上野・アメ横センタービル1階にある、トラッド好きの聖地「ヤヨイ」を知っているか?

アイビーが一世を風靡した時代、日本にはたくさんあった洋品店。時が経つにつれ、店舗数は減り、今ではごく少数派となってしまっている。そんな時代だからこそ全国で見つけた、”あの頃に戻れる”洋品店を取材。アメカジ&アメトラ界の楽園がある上野・アメ横センタービルに店を構える「ヤヨイ」。流行や難しいことなんて考えずに毎日のように着ていても、誰からも非難されない、恥ずかしくない、胸を張って着ていられるベーシックを提唱している。

アメ横の一角にあるいつまでも覚めない夢

1972年創業、テキサス州クロケットのアールズアパレルが展開するガンホーやスタンレイによるミリタリーパンツもヤヨイの売れ筋として定着している

上野アメ横商店街と上野中通り商店街が分岐する場所に建つアメ横センタービル。地下の食品街は中華やタイ、インドネシア、フィリピンといったアジアン食材の宝庫となっているが、1階にはアメカジ&アメトラ界の楽園が存在する。それが、1983年創業のヤヨイだ。そこにお客として通い、1988年から働き始めて、現在に至るまで店長、そしてバイヤーとしておよそ20年に渡って店を支え続けているのが佐藤和広さん。創業以来、ヤヨイの品揃えの基礎となっている存在はジーンズだという。

1964年に生まれた佐藤和広さんのアメ横デビューは小学生の時。モデルガンを買ったのが最初だ。そして、24歳の時分からヤヨイで働き今日も同じ場所で伝説を紡いでいる

「同時代のアメリカで実際に流通しているリーバイスやラングラーを輸入して販売しています。それが、創業以来のヤヨイの一貫したスタイルです。流行や難しいことなんて考えずに毎日のように着ていても、誰からも非難されない、恥ずかしくない、胸を張って着ていられるベーシック。それが男の人が必要とする服だと思うし、そういうアイテムはいつでも買える状態にあるのが望ましいと思うわけです。その意味において、ヤヨイではリーバイスもインディビジュアライズドシャツも同列です」

チャンピオンやキャンバーなども取り扱うTシャツのコーナーで、最も棚のスペースが割かれているのはグッドウェアだった。前V、ヘンリーネックなど豊富なバリエーションから選べる。

靴で言えば、1850年創業のゴーキーから1898年創業のラッセルモカシンや1909年創業のクオディ、さらには1964年創業のランコートまで、アメリカンのモカシンシューズの非常においしいところが凝縮されている。

店舗の入り口に、まるでのれんのように吊り下げられたジーンズたち。これらの象徴的アイテムをくぐり抜けた先に、メイド・イン・USAを中心としたアイテムとの楽しい出会いがある

「これからもメイド・イン・USAにはこだわり続けたいですね。自分のなかでは高校2年生の時に読んだ『オフィシャルプレッピーハンドブック(1981年)』の衝撃だったり、憧れだったりがいまでも強烈に残っています」

アメ横センタービルが建設される以前、この地にはバラックが建っていたという。そこでパワフルに営業していたのが、あの伝説のショップ「ミウラ」であり、「る〜ふ」であり、当時はまだ喫茶店だった「ヤヨイ」である。ヤヨイの〝1983年創業〟というのは、喫茶店から洋品店へと業態を変更した時点を指している。ヤヨイの伝説的物語は、現在進行形だ。

インディビジュアライズドシャツ、アイクベーハー、ラコステ、ジョンスメドレーといった銘柄も並ぶ。どれもが胸を張って着ることができるベーシックだ

【DATA】
ヤヨイ
東京都台東区上野4-7-8
TEL03-3833-5238
営業/11:00〜19:00
休み/第3水曜(12月を除く)
※商品についている値札から、値段が変更している場合がございます。

(出典/「2nd 2023年11月号 Vol.199」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

Pick Up おすすめ記事

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...