アメリカ車を代表するスポーツカー(マッスルカー)にはどんなものがある?

  • 2023.02.21  2021.01.09

スポーツカーといえば、ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニなどヨーロッパ車のイメージが強いが、もちろんアメリカ車にもスポーツカーというジャンルはある。一般的に「マッスルカー」と呼ばれ、特徴としてはV8エンジンを搭載していることがあげられる。排ガス規制前の1960~70年代のハイパフォーマンスカーのみを指す場合もあるが、ここではV8エンジンを搭載した、主なアメリカ車のスーパーカーを5つ紹介する。

1.「FORD(フォード)」のマスタング|フォード

1964年のニューヨーク万博で若者をターゲットとして発表されたフォード・マスタング。スポーティな外観と高い性能を持つミドルクラスクーペのマスタングは、ポニーカーと呼ばれ大きなムーブメントを生み出した。乗用車からピックアップトラック、商用バンまで幅広く展開するフォードにあって、マスタングは現在もスポーツカー(マッスルカー)の代名詞である。

現在、ファストバックコンバーチブル(オープンカー)、シェルビー(コンプリートカー)にそれぞれエコブーストGTのグレードが選べるラインナップで展開されている。エコブーストは2.3L 4気筒エンジンであるのに対し、GTは5.0L V8エンジンなので、厳密にはマッスルカーと呼べるのはV8エンジンを搭載したGTグレード、となる。

▼マスタングについてもっと詳しく知るならこちらの記事をチェック!

FORD MUSTANG(フォード マスタング)とは? その衝撃デビューから歴代の名車を紹介!

FORD MUSTANG(フォード マスタング)とは? その衝撃デビューから歴代の名車を紹介!

2023年07月24日

2.「Chevrolet(シボレー)」のコルベット|GM

2020 Chevrolet Corvette (C8)

初代コルベットがデビューしたのは1953年。当時アメリカのクルマは質実剛健な独自の作りを持ってはいたが、ことスポーツカーというジャンルを存在せず、その意味ではヨーロッパに遅れを取っていた。戦争中に兵士たちがヨーロッパで見た2シータースポーツモデルに匹敵するモデルをアメリカでも発売すべく、これまでにないコンパクトなボディに直列6気筒を搭載して登場したのがコルベットである。

ボディは当時の最先端素材であるFRP製を使用するなど、最新の技術が惜しみなく投入されたが、エンジンは直列6気筒エンジンのみで出力はたったの150馬力と非常に非力だった。1955年にようやくシボレーでスモールブロックV8が登場するのと同時にコルベットにもV8を搭載。その後、歴代コルベットはいつもその時代のシボレーの最高峰のエンジンを搭載し続けているフラッグシップモデルとなった。

現行のC8はエンジンはこれまで同様OHV方式のLT2型6・2リッターV8で、6450rpmで495hpを発生。トランスミッションは8速のDCTを採用。0-100㎞/h加速はベーシックグレードながらたった2.9秒! 最高速度は194MPH(約312㎞/h)という驚異的なスペックに。C8によって、コルベットはもはやアメリカンマッスルカーの頂点というよりは世界に比肩するスーパーカーとなった。

▼コルベットの歴代モデルは下記記事でチェック!

シボレーを代表するスポーツモデル「コルベット」C1から新型C8“スティングレイ”までおさらい!【保存版】

シボレーを代表するスポーツモデル「コルベット」C1から新型C8“スティングレイ”までおさらい!【保存版】

2023年07月24日

3.「Chevrolet(シボレー)」のカマロ|GM

2016 Chevrolet Camaro

1964年に登場したマスタングの大ヒットによって、ポニーカー(若者向けの低価格帯2ドアクーペ)と呼ばれるジャンルが誕生。GMも新たなにコンパクトなボディを持つスポーツモデル開発が急務だった。そこでFボディプラットフォームにスタイリッシュなハードトップボディを搭載したカマロを1967年に発売。

ハイパワーエンジンをオプションで搭載できるようにするなど、若者のニーズを的確に捉えることで、デビュー当初から人気のモデルとなった。直列6気筒搭載のほか、V8エンジンを搭載した「SS(スーパースポーツ)」、レーシングモデルの「Z28」、ラリーモデルの「RS(ラリースポーツ)」の3種がラインナップされていた。

現行の6代目カマロの外観は先代モデルのキープコンセプトながら、シャシーやコンポーネンツを見直し、剛性を28%向上しつつ、約90 ㎏の軽量化を果たしている。搭載されるエンジンは、従来通り6.2リッターV8と、新開発の2リッター直列4気筒ターボを導入し、初のターボエンジンが搭載されることとなった。

▼もっと詳しくカマロを知るならこちら!

