アメ横の一角にあるいつまでも覚めない夢

上野アメ横商店街と上野中通り商店街が分岐する場所に建つアメ横センタービル。地下の食品街は中華やタイ、インドネシア、フィリピンといったアジアン食材の宝庫となっているが、1階にはアメカジ&アメトラ界の楽園が存在する。それが、1983年創業のヤヨイだ。そこにお客として通い、1988年から働き始めて、現在に至るまで店長、そしてバイヤーとしておよそ20年に渡って店を支え続けているのが佐藤和広さん。創業以来、ヤヨイの品揃えの基礎となっている存在はジーンズだという。

「同時代のアメリカで実際に流通しているリーバイスやラングラーを輸入して販売しています。それが、創業以来のヤヨイの一貫したスタイルです。流行や難しいことなんて考えずに毎日のように着ていても、誰からも非難されない、恥ずかしくない、胸を張って着ていられるベーシック。それが男の人が必要とする服だと思うし、そういうアイテムはいつでも買える状態にあるのが望ましいと思うわけです。その意味において、ヤヨイではリーバイスもインディビジュアライズドシャツも同列です」
チャンピオンやキャンバーなども取り扱うTシャツのコーナーで、最も棚のスペースが割かれているのはグッドウェアだった。前V、ヘンリーネックなど豊富なバリエーションから選べる。
靴で言えば、1850年創業のゴーキーから1898年創業のラッセルモカシンや1909年創業のクオディ、さらには1964年創業のランコートまで、アメリカンのモカシンシューズの非常においしいところが凝縮されている。

「これからもメイド・イン・USAにはこだわり続けたいですね。自分のなかでは高校2年生の時に読んだ『オフィシャルプレッピーハンドブック(1981年)』の衝撃だったり、憧れだったりがいまでも強烈に残っています」
アメ横センタービルが建設される以前、この地にはバラックが建っていたという。そこでパワフルに営業していたのが、あの伝説のショップ「ミウラ」であり、「る〜ふ」であり、当時はまだ喫茶店だった「ヤヨイ」である。ヤヨイの〝1983年創業〟というのは、喫茶店から洋品店へと業態を変更した時点を指している。ヤヨイの伝説的物語は、現在進行形だ。

【DATA】
ヤヨイ
東京都台東区上野4-7-8
TEL03-3833-5238
営業/11:00〜19:00
休み/第3水曜(12月を除く)
※商品についている値札から、値段が変更している場合がございます。
Photo/Nao Mizoguchi, Nanako Hidaka, Takuya Furusue Text/Kiyoto Kuniryo, Yu Namatame, Shuhei Takano
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