01…SIERRA DESIGNS / MOUNTAIN PARKA|ロクヨン”の魅力はスタイル不問で継続中。
70年代に起こったヘビーデューティブームの影響で、“ロクヨン”という言葉とともに日本に普及した〈シエラデザインズ〉のマウンテンパーカ。コットン60%、ナイロン40%をブレンドしたロクヨン生地は、耐久性や撥水性がありながら、天然素材らしい味わい深さも備えている。そんな名作をすでに2着も着古したという鈴木さん。
「3着目は上野の『守屋商店』で、しかもデッドで購入した80年代製のものです。この時期の個体は、近年のロクヨンクロスとは質感が違っていて、緑の色味が深いですね。僕も昔はラギッドなアメカジが好きだったので、ジーパンやワークブーツに合わせてましたが、アメトラへと趣向が移ってきても“シエラ”だけは着続けてます。
スタイルを選ばない名作です。いまはスポーツコートの上から羽織ることが多いですね」
Recommender:ビームス プラス/鈴木太二さん|「ビームス プラス 丸の内」店長。アメトラへの探究心が強く、映画作品にリアルなアイビースタイルを発見することが趣味のひとつ。
02…WALK-OVER / WHITE BUCKS|汚れた面もサマになるアイビー玄人の必需品。
よりコアなアイビーファンであるほど欠かせない必需品が、バックスシューズ。本来はバックスキン(鹿革)が用いられていたが、現在ではヌバックが主流。なかでもレンガソールの赤土色とアッパーの白色の組み合わせがアイコニックなホワイトバックスは、アイビー好きからの絶大な支持を得る。
「いろんなホワイトバックスに手を出してきましたが、毛足の長さとほどよいスマートな木型から、やっぱりバックスシューズの元祖である〈ウォークオーバー〉が一番履きやすい、というのが結論です。カジュアル寄りの靴ですが、ウールトラウザーズやスーツにも合わせられますので、かなり万能です。
いまっぽいワイドなシルエットのパンツを合わせて、溜めた裾からバックスの白をチラ見せしたりと、現代的に履くにはどう合わせるべきかを模索中です」
Recommender:シップス/松尾教平さん|シップス入社後、ショップ勤務を経て現職であるプレスに。YouTubeのシップス公式チャンネルにてラジオ動画を配信中。
03…Brooks Brothers / REGIMENTAL TIE|革靴と親和性の高いアメトラのアイコン的アイテム。
革靴を作ることを生業とする清水川さんにとって、革靴に合わせるスタイルを構築するうえで欠かせないのがアメトラの雄〈ブルックス ブラザーズ〉のレジメンタルタイだ。約20年前に業界の門を叩き、キャリア最初の職場となった革靴店の上司が同ブランドのアイテムを身につけていたことからその魅力に取り憑かれたのだという。
「革靴を履くスタイルとトラッドなタイの相性は言うまでもありません。いまでも店頭に立つ時は、ブレザーにレジメンタルタイを締めるのがマイルールです。コーディネイトに応じてイーグルのモチーフが入ったクレストとシンプルなストライプを使い分けています。
自分がこのタイの魅力に気づいた当時と比べると、タックアウトしたBDシャツに合わせるなど、よりカジュアルな方向に着こなしの幅が広がっているように感じます」
Recommender:アーチケリー/清水川栄さん|大学在学中に革靴店でアルバイトを始め、バイヤーなどを経て2016年に独立。2020年に〈アーチケリー〉を立ち上げた。
04…POLO RALPH LAUREN / ANDREW PANT|意識せずともワードローブに入るそんな日常着こそ名品。
「わざわざ探して手にいれるようなアイテムではないですし、特別気にするようなアイテムでもないと思います。ですが、それでも20代の頃から店には並んでいて、なんとなく穿き続けていて、クローゼットにあるチノパンの中で1番数をもっているのは〈ラルフローレン〉の[アンドリューパンツ]ですね」。
今年も1本買い足し、同モデルで現在4本程を所有しているという柳さん。ついつい、購入してしまうという。「股上が深く、太めのシルエットにツータックというディテールは気に入っているポイントではありますが、普段穿いていてどこのブランドか聞かれるようなパンツでもない、普通のアイテムなんだと思います。
でも、それくらい日常に溶け込んでいて、いつの間にか持っているみたいな。意識せずに選んでしまう、だからこそ名品なんだと思います」
Recommender:フリーランスセールス/柳雅幸さん|インポーターのプレスを務めた後に独立。現在はフリーランスとして様々なブランドに携わっている。趣味はラジオを聴くこと。
(出典/「2nd 2024年11月号 Vol.208」)
Photo/Norihito Suzuki
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