マスタングの対抗馬として誕生したスポーツカー「CHEVROLET CAMARO(シボレー カマロ)」とは?

マスタングの対抗馬として誕生したスポーツカー「CHEVROLET CAMARO(シボレー カマロ)」とは?

2023年02月21日

4.「DODGE(ダッジ)」のチャレンジャー|クライスラー

J MorrisによるPixabayからの画像

2009年に主力車種「ラム」を切り離したため、現在は乗用車のみを販売しているダッジ。1970年に、すでに登場し人気を集めていたフォードのマスタングに追随する形で登場したのが、現在も販売されている「Challenger(チャレンジャー)」だ。若者向けのコンパクトで比較的低価格のスポーツカー“ポニーカー”という新しいジャンルに投入されたが、1974年には一度姿を消してしまう。

その後、2代目が1977年に復活するも、「三菱」のギャランΛを北米向けに販売するものであり、初代に比べ直列4気筒のみというパワー面で及ばず、1983年に再び姿を消す。しかし、再び2008年、ストラトスクーペの後継としてV8エンジンを搭載した3代目が登場。セダンタイプの「Charger(チャージャー)」と共に、現在までマッスルカーとして人気を集めている。

5.「DODGE(ダッジ)」のバイパー|クライスラー

チャレンジャーと同じクライスラーのマッスルカーといえば、「Viper(バイパー)」を忘れてはならないだろう。クライスラーの高性能車両開発チームSRT(ストリート&レーシング・テクノロジー)及び、ダッジから販売されていた、アメリカ車を代表するスーパーカーだ。

’80年代に北米マッスル・スポーツカー市場をほぼ独占していたシボレー・コルベットに対抗するために開発。当初は3年間のみの生産予定だったが、発売後大きな反響とともに想定以上の売り上げとなったため、2017年までおよそ26年間にもわたって継続販売された名車だ。

生産中止となった現在も世界中に熱狂的ファンを多く抱えている。特徴としてはアメリカ車ならではのOHVエンジンを搭載しながらも、その実はよく見られるV型8気筒ではなくV型10気筒で、排気量は8.4リットル600馬力オーバーと市販車の中では最大級ということが挙げられ、世界最速の量産市販車だった記録も残っている。

現行のマッスルカー「Charger(チャージャー)」「Challenger(チャレンジャー)」の上を行く、マッスルスポーツカーの王様であったが、米国連邦自動車安全基準 FMVSS 226(車外放出低減)をクリアできないため2017年に姿を消すことになった。とはいえ記録にも、記憶にも残るダッジの誇る名車である。

▼詳しくはこちらの記事をチェック!

クルマ好きが行き着いたセカンドカーは、「Dodge Viper(ダッジ バイパー)」だった。

クルマ好きが行き着いたセカンドカーは、「Dodge Viper(ダッジ バイパー)」だった。

2023年02月21日

カマロより小さな、V8エンジンを積んだラリーカー「シボレー ノバ」。

V8エンジンを搭載しているという観点から言えばマッスルカーともいえる「シボレー ノバ」だが、カマロ並みのパワーを持った“コンパクトカー”としてのほうが認知度は高いだろうか。

だがしかし、1960年代から’70年代にかけて活躍した、有名なエンジンビルダー兼ドラッグレーサーBill Jenkinsが使用したドラッグレースマシン”Grumpy’s Toy V”がレザートップ付きの’68年ノバをベースとしていたり、愛好家からレースカーとして人気を博していたスポーツカーである。

高性能スポーツモデル「SS」がラインナップされるなど、カマロと競合し人気を奪われるまでは“走り”を追求した代表的なクルマであった。

▼写真のカスタムノバについてはこちらの記事をチェック!

街乗りもできてレースも愉しめるオールマイティなスポーツカー「シボレーノバ」とは?

街乗りもできてレースも愉しめるオールマイティなスポーツカー「シボレーノバ」とは?

2023年02月21日

▼シボレーが生んだ個性的なピックアップ「エルカミーノ」にも注目!

“エンドレスサマー”なクルマ、「シボレー・エルカミーノ」を相棒にしたい!

“エンドレスサマー”なクルマ、「シボレー・エルカミーノ」を相棒にしたい!

2023年02月21日

(出典/「別冊Lightning Vol.164 オールドアメリカンカルチャー」「Lightning 2017年7月号 Vol.279」「Lightning 2020年8月号 Vol.316」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部