アニソンのキモは“カッコよく”
今年で歌手生活60年の串田が最初に子供向け番組の主題歌、いわゆるアニソンを担当したのは1981年の『太陽戦隊サンバルカン』である。すでに「からっぽの青春」(69年)にデビューし本格ソウル、R&Bを歌うポップス歌手として活動していた串田は、作曲家・渡辺宙明からの推薦をありがたく感じながらも「お子様向けの歌でしょ?」と高をくくってレコーディングに臨んだ。ディレクターからの指示は「小さい子供たちが聴くから、カッコよく歌ってね」の一言だけ。ところが、何回歌ってもOKは出ない。串田はすっかり音を上げ「もう一度歌ってダメだったらできません、とあきらめよう」と歌ったテイクが採用され、“カッコよく”の答えはわからないままレコーディングを終えた。
“カッコよく”の答えの模索は1年後の『宇宙刑事ギャバン』で結実する。この主題歌のレコーディングの際に串田は出演者・大葉健二と話しギャバンの姿を知り、「歌の抑揚とか技術ではなくて、子供と同じ目線で伝える気持ちの部分を大切にしなきゃいけない」と姿勢を切り替える。その歌唱が子供たちの心をつかみ、アニソンシンガーの第一人者の座を築いていく――。
6月9日発売の「昭和50年男」vol.23は、「刻(とき)をこえてオレたちがハマるアニメ」をテーマに、昭和50年男を昔も今も魅了するアニメコンテンツを大特集。串田アキラが、自身のキャリアやアニソンへのこだわりを熱く語るインタビューも掲載している。
本誌特集に関連するアニソンプレイリスト「刻をこえてオレたちがハマるアニソン」を公開中!
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