古着ブームで盛り上がる下北沢の、トラッドマインド溢れる注目店。

どの業界に身を置いていても誰もが人生において、いくつかのターニングポイントを経験する。ファッションに生きると決めた業界人が、新天地に辿り着いた経緯を窺った。

洋服のおもしろさを伝える下北沢の隠れ家ショップ。

鈴木克哉さん|1984 年生まれ。大学時代よりアパレルでアルバイトし、卒業後にユナイテッドアローズに入社。今はなき名店の名物スタッフのひとりとして知られた

近年の古着ブームでもっとも盛り上がっている街である下北沢。その中心地にあるアパートの一室でひっそりと営業しているのが、今回ピックアップしたCCX。

オーナーの鈴木さんは、ユナイテッドアローズでバイヤーとしても活躍したバリバリの業界人。日本におけるラグジュアリーストリートの草分け的な存在であり、カニエ・ウェストことYeも来日時に何度も訪れた名店『リカー、ウーマン&ティアーズ』でキャリアを積んだ。その時の経験が今に活きていると語る。

「リカー、ウーマン&ティアーズは、ファッションキュレーターの小木POGGY基史がUAラボ(実験店)として06年に立ち上げ、いち早くストリートとラグジュアリーブランドを組み合わせた斬新なセレクトでした。その時の経験が今の店作りに活きているのは、洋服を自由に合わせるおもしろさですね。

実は古着屋を始めるつもりで独立したわけではありませんでした。自分のやりたいこと、お客様に楽しんでもらうことを考えた結果、下北沢という街で店をはじめることがしっくり来たと言いますか。今は古着が7割、新品が3割なのですが、新品だけだと洋服を自由にミックスできるような理想のセレクトができなかったんです。だから古着を使い、構築していく方向にしました。

ただ服を売るのではなく、前職で学んだトラディショナルマインドをベースに、ファッションを楽しめる空間でありたいと思っています」

下北沢の裏道にある年季の入ったアパートの1 室にショップを構える。下北沢= 若者の街という印象が強いが、大人でも楽しめる空間であり、服を知った玄人にこそ訪れてほしい空間となっている
シューズ類のセレクトはヨーロッパの名門ブランドから新品のドメスティックブランドまで幅広くラインナップされている。オールデンのコードバンが3万円など、破格のプライスであった
様々なブランドや時代の金ボタンもセレクト。ここで購入した古着
に、金ボタンでカスタムできるように力を入れているそう。カスタ
ムして自分だけの特別な1着を作る楽しさも提案している
ノーブランドであるが、デザインが優れたチェックのジャケット。
セレクトする根底にはトラッドマインドがあるので、この手のアイテムが充実しており、価格もかなり優しいのが嬉しい。9000円
スニーカーを革靴のような感覚で提案しているのも当店の魅力のひ
とつ。2000 年代のニューバランスは、710 というトレッキングモデルと520。ともにお求めやすい価格になっていた。各9000円
CCX のオリジナルT シャツは、この物件が募集されていた時の用紙を大胆にアレンジしている。こんなストリートマインド溢れるアイデアもおもしろい。5000円
ジャンフランコ・フェレやエルメスなど、ヨーロッパの名門ブラン
ドのタイが数多くラインナップされている。トラッドが基本ベース
となっているため、この手のタイは欠かせないアイテムだと解説

【年表】

1984
埼玉県大宮市で生まれる

2006
拓殖大学卒業

2007
ユナイテッドアローズ入社。「リカー、ウーマン&ティアーズ」部門に配属

2011
ユナイテッドアローズ&サンズ原宿店勤務

2015
ユナイテッドアローズ&サンズのバイヤーに

2019
ユナイテッドアローズ退社。TOKYO BASE入社

2021
TOKYO BASE退社

2021
7月 CCXオープン

【DATA】
CCX
東京都世田谷区北沢2-12-2 若葉ハイツ202
電話番号非公開
営業/14:00 〜22:00
休み/月曜

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
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