1.定期的に行いたいフルメインテナンス法。
まずは、きっちりと全てを行うフルメインテナンス方法から。湯浅さん曰く、「1カ月に1回、少なくとも3カ月に1回はやってもらいたいですね」。よく、メンテをし過ぎるとカビが生えるという話を聞くが、それは古いオイルをリセットしないからだと湯浅さんはいう。「古いオイルが残った状態で、また上からオイルを入れてしまうと、オイル過多でカビの原因になりかねません。きちんとクリーナーで古いオイルをリセットすることをお勧めします」
こちらがフルメンテを行う際に使用する道具。右からポリッシュレザーグローブ、ライニングフレッシュナー、レザーエイジングスプレー、レザーオイル、レザーミルク、レザークリーナー、馬毛ブラシ(全てサドルアップ)
まずはホコリ落とし。毛足の長いLサイズの馬毛ブラシを使う。パーツによってホコリの溜まり方が違うので、いろんな方向でブラッシング。襟裏やプリーツ裏も忘れずに。
レザークリーナーでクリーニング。布にコイン一枚分くらい染み込ませ、小さな円を描くように素早く拭いていく。強くする必要はなく、あくまで軽くマッサージする感じで。
レザークリーナーを使用する際は、革の傷みを確認しながら入念に拭いていく。特に裾や袖口は革が掠れやすいので重点的に行う。クリーナーは古いオイルもリセットしてくれる。
次は栄養補給。上の写真、左が艶を出したい人用のレザーミルク、右がマット仕上げのレザーオイル。今回はレザーミルクを使用。コーヒー豆一粒分くらいを布に塗布する。
レザーミルクは回数を分けて少しずつ塗っていく。艶感を出すとはいえ、ビジネスシューズのようなビカビカになるわけではなく、革ジャンに適した艶感が広がっていく。
艶出しのブラッシング。毛足が短めで艶出しに適した馬毛ブラシ(M)を使用。ブラシの全体を使って押し込むようにブラッシング。ただし、力はそんなにかけずに軽く行う。
次は仕上げの工程。栄養と防水効果のあるレザーエイジングスプレーを全体に吹き付ける。この際、軽くさーっと表面に乗せる感じでスプレーしていくのがコツ。
レザーグローブで乾拭き。このレザーグローブは表がボア、裏が山羊革の起毛になっており、まずはボアでクリームやオイルを馴染ませ、次にスエード面で光沢を出していく。
お次はライニングフレッシュナー。ライニングの消臭・除菌スプレーで非常に重宝する。脇の下や背中、襟元を重点的に。このスプレーはヘルメットやキャップにも使える。
2.不精者のためのメンテ方法。
「フルメンテの方法はわかったけど、なんだかめんどくせー」という不精者のあなたには、このメンテがお勧め。確かにフルメンテは時間もかかるし大変だけど、これは簡単な方法なので、定期的にやることをお勧めしたい。不精者の私モヒカン小川も、この方法なら定期的にできそうです(笑)
使う道具は、馬毛ブラシとレザーグローブ、レザーエイジングスプレーのみ。これなら簡単そうでしょ? 大切な革ジャンを守るためなら、少しは頑張りましょう!
まずは馬毛のブラシでホコリを取る。この写真では机に置いて作業しているが、ハンガーにかけた状態でもOK。目に見えないホコリもあるので、ブラッシングは入念に。
栄養と防水効果を与えるレザーエイジングスプレーを吹き付ける。あくまで軽くスプレー。
あとはレザーグローブで乾拭き。ね! 簡単でしょ?
3.スエードのメンテってどうなのよ。
革好きでも意外と知られていないのがスエードのメンテ。でもコツを掴めば簡単! 基本はブラッシングでOK。スエード靴にも応用できるので是非やってみて!
使う道具はいたってシンプル。起毛用のスエードブラシとレザーエイジングスプレーのみ。表革とはまた違うメンテ方法なので、やってみると案外面白い!
このスエード用ブラシは、中心が波型のワイヤー製になっていてスエードの毛並みを傷めづらい。手首を返す感じでブラッシングをしていく。このブラッシングで寝ていた毛を起こしていく。
あとはレザーエイジングスプレーを吹き付けるだけ。
これは裏技。レザーグローブのスエード面は、金属パーツを磨くのにも最適。ワンスターもピカピカに!
【問い合わせ】
R&D
TEL03-3847-2255
(出典/「Lightning 2024年2月号 Vol.358」)
Text/T.Ogawa 小川高寛 Photio/S.Kai 甲斐俊一郎
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