「いつしか痛みがなくなり、素足で履いても極上の履き心地に」ローファーには“革靴の向こう側”がある!

  • 2025.07.10

これまでに様々な革靴を目にし、足を通してきた革靴巧者にローファーについて語ってもらうと、それぞれのローファーに対する考え方や認識の違いが見えてきた。今回は、「グリフィンインターナショナル」企画/営業・関口文也さんに貴重なコレクションとともに、存分に語ってもらった。

「グリフィンインターナショナル」企画/営業・関口文也|1986年生まれ。神奈川県出身。文化服装学院を卒業後、世界中の靴ブランドのインポーターを務めるGMTに入社。その後、フィルメランジェのディレクターを経て、現職に

「ローファーには“革靴の向こう側“があるんです」

「ローファーには、“革靴の向こう側”があるんです」。と開口一番でとんちのようなことを言い出したのは、グリフィンインターナショナルの関口さん。だがその心を聞くと、ご自身の趣味嗜好やローファーへの愛情が伝わってきた。

「スニーカー好きの知人に革靴を勧める時は、まずローファーを推します。最初は痛かったり、疲れると思いますが、履き込んでいくといつしかスニーカーにも負けない極上の履き心地となる。これが僕の言った“革靴の向こう側”になります(笑)。僕がこの世界を初めて体験したのが、20代前半の時に購入したジェイエムウエストンの定番180ローファー。今では極端なタイトフィッティングをオススメされることはないようですが、当時はびっくりするくらいのジャストサイズを勧められるままに購入。最初は5分くらい履き、慣れ始めたら1時間といった具合に履く時間を増やしていきました。そうは言ってもずっと痛いので、先輩方から“ジェイエムウエストンは修行だ”とアドバイスされたことが身に沁みたのを覚えています(笑)。痛いなと思いながらも、履いた時の高揚感やスタイリングした時の収まりの良さにメリットを感じて、我慢して使っていたのですが、いつしか痛みがなくなり、素足で履いても極上の履き心地となったんです。そこからローファーにハマりました」。

ブランドディレクターとしても活躍していた関口さんは、大の凝り性。ローファーにハマりすぎて、様々な国のブランドの名作と呼ばれるようなモデルを試したそう。

「今日着ているヴィンテージのオルテガやリーバイスのデニムシャツからもわかるように大のアメリカ好きではあるのですが、同国のローファーはどうにも合わなかったんです(泣)。僕はタイトフィットを信条とし、最初は足を怪我する覚悟で履き込んでいくのですが、最上の履き心地を得るのは、自分の足型とラストや革質の相性もある。アメトラの定番ですし、かっこいいデザインが多いのですが、アメリカ特有のボッテリとしたラストやコードバンなどの固いレザーは、自分の履き方とは相性が悪くて」。

そんな苦い経験を経て、行きついたのが、イギリスとフランスのローファーだった。前述したジェイエムウエストンは言わずもがな、履き心地や合わせやすさという意味では英国のクロケット アンド ジョーンズにも太鼓判を押す。

「クロケット アンド ジョーンズは、様々な名門ブランドのOEMを手掛けていた経験もあって、非常に考え方やデザインが柔軟なんです。王道のボストンは、アメリカのローファーをうまく踏襲していますし、バタフライローファーのようなドレッシーなモデルも展開。履き馴染みに特化したアンラインドのモデルもあります。個人的には憧れのローファーを買って、痛くて履かなくなってしまうよりは、その快適さを知った上で購入した方が、うまく付き合えると思いますね」。

アメリカの王道なデザインを英国の伝統的なグッドイヤーウェルテッド製法で再構築したクロケットアンドジョーンズのハーバード2。日本人の足型を考慮したラスト376は、抜群のホールド感を実現。入門用にも最適。

英国へ出張した際に購入したというクロケットアンドジョーンズのキャベンディッシュ3。レアなネイビーカラーが気に入って購入したそう。ジェイエムウエストンの180ローファーも含めて、ネイビーのレザーにはあえて黒のクリームを入れることで、深みのあるトーンにしている。

関口さんが所有しているローファーは、英国のクロケットアンドジョーンズ、ジョンロブ、フランスのジェイエムウエストン、パラブーツと欧州モノばかり。素足で履くことが多いので、タイトフィットを信条とする。

(出典/「2nd 2025年6月号 Vol.212」)

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