いや、そもそもプレッピーってなんなんだ?

もしあなたが「プレパラトリースクール(名門私立高校)に通っていた学生たちの、伝統に反抗してアイビーを着崩した自由なファッションで……」と答えるのだとしたら、それは半分正解で半分間違いと言えます。プレパラトリースクールに通っていた学生たちを指す言葉であったことに間違いはありませんが、「彼らがどういうふうに装っていたか」はプレッピーのひとつの側面でしかなく、本来は「彼らそのもの=プレッピー」だからです。

また、プレッピーたちはその学校を卒業したら、それ以降はプレッピーでなくなるのか、と言ったらそういうわけでもありません。プレッピーの人たちは、たとえ学校を卒業しておじいちゃんになったとしてもプレッピーなのです。日本であえて例えるならば、港区女子みたいなことでしょうか。「っぽい」というだけで、別に港区に住む女性すべてをこう呼ぶわけではないですし、港区に住んでいない人でも港区女子っぽい人もいます。つまり、プレパラトリースクールに通っていなくてもプレッピー的な人はいますし、ファッションやライフスタイル、好きなこと、食べるものが「プレッピー」的であれば、それは「プレッピー」と呼んでいいのだというのが編集部の見解です。

こと1980年代の日本においては、ファッション雑誌が積極的に「プレッピー」を発信していた影響もあって、ファッションの側面が特に強調されてきました。さらにそれは、プロダクトと着こなしに分かれます。プロダクトで言えば、ラコステのポロシャツ、エル・エル・ビーンのノルウェージャンセーター、スペリー トップサイダーのデッキシューズなどが代表的です。着こなしで言えば、襟を立てる、シャツの上にシャツを重ね着する、革靴を素足で履く、などが挙げられます。これをそのまま真似して見せることは簡単です。

ただし、繰り返しますが、これはあくまでプレッピーの要素のひとつでしかないので、これだけでは不十分です。もうひとつの重要な側面、「どんな暮らしを送っていて、どんなパーソナリティを持っていて、どういうことに興味があるのか」。これらもひっくるめて紹介しなければ、真のプレッピーブックとは言えません。そして、プレッピーとはかなり奥深いもので、ここからの解釈は人によって様々に分かれます。

とにかくこのプレッピーの奥深さ、自由奔放さをそのまま受け入れて、一冊にまとめたのが『セカンド8月号』です。まとめたというよりもこの、ある意味取っ散らかった状態をそのまま収めているだけとも言えますが、すこしでもプレッピーというものの輪郭をはっきりさせるためには非常に役立ちます。アメリカで取材した内容などもふんだんに詰め込んだ渾身のプレッピー特集。プレッピーを体現する人への取材や、プレッピーの聖地巡りなど、値段以上の価値があることは間違いありません。ぜひ手に取ってご覧ください。

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