XREAL Eye
https://jp.shop.xreal.com/
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XREAL Oneの発表会に行ってきたのだが、ThunderVoltではまだXREALをご紹介したことがなかったから、そちらからご紹介しよう。XREAL OneとEyeをお借りしたので、詳しいレビューはまた後日お届けするが、まずは概要から。
体験したことがない方のために簡単にご説明すると、XREALはパソコンやスマホに有線外部接続するタイプのサングラス型ディスプレイ。目の上に小さなディスプレイを内蔵し、それをプリズムを介して目の前に投影する。これにより空間にディスプレイが浮かんでいるように表示される。
ただし、初期のタイプのXREAL商品は、空間に仮想ディスプレイの表示位置を固定することはできなかったので、頭を動かすと一緒に動いてしまうため(意見はいろいろあると思うが)少々使いにくかった。また、半透過で投影されるので背景が明るい場所だと見えにくいから、サングラス風の黒いカバーが付いていて、視界を塞ぐようになっていたりもした。
筆者的に一番使いにくいなと思ったのは、投影される視野角があまり大きくないことだろう。(最近は減ったが)以前のこのタイプのサングラス型ディスプレイでは、「300インチの大ディスプレイ」などとして、巨大なディスプレイが見えるようなイメージ画像が使われていたが、それは「遠くだと想定すれば300インチ」であって、手元のパソコンと同じ距離にあるとイメージすると、14〜15インチが関の山という状態だった(ここがXREAL Eyeで解消されるが後述)。ちなみに、だいぶ改善されたとはいえ、XREAL Oneの視野角は約50度。約90度の視野角を持ち、さらにその空間内で自由に歩き回ることのできるVision Proとは大きな隔たりがある。
しかし、便利なポイントもある。一番素晴らしいのはそのコンパクトネス。ちょっと分厚いケーブルのついたサングラスというサイズ感は手軽に使える。たとえば、単純にパソコンの外部ディスプレイとして使うにしても、Vision Proは持ち運びも大変だし、新幹線の中で使っていても(いまだに)人目を引いてしまう。対して、XREAL Oneなら通勤電車の中で動画を見るのに使っていたとしても『少し怪しい人』ぐらいで済むと思う。接続や起動も、ちょっとした外部ディスプレイ……ぐらいの感じで済む。
また、筆者はほとんどMacやiPhoneなどのアップルデバイスと組み合わせてしか使わないが、Windowsパソコン、Androidデバイス、Nintendo Switchなど、USB-Cで映像出力可能な多くのデバイスと組み合わせて使えるのも大きなメリットだ。
もともと2017年にNrealとしてスタートしてNreal Light、Airなどを販売した後に、XREALに社名変更。Air 2シリーズを経て、昨年末にXREAL Oneを発売した。このXREAL Oneは単体でも3DoF対応が可能など大幅に性能が向上したモデル。実際、今回試用してみて、以前ほどの使いにくい印象は受けず「これなら、手軽な外部ディスプレイとしてアリかも……」と思った。実際に、同カテゴリーの商品では世界シェアNo.1だという。
ともあれ、こちらの商品もお借りしたので、後日詳細なレビューをお届けしよう。
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さて、今回の本題。XREAL Eyeだ。
こちらは、前述のXREAL Oneに組み合わせる周辺機器だ。
なんと、重さは1.35g。紛失する心配をするほどの小ささだ。実は、(おそらく所有している人でも気付かなかったと思うが)XREAL Oneのブリッジ下面にはフタで隠されたコネクターがあり、XREAL Eyeはそこに差し込むカタチで使う。



ちなみに、XREAL Eyeを動作させるには、XREAL Oneのファームウェアを最新のものにアップデートしなければならない(現在はまだ、対応のものになっていないが、パソコンにXREAL Oneを接続してChromeでこのリンクを開けばアップデートが現れる)。
というわけで、アップデートが終わった状態で、XREAL OneにEyeを差し込むと、マルチファンクションボタンがシャッターボタンとして機能する。普通に押すと写真、長押しすると動画撮影になる。撮影時にはカメラの横のLEDが点灯して、シャッター音がする。

カメラのセンサーは1200万画素、静止画は2016×1512ピクセルのJPEG、動画は1600×1200ピクセルのMP4。高度な電子式手ブレ補正が組み込まれており、撮影時間は15秒、30秒、60秒の選択式。画像は、XREAL Oneの中に(実は)内蔵されている2GBのストレージに保存される。
グラスの中央にカメラがついたことで、一人称視点の写真や動画が撮れる。カメラを構えた視点ではなく、自分の視点で撮影できるのは面白い。
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しかし、本題はそちらではないだろう。そもそも、目の前に半透明とはいえ画像がある状態では、あまり歩き回ったりするものではない。
むしろ、XREAL Eyeを装着することで6DoFが実現することの意義の方が大きいだろう。
3DoFで画面固定すると、空間上に画面は固定されるが、自分からの『距離』は制御できないので、画面に近づいて見ようとしても、画面が自分が動いたのと同じだけ離れていってしまう。つまり、表示された文字の細かい部分を見ようとして画面に近づいて、細かく見ることはできないということだ。
しかし6DoFになれば、近づいて見ることができる。これは、XREAL Oneを外付けディスプレイとして使う際に大きなメリットになるだろう。引いて全体を見たり、寄って細部を見たりできるのだ。
これらの新しい機能を支えるのは、XREALの独自チップであるX1だろう。単なる外付けディスプレイ以上の処理をしようとすると、どうしても独自チップが必要になる。このX1チップ搭載の効果は、今後も徐々に現れてくるに違いない。
さらに、別売りの製品であるBeam Proを使えば、空間に表示した映像も一緒に録画することができる。つまり、空間への固定は簡易的とはいえ、Vision Proでするようなことができるのだ。Vision Proのアプローチが厳密であったため、高価で重いデバイスになってしまったが、XREAL Oneは別のルートからより安価で、軽量な製品として同じような表現を実現しようとしているわけだ。
XREAL OneとEyeをお借りしているので、近々、より詳細にレポートしたい。お楽しみに。
(村上タクタ)
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