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アップルは、「何を見て欲しい」のか? #WWDC22

日本時間6月7日午前2時から、WWDCの基調講演が行われる。アップルはこの状況下でついにリアル発表会の開催に踏み切った。世界からメディアを集めて、何を見て欲しいのか?

リアル発表会を切望していた会社

アップルは、コロナの影響下において、いち早く発表会を動画によるストリーミングに切り替えた企業であり、非常にユニークな動画を作ることで、オンライン発表会の可能性を大きく広げた企業である。

しかし、同時に「報道陣が実際に手に取って、どんな反応をするのか見たい!」と切望してる会社でもあるように感じていた。果たして、それは真実だった。

ジャカランダの花(昨年の春のiPhoneの新色として採用された紫色のモチーフだと言われている)が咲き乱れるこの季節、我々はついにシリコンバレーに帰ってきたのだ。

この前の取材からはなんと2年と9カ月の月日が過ぎ去った。

久々に、WWDC(世界開発者会議)の取材をすることができるのだ。

今回のWWDCは基本的にはオンラインで開催するとアナウンスがあった。しかし、少数の開発者の方が抽選で選ばれて現地に来ている。

コロナ禍以前のWWDCでは、約6000人のエンジニアが集まっていたが、現状、それは難しいだろう。おそらく数百人レベルの人が集まっていると思われる。

開発者はもちろん、メディアもいつもよりも少なめ

メディアも、ホテル近辺にいる人数がずいぶん少ないように感じる。思えば、まだまだ自由に海外に渡航できない国も多いはずだ。3年前までは非常に大勢いた中国の人も来ていないようだ。メディアは例年1000人ぐらいいたのだが、今回は半分といったところなのではあるまいか?

そんなわけで、例年開催されるサンノゼ市街の『マッケナリー・コンベンション・センター』は使われない。会場は暗く静まり返っていた。

今回、イベントが開催されるのは、Apple Park。ただ、Apple Parkのどこで何があるのかは明示されていない。普通に考えると、Steve Jobs Theaterで開催されるのではないかと思うのだが……。

我々は壇上に立つ、ティム・クックを見ることができるのだろうか? それとも、集まって動画を見るだけなのだろうか? 日本からアメリカまで旅して来て、動画を見るだけなのか?

全世界のデベロッパーにはオンラインで配信するのだから、一部の観客のために失敗のリスクのあるリアルで開催する必要はないだろう。では、なぜ我々は呼ばれたのだろうか?

実際に、触れて、使ってみてほしい

答えとして一番可能性が高いのは『我々に触ってレポートして欲しいものがある』ということではないだろうか?

米国でのコロナ禍はかなり収まった感はあるが、それでも世界各国から人を集めてイベントをするというのはかなり難しい。

実際、PCR検査の結果を登録する仕組みが用意されているし、我々も日本を出る前にアメリカ入国のためにPCR検査して、Apple Parkに入るためにPCR検査して、帰国のためにPCR検査をする。毎日PCR検査三昧で、日本にいる時より、コロナに感染していないことを確信できるほどだ。

これだけの手間をかけてまで人を集めてでも、「実際に触って欲しい何か」「アップルの広報ムービーだけでは伝わらない何か」があるということだと思うのだ。

日焼け止めと、キャップと、水筒が意味するもの

そう考えると、AR/VR系の何かなのではないかと思えるのだが……。ゴーグルなり、グラスなりをかけて見えた映像について語るのが、我々の役目なのではないかと。

2017年に筆者が始めてWWDCを取材した時、AR/VR系のAPIなどが一気に増やされた。そこから5年。そろそろ、AR/VR系のデバイスが登場してもいいのではないだろうか?

もうひとつヒントっぽいものがあった。

下は、参加しているエンジニアに配布されたキットなのだが、トートバックに入っていたのはピンバッチの他には、『帽子』『水筒』『日焼け止め』なのだ。

これは『屋外で何かある』というサインなのではないだろうか?

グラスをかけてアップルパークを歩いて、そこに何かの映像を見られていたりしたら面白いのだが……。

こちらは日も沈み、夜も更けて深夜といってもいい時間。

明日の朝になったら、朝食を食べて(PCR検査の結果を提出して)会場に向かう。

会場からは、リアルタイムでtweetしていくので、ぜひThunderVoltのTwitterアカウントをフォローいただきたい。

ThunderVolt
https://twitter.com/ThunderVolt_mag

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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