革ジャンとの付き合い方、教えてやるぜ! モヒカン小川流革ジャン味出し術。

  • 2024.01.25

革ジャンの味出しもできて、かつメンテもできちゃう方法をモヒカン小川が伝授。最初に断言する。「革ジャンの一番のメンテ方法は、着ることである」。革ジャンをきちんと着ていれば、湿気でカビることもなく