらく一般的にストックのインディアンのイメージが強いのがハーレーにはない、この大型フェンダー。美しいラインでタイヤを覆うディープフェンダーは’40sインディアンの象徴だ。

【豆知識③】アメリカン人の誇り、フラットヘッドで’50年代まで走り続けた。

ヨーロッパ生まれのOHVに対して、フラットヘッドはアメリカ生まれのエンジン。

ハーレーが’36年からOHVを市販車に採用したのに対し、インディアンは倒産直前までフラットヘッドのみで走り続
けた。

ミッション構造やボールベアリングの採用など精度が高かったことがフラットヘッドだけで戦い続けられた理由と言われている。

【豆知識④】フェンダーに顔がつく’47、’48年がチーフのゴールデンエイジ。

インディアンの顔を模したフェンダーオーナメントが採用されたのは’47年から。ガーダーフォーク、ディープフェンダー、このオーナメントを純正で備えるのは実は’47と’48年のチーフだけ。

【豆知識⑤】インディアン特有の超アナログなフォークがいまでも人気。

’49年からはインディアンもテレスコピックフォークを採用するが、ハーレーにスプリンガーがあるように、インディアンの純正フォークにはガーダーフォークリーフスプリングフォークがある。

どちらも極めてプリミティブな構造だが、インディアンのトラディッショナルなスタイルには欠かせない。

【豆知識⑥】’20年代にすでに4気筒のモデルを作っていた。

インディアンは’27年にエースモーターコーポレーションを買収し、その技術によって直列4気筒エンジンを搭載するモデルを発売し、その翌年に改良を加えたフォー(FOUR)が登場。

インディアンの中でも異色のモデルで、純血でないことからフリークの間では好みが分かれるところだとか。

写真のフォーは’40年の後期モデルに当たるもの。

【豆知識⑦】リジッドフレームみたいなサス付きフレームの時代がある。

’40年からインディアンで正式に採用されたプランジャーサスペンション

ハーレーがリアサスを採用したのが’52年のKモデルからであることを考えれば、かなりインディアンのフレーム技術は進んでいたことを証明している。

リジッドの三角形に近いフレームラインも美しい。

【豆知識⑧】インディアンの創業者はヨーロッパ人!?

インディアンはマサチューセッツ州でレーサーのジョージ・ヘンディと、エンジニアのオスカー・ヘッドストロームによって1901年に創業。

メーカー名から考えて当然二人はネイティブアメリカンと思われがちだが実はどちらもヨーロッパからの移民

当時差別を受けていた“インディアン” という言葉を使ったのには深い意味があったに違いない……

【豆知識⑨】’60年代に’20年代のインディアンで世界記録を樹立。

映画『世界最速のインディアン』の題材となった、バート・マンローというおじいちゃんがボンネビルで最高速に挑んだのは本当にあった話。

’20年式のスカウトを自らカスタムしたストリームライナーでAMA 1000 ㏄ S-AF(1000cc以下のカウル付きクラス)の記録を3度も塗り替えた。

【豆知識⑩】WLAの陰に隠れた軍用車がある!

500㏄のスカウトをベースに軍事用に開発された741ミリタリースカウト。

高性能なフラットヘッドを搭載していたが、その精度の高さが仇となり、構造がシンプルで素人でも整備しやすいハーレーのWLAがメインでの軍採用となってしまったとか。(※写真の車両はリペイントされているが装備は軍用車のもの。実際の軍用車はオリーブカラー)

▼こちらの記事もおすすめ!

ネイティブカルチャーに魅せられた男が愛する、「インディアン」の軍用バイク。

ネイティブカルチャーに魅せられた男が愛する、「インディアン」の軍用バイク。

2021年10月24日

(出典:「Lightning 2017年11月号 Vol.283」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd別注】本物のアランは暖かさだけじゃない! アランケーブル クルーセーター登場

  • 2026.01.24

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd】アランケーブル クルーセーター もともとは海の男たちを守るための、...

日本屈指のインディアンジュエリーブランドが放つ、美しき馬蹄のシルバージュエリー。

  • 2025.12.24

日本屈指のインディアンジュエリーブランド・ファーストアローズがこの冬新たにリリースした「馬蹄」を象った「ホースシュー」シリーズ。奇しくも2026年は午(うま)年。ファッション面だけでなく、来年こそは飛躍を願う人にとって最高の開運アイテムとなるはずだ。 新作「ホースシュー」シリーズを一挙紹介! 1. ...

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

Pick Up おすすめ記事

【KEATON CHASE U.S.A.×2nd別注】大人のための、ちょうどいいシャンブレーシャツ登場!

  • 2026.01.25

ライトオンスのシャンブレーを使用した、米国のシャツファクトリー「キートンチェイスUSA」の定番プルオーバーシャツ。カジュアルな要素を備えながらシャツ本来のきちんと感も残したこのアイテムを、2nd仕様に別注。胸ポケットの作りや前立てのボタンの数などを微調整し、すっきりと大人な印象にまとまっている。 >...

日本屈指のインディアンジュエリーブランドが放つ、美しき馬蹄のシルバージュエリー。

  • 2025.12.24

日本屈指のインディアンジュエリーブランド・ファーストアローズがこの冬新たにリリースした「馬蹄」を象った「ホースシュー」シリーズ。奇しくも2026年は午(うま)年。ファッション面だけでなく、来年こそは飛躍を願う人にとって最高の開運アイテムとなるはずだ。 新作「ホースシュー」シリーズを一挙紹介! 1. ...

上質な馬革をシンプルに愉しむ。石炭(COAL)を運ぶために使われていたコールバッグという選択肢

  • 2025.12.27

きめ細かく美しい銀面を持つことで知られる馬革。軽くて強靭、上品な質感、そして使うほどに味わい深い経年変化で、多くのレザーファンたちを魅了し続けてきた。そんな馬革をシンプルに愉しませてくれるのがINCEPTIONのコールバッグだ。 ヴィンテージをベースに、実用性を加味し再構築。 19世紀末から20世紀...

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。