男の体臭は放置した汗に 雑菌が繁殖するのが原因
人によって体臭の気になる場所はさまざま。年を重ねると加齢臭や内臓から発生するニオイなどの悩みも増えてきますが、20代のみなさんに気をつけていただきたいのは、汗由来の体臭です。
汗臭の原因は、汗腺から分泌される成分がムレて雑菌が繁殖すること。汗腺は主に脇や外陰部、乳輪部、肛門部、耳のまわりにあるアポクリン汗腺と、ほぼ全身にあるエクリン汗腺の2種類があります。
なかでも男性ホルモンで発達するアポクリン汗腺は汗そのものにニオイがあり、20代男性は発達しやすく女性と比べてもニオイが強くなりがちです。またこの年代は皮脂量も多いため、古く残った皮脂汚れが汗と混じることでニオイが強くなり、脇汗ならワキガとなることもあります。
エクリン汗腺はニオイがほとんどない汗といわれていますが、高温多湿でムレて雑菌が繁殖し、ニオイを発生します。足臭がこのパターンで、納豆のようなニオイが特徴です。
口臭は少し違って、口腔内や消化管のトラブルでニオイが出ます。会話をするときにいちばん相手の鼻に近い場所になるので、注意したい部分です。
しかし残念なことに、体内から分泌されるアポクリン汗腺由来のニオイは自分では慣れてしまい、他人に注意されて初めて気づくことがよくあります。むしろ自分で気にして来られた方より、他人から勧められて来院された方のほうが、手術をオススメする強い腋臭症であることが多いのです。
ではどうすればいいのかというと、汗をかいたらこまめなケアをして、普段より体臭の発生を抑えるようにしましょう。慣れないうちは、家で制汗剤を付けて出かけるところからスタートしてみるのがオススメです。また生活習慣を整えたり、食事を見直したりすることも効果的です。
体臭はエチケットだけでなく、内臓疾患などの病気が隠れている場合もあります。頑張ってケアをしても他人からニオイを指摘されるなど改善されない場合は、医療行為による治療もありますので、気軽にクリニックへ相談してみてください。
実はにおってるかも!? 体臭チェックリスト
自分ではなかなか気づかないニオイだが、セルフチェックが可能だ。下のリストを見て、体臭が発生しているかもしれない場所を把握しよう!
頭皮
◻︎シャンプー時間が3分未満
◻︎夜にお風呂に入らないことがある
◻︎髪の毛が濡れたまま寝る
◻︎枕が臭いことがある
◻︎スタイリング剤を毎日たっぷり使う
◻︎よく帽子をかぶっている
口
◻︎虫歯がある
◻︎ブラックコーヒーが好き
◻︎水分をあまり摂らない
◻︎舌が白っぽい
◻︎歯磨きすると出血する
◻︎口の中がよくねばついている
脇
◻︎白い服の脇が黄ばむ
◻︎汗をかいてもすぐに拭かない
◻︎あまり湯船につからない
◻︎耳アカが湿っている
◻︎脇毛が濃く、汗の量も多い
◻︎ジャンクフードが好き
足
◻︎同じ靴を3日以上続けて履く
◻︎足の裏に白い角質がある
◻︎素足で靴を履くことがある
◻︎足の指の間まで洗っていない
◻︎革靴を履くことが多い
◻︎足の爪をあまり手入れしない
パーツ別ニオイの原因と対策
体の場所によってニオイが発生する原因は違ってくるため、前ページのチェックシートで気になった場所があれば重点的なケアをしよう。また、嫌なニオイを抑えるための3つのルールも必読だ。
頭皮
髪の毛が邪魔して頭皮まで汗を拭いきれなかったり、帽子をかぶってムレてしまったりなど、雑菌が繁殖してニオイが出やすい。シャンプーで汗やスタイリング剤を落としきれないこともあるので、髪の毛だけでなく頭皮をマッサージするように洗うとよい。
口
コーヒーやタバコなどの酒肴品や、ニンニクなどニオイの強い食べ物の一時的なニオイは、こまめなオーラルケアをしよう。また、虫歯や歯槽膿漏、胃などの疾患が原因の慢性的な口臭もあるため、病気の場合は悪化しないように、気になったらすぐに病院へ。
脇
特に男性ホルモンがピークの10代20代に分泌量が多くなるアポクリン汗腺の汗。肌の表面で汗が皮脂と混じり合い、雑菌が繁殖してイヤなニオイが発生する。毎日ボディウォッシュで洗うのはもちろん、汗が出ていると気づいたらこまめにケアしよう。
足
足は一日にコップ1杯くらいの汗をかくが、エクリン汗腺から出る汗自体のニオイは少ない。しかし湿気をそのままにすると、納豆のようなニオイに変化してしまう。足の裏の角質もニオイの元だ。汚れた靴や靴下自体に雑菌が繁殖して、におうことも多いので注意。
ニオイを改善する3つのルール
1.体を清潔に保つこと
家では抗菌作用のあるシャンプーやボディソープで体を洗い、外出前には制汗剤を使おう。汗をかいたあとはこまめに拭き取れば、悪臭化が防げる。また、体だけでなく服や靴など身につけるものもこまめに洗って、肌に触れるものは清潔にしておこう。
2.バランスのいい食事
ジャンクフードやお菓子など糖質や脂質の多いものばかり食べていると、皮脂の分泌量が増え、その成分自体もニオイやすくなってしまう。ハイカロリーな食事に偏らないよう野菜をバランスよく摂り、大食いや早食いを避けて落ち着いた食事をしたい。
3.生活習慣を正すこと
ストレスで汗が出やすくなったり、胃炎や栄養障害などで口臭になったりなど、生活習慣が原因でニオイが発生することも。汗をかかないようにと運動を避けることも、代謝が悪くなるためニオイを抑える効果はない。よく睡眠をとり、適度な運動を心がけよう。
【監修協力】
松倉クリニック表参道
TEL03-5414-3600
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