ストリートカーナショナルズ2024に集まった普段使いの旧車たち。

お台場にアメリカ旧車たちを筆頭にアメリカンなクルマ愛好家が集結。「ストリートカーナショナル2024」はストリートカー、つまりナンバーを取得し、車検を通している普段使いされている旧車たちのカーショーだ。そのなかでもこのイベントはアメリカンなスタイルで乗られているクルマたちにフォーカスしたイベントだ。今年も多くの旧車たちのほとんどが自走で会場にうやってきて、ショーの周りにスワップミートブースやフードトラックも出展し大盛況。旧車乗りたちのリアルなスタイルと旧車愛を感じるシーンを感じることができた。

アメリカンなスタイルで旧車を楽しむ人たちのゆるーいカーショー。

旧車とともに過ごすことは高いハードルだと思う人も多いと思うけれど、世の中にはそんなハードルを感じさせない旧車党が数多くいる。

ヨーロッパのクラシックカーから日米の旧車まで、それぞれの趣味趣向は違うけど、アメリカンなスタイルで旧車を楽しんでいる人たちの愛車が集まるイベントがムーンアイズが主宰するストリートカーナショナルズ。

自身が愛するクルマを展示し、一日をのんびり過ごすというゆるーい内容は恒例。クルマ好き同士の交流も生まれるアットホームな雰囲気に会場は包まれている。

展示されるのは当時のオリジナルスペックのままというヒストリーを感じる車両もあれば、現代の道路事情に合わせてアップデートされたカスタム車両など、それぞれのオーナーのライフスタイルを反映させたクルマたちが集まった。

ずらっと並んだクルマたちは往年のアメリカ車から国産旧車、それにアメリカンスタイルにカスタムされたVWなど多種多彩。

どのクルマのオーナーたちの愛情と情熱が注ぎ込まれたモノばかりで、旧車ライフの魅力をたっぷりと感じることができた。

近年ではクラシックカーの価格も高騰し、一部車種は投機対象になるほどプレミア価格で取引されていることで、今から旧車の世界に飛び込むのはひと昔前のようにはいかないけれど、アメリカ旧車や国産旧車は車種によってはまだ手が届くモデルもある。

旧車党の熱はまだまだ冷めることはなさそう。会場で見ることができた気になるクルマたちをピックアップしてみた。

1970年代前後のマッスルカー全盛期、クライスラー系ブランドのダッジやプリムスは鮮烈なボディカラーのモデルを数多く生産した。派手なグリーンやパープルなど、これが純正色だった時代が存在したんだと勉強。

インパラに代表される1960年代のシボレーブランドのフルサイズカーがずらり。コンバーチブル、2ドアクーペ、ワゴンなど、同じ車格のモデルたちを見比べることができるうれしい並び方。

マッスルカー全盛期の1969年式シボレー・コルベットの第3世代。コークボトルラインと言われた流麗なボディラインに男らしいサイドマフラーという出で立ち。

2トーンペイントがクラシカルなシボレー・エルカミーノの最終世代。これは過度なカスタムをせず、当時のオリジナルのまま仕上げた大人な雰囲気が好印象。

国産旧車も会場にちらほらと。スポーツカーというよりも、このトヨタ・カローラのバン(2ドアワゴン)のようなゆるーい雰囲気のモデルが多かった。あえて経年変化で色褪せた塗装のまま登場。

1967年式プリムス・ベルベデア。2ドアポストセダンという何の変哲もないボディに強力なエンジンを積んでいることは盛り上がったエンジンフードで想像ができる。ホイールは社外品でお化粧済み。

もはや国内でもほとんど見かけることのないニッサンのチェリーキャブ。今見るとキュートなフロントマスクが実に好デザイン。これはボディをカスタム中でまだサイドパネルが未塗装。

シボレーのコンパクトカーとして登場したノバの1963年式。派手なカスタムをしないで、ホワイトリボンのタイヤにホイールキャップという当時そのままのスタイルが好感。当時は2ドアクーペからワゴンまで存在して1970年代まで生産された。

1967年式VWタイプ1(ビートル)。ダブルバンパーにアルミホイールで仕上げたシャキっとした出で立ち。オールドビートルも年々高騰物件。このまま大事に乗っていただきたい。

アメリカンフィフティーズの代表的なモデルであるシボレー・ベルエアの1956年式。こういうモデルは派手なボディカラーが自然と似合ってしまう。ホイールキャップはキャデラックに換装済み。

アメリカ仕様の4灯化されたヘッドライトが特徴のメルセデスベンツ。W123と形式で呼ばれる当時のミディアムクラスだ。ドイツ車をアメリカっぽく乗るのもひとつのスタイルだと再確認。

新車みたいにレストアされた1967年式シボレーC-10ピックアップ。クラシカルな2トーンペイントながら大径ホイールを履いて足元はモダンに。その走りも見てみたくなる仕上がり。

展示される車両にはご覧のように最新のV8エンジンに換装され、イージードライブが可能な旧車も。オーナーの方向性によって様々なアップデートパーツが存在するのもアメリカ旧車のおもしろさ。カーカルチャーが成熟しているアメリカならでは。

見せるためというより、バイクを積載しやすくするためのローダウンだろうか。低く身構えたシボレーC-1500ピックアップ。ベッドにはショベルヘッドのカスタムハーレーを積んで実用車であることをアピール。

ボディサイドがリアルウッドになっているウッディワゴンは当時のコーチビルダーによって製造された稀少車。これはきっちりとレストアされた1949年式フォードのウッディ。アメリカではウッディワゴンだけが集まるイベントも存在するほど多くの愛好家がいるモデル。

フラットヘッドのV8を搭載した1932年式フォード・ロードスター。エンジンフードもフェンダーも取っ払って軽量化した当時のホットロッドのスタイルを踏襲したスタイルのまま乗られている。その走りは現代車両にはない感覚が味わえる。

バス並みの大きさを誇るモーターホームである1970年代のGMCバーチェイベンは6輪仕様というインパクトのある一台。ヴィンテージモーターホームで旅するなんてかなりのこだわりを感じる。

アメリカ旧車のなかでもここ最近価格がうなぎ登りのアーリーブロンコ。新生ブロンコの誕生で旧車マーケットも活気づいた。ヴィンテージ4WD特有のスクエアボディに丸目という組み合わせがたまらん。

アーリーからレイトモデルまでVWタイプ2も会場にそろう。ドイツ車ながらアメリカでも人気を博したモデルで、当時の中古車がサーファーたちに愛され、サーフトリップの相棒として活躍した。

スワップミートには旧車のパーツや古着、それに写真のようなアンティークまで、大物から小物まで多くのショップが出店。旧車だけでなく売っているアイテムも古かった。ヴィンテージ愛好家には最高のイベント。

車高を落としている以外はほぼオリジナルコンディションをキープしている1962年式フォード・ファルコン・フューチュラ。往年のアメリカ車のなかでも大人っぽく乗れるモデルのひとつ

当時の高級モデルとして存在した1937年式リンカーン・ゼファー。1936~1942年まで生産され、4ドアモデルには観音開きのドアを採用していた。まるでミュージアムピースのような仕上がり。

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

Pick Up おすすめ記事

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...