’65年以前の美品は今や コレクターズアイテム。フェンダーのヴィンテージギターの市場価値は?

  • 2024.08.03

1940年代の創業以来、音楽史に残る名器を生み出してきたフェンダー。ギブソンと並ぶ2大巨頭であるフェンダーギターの名器、そしてヴィンテージシーンの現状を深掘りしてみよう。

ギター好きで旧いもの好きなら最後はヴィンテージにたどり着く。

ヴィンテージギターショップ「ナンシー」(東京都渋谷区神南1-3-2-2F TEL03-3780-0929)のオーナーでヴィンテージギターをこよなく愛するミュージシャンでもある岸田邦雄さん。CDやライブでもヴィンテージサウンドを効かせてくれる。名古屋にも店舗あり

レオ・フェンダーによって1946年に創業したフェンダー。数ある名器のなかでも’52年に登場したストラトキャスターと’54年に登場したテレキャスターはギブソンのレスポールと並び3大エレキギターとして多くの有名ミュージシャンに愛されてきたことでも知られる。最近では’80年代以前をヴィンテージとして扱う傾向もあるが、マニアの間では「リアル・ヴィンテージ」とされる’65年以前のモデルはは有名ミュージシャンや世界中にコレクターが狙うお宝。

「ヴィンテーの世界ではギブソンとフェンダーが2大巨頭ですね」

とは渋谷と名古屋に店舗を構えるヴィンテージギター専門店「ナンシー」代表の岸田邦雄さん。円安の影響も大きいが、現在国内市場だと’50年代のストラトが200〜800万円以上、テレキャスが300〜800万円以上。一方、レスポールは400万円以上。’58〜’60年の通称「バースト・レスポール」は2500万円以上の根がつくこともある。レスポールよりも多少割安とはいえ、年々価格は上昇する一方で今や投機目的の人も多いという。

確かに今後も値段が上がり続けると予想されるが、楽器は音を出してナンボ。未使用で綺麗なモノは別として、どんどん弾いて本物の音を楽しんでほしい。

ヴィンテージギターは時間が醸し出す風合いもそうだが、現代ではワシントン条約により使用できない木材を使っていることも多く、その材がもたらす独特のトーンが特徴的。現代では当時のサウンドを再現できるエフェクターやアプリなどもあるが、やはりアンプ直で繋いだ時の鳴りは別物。本物のサウンドにこだわるマニア向け

市場価格を知る!

ギターの世界ではおよそ1980年以前に作られたモデルをヴィンテージと呼ぶ。当然古い方が価値が高いが、オリジナル度の高さや状態、さらには個体ごとの「鳴り」によって同じ年代でも価格に大きな差がある。およそ~’60年代で状態がよければ数百万円、’70年代でも数十万~200万円というのが目安。価格も世界的に年々上がり続ける傾向がある上に、昨今の円安の影響もあるためますます買いづらい状況といえそうだ。

1954年製

ストラトキャスターが誕生した初年度モデル。ボディは温かみのある低音と長いサステインが特徴のアッシュを使用。アッシュは’56年までの3年間のみの使用でその後はアルダーに替わっている。赤みのある色合いも特徴的。ヘッド周りに丸みのある加工が施されるのも’54年の特徴。ピックアップカバーを除きピックアップやベグ類もフルオリジナルのミュージアム級のお宝。参考商品

1959年製

1959年の大きな特徴がネック。’58年までは1ピースのメイプルだったが、’59年中頃からフィンガーボードにブラジリアンローズウッドを使用。’59~’62年モデルはネックとの接着面がフラットでスラブボードとも呼ばれる。それまでよりも粘りのあるファットなサウンドが特徴で、スティービー・レイ・ボーンが愛用したことでも知られる。ボディはアルダーを使用。参考商品

1962年製

スラブボードを搭載した最後の歳となる1962年製モデル。アッシュボディにオリジナルのブロンドローズネック。メープル材を用いたネック裏のトラ目も非常に美しい1本。この頃はサンバーストカラーが一般的だが、こちらは珍しいホワイト系。もしかしたら特注で作られた可能性も? 保管状態もいいミント品。参考商品

1955年製

ソリッドギターの原点ともいえるテレキャスター。バタースコッチとよばれる深みのあるアイボリーカラーにブラックカラーのピックガードを搭載した「ブラックガード」モデル。1955年中頃からホワイトカラーに変更される前の最後のモデル。非常に太く歯切れのよい音は、レスポールサウンドに近いとも評される。ASK

2012年製

2000年代に入り過去の名作を細部に至るまで再現するシリーズが登場。オリジナルに比べると格段に安いため中古市場では人気も高い。こちらは2012年に発売されたシェリル・クロウのシグニチャーモデルで1959年製のテレキャスターを細かい傷に至るまで完全再現した1本。完成時、彼女自身もオリジナルと間違えたほどの出来だったそう。13万5000円

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年8月号 Vol.364」)

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