20代のファースト紺ブレ。識者が選ぶ最高の一着とは?

  • 2023.11.09

あえて定められた様式美にドップリ染まるか。思い切って自分のテリトリーへと舵を切るか。マイルールを構築しつつある20代が身染める紺ブレ像は多彩だ。そこで「ビームスF」スタッフ・阿由葉銀河さん、「メーカーズシャツ鎌倉 丸の内店」店長・庄子晃功さん、「インディビジュアライズドシャツ ジャパン」ディレクター・早野海さん、20代の洒落者3人にファースト紺ブレに最適な一着について大いに語り合ってもらった。

「ビームスF」スタッフ・阿由葉銀河|1997年生まれ。文化服装学院に在学中からドレスの道を志し、スーツ店でバイト。卒業後にビームスに入社し、各国の良質なドレスクロージングを中心に展開する「ビームス F」に所属。独自のセンスで同世代のトラッドマンたちから絶大な人気を誇る若手のエース。着用しているブレザーはPOLO RALPH LAUREN
「メーカーズシャツ鎌倉 丸の内店」店長・庄子晃功|1994年生まれ。高校3年までテニスひと筋だったが、引退後にファッションへ開眼し、トラッドに傾倒。以降ストイックにその道を追求し、大学在学中はブレザー通学するほど。その姿が同社の先輩の目に止まり、バイトにスカウトされたことが入社のきっかけに。着用しているブレザーはNEW YORKER
「インディビジュアライズドシャツ ジャパン」ディレクター・早野海|1993年生まれ。10歳までロサンゼルスで過ごした経験も影響してか、大学時代にファッションに目覚めるとアメリカンスタイルに傾倒。その道に精通するメイデンカンパニーに入社後、販売、海外営業、バイイングなどを経験した後、現職に就きMDとして活躍。着用しているブレザーはINDIVIDUALIZED CLOTHING

入り口はひとつじゃない。ファースト紺ブレに選ぶなら

早野 アメリカントラッドの世界観が好きな人なら、多分10代とか20代ですでに紺ブレを愛用してる人は多いはず。

阿由葉 色々なメディアだったり、諸先輩方からも、男なら一着は持っておかないと的な圧を感じますしね(笑)。

庄子 僕なんてマジで大学時代から愛用してましたよ。なんならリアルテイクアイビー的な感じで紺ブレ通学してましたし。そのせいかまったくと言っていいほど女性からモテませんでしたけど(苦笑)。

早野 それは切ない(笑)。でもきっと服好き男子からはモテモテだったはず!

阿由葉 でも10代で紺ブレ通学は早熟ですね。さすがです。

庄子 初めて購入したのは、さらに遡って高校生の頃。雑誌とかで事前に色々調べて、“やっぱり60年代の紺ブレこそが本物でしょ!”みたいに意気込みつつ、現金を握りしめて某アトメラの老舗ブランドを尋ねたのを覚えてます。

阿由葉 なんか初々しいなぁ。

庄子 ところが当時そのブランドには思い描いていた、いわゆるI型のブレザーがなくて。それどころか段返りの3つボタンもフックベントもないと。半ば妥協する形で購入した紺ブレは、年を取って案の定着なくなってしまったけど、今も大事に保管してます。

早野 またまた切ないですね。

庄子 その時の悔しい思いが残っているからかもしれないんですけど、“もし初めて紺ブレを買うとしたら”という視点で、今回集めていただいた製品を眺めた時、自分なら「J.プレス オリジナルス」を選ぶと思いました。

阿由葉 これはまた本当にベーシックですね。ザ・王道。

庄子 ナチュラルショルダーやボックスシルエット、段返りの3つボタンにセンターフックベントと、押さえるべきところをしっかり押さえてる。

早野 たしかに紺ブレって聞いて真っ先に思い浮かべるのって、この手の製品ですよね。

庄子 正直言うと面白くはないんですよ。でも絶対に選んで間違いない。“紺ブレ買ったぞ!”っていう満足感に直結するし、その後の自分の紺ブレ像の基準になってくれる存在かなって。これを知った後だからこそ、年齢を重ねながら色々遊んだ紺ブレも選べるようになる気がする。

早野 絶賛じゃないですか。でもストイックな感じがして、庄子さんのキャラクターにも合っていると思います。

庄子 それからこれはこのJプレスの定番モデルに限った話ではないんですけど、個人的に紺ブレって安いと思うんですよね。それなりに格式のあるブランドなんかだと、テーラードなんか手が出ないし、ビスポークなんて雲の上の存在じゃないですか。でも紺ブレなら頑張ればギリ手が届く。10代とか20代の服好きが紺ブレに手を伸ばす理由は、定番力に加えてコスパの高さにもある気がするんです。

早野 古着屋さんなんかでも大抵見かけますしね。たしかに伝統があるのに意外とトライしやすいアイテムなのかも。

阿由葉 でも庄子さんみたいに紺ブレを正統派のアメトラスタイルで着こなす人って、若い世代ではまだ少数派ですよね。ドレス畑に身を置く僕自身も、もうちょっと自由にコーディネートを楽しみたい派。一着目の紺ブレという視点で選ぶのも、ある意味真逆のモデルかもしれません。

庄子 阿由葉さんがなにを選ぶか興味あるなぁ。

阿由葉 「ラファーヴォラ」のセミダブルという定番モデルですね。背抜きのアンコン仕立てでとにかく軽い。シャツ感覚で羽織れそうだなって。

早野 それ本当に軽いですよね! いい意味でブレザーを羽織ってる感覚がない。おっしゃる通りシャツとかカーディガンに近い感じがします。

阿由葉 それでも最低限の構築感はあって、これならきっとタイドアップしても成立してくれそうな気がするんです。要は服としての振れ幅というか、多彩な着こなしを楽しめる柔軟性の高さが、最初の紺ブレとしてはベストかなって。

庄子 たしかに思いっきりアメトラでいくべき! っていう僕とは真逆の考えですね。

阿由葉 というのも、僕自身服飾系の専門学校を卒業してビームスに入社した時、ビームス Fに配属されてすぐにオリジナルのブレザーを買ったんですよ。リングヂャケット製で、肩の上りとかもすごく美しくて、仕立てがとにかくよかった。でもまだ20歳そこそこの自分にとっては、ちょっと堅すぎたんですよね。知識もテクニックも磨かれていないから、どうしても着こなしが一辺倒になっちゃう。

早野 それわかるなぁ。紺ブレあるあるですよね。

阿由葉 まさしく。春や秋はBDにレジメンタルタイを合わせて、冬はタートルニットをインしてチェックパンツを履いてって、ずっとアメトラの枠から逸脱できなかったんです。なんだかそれがすごく窮屈に感じて、もう少し自由に紺ブレを楽しみたいと思ったのを覚えています。

庄子 なるほど。そういう意味では、このラファーボラは相当汎用性が高そうですよね。

早野 ブレザーとしては少し尖ってるかもしれないけど、服としてみたら一番使いやすい気がします。

阿由葉 初めて紺ブレを買ったのは高校3年の頃なんですけど、その時選んだ古着は今はもう着なくなっちゃった。もしこれを選んでいたとしたら、きっと今だに愛用してる気がするんですよね。色々なスタイルが楽しめそうだし。

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