「町中華」。言葉の響きを聞くだけで、なんだか嬉しくなってしまう。店に入った瞬間、鼻から入って、脳を通って、耳から抜けていく、油の香り。厨房から聞こえる、ジュワッという最高の効果音。ああ……この気持ちを満たすために、訪れたい厳選店舗をピックアップ。開店前から行列ができる「中華兆徳」へ!
わずか60秒で完成するキラキラと米粒が輝く黄金城。
もはや説明不要の人気店であり、町中華の代名詞『中華兆徳』。ドキュメンタリー番組『情熱大陸』 (TBS系)にも出演した有名店だ。
「いつも回転ギリギリまで仕込みだよ! 暑い中、みんな並んでくれるからさ、さっさとやんないとね」 店主の朱さんが言う通り、開店30分前には、すでに20人ほどの長蛇の列。客の目的の多くは『玉子チャーハンと焼き餃子セット』だ。
朱さんが、玉子2つ、ネギ少々、白飯を炒めること60秒。あっという間に超絶シンプルな黄金色のチャーハンが出来あがる。卵をまとった米が粒立っていて、もはや箸では食べることができない。「あ、レンゲはこのためにあるんだ」と、錯覚するほどパラパラで驚く。まさに神の所業。チャーハンをかっこみ、一緒に焼き餃子を放り込む。これぞ、至福の瞬間!
朱さんの相棒・張さんが担当する『揚餃子』と『トマト玉子炒め』も絶品。この2品は、夏のオススメだ。 香る酸味が食欲をそそる揚餃子は、 とろりと甘酢あんがかかっているの がポイント。揚げ物なのに、いくつでも食べられるから不思議。
トマト玉子炒めは優しい味がする。ふんわりとした玉子にくるまったトマトの火の通し具合が絶妙だ。温かいけれど生食感という、職人の技を舌で感じることができる。この味を待ち望む行列は、もはや本駒込交差点の名物である。
【SHOP DATA】
中華兆徳
東京都文京区向丘1丁目10-5
TEL03-5684-5650
営業/11:30~14:30、17:30~22:00
休み/月曜
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典:「2nd 2022年9月号 vol.186」)
Photo/Shinpei Fukazawa, Katsumi Murata Text/Yasushi Ogura Edit/Hisano Kobayashi
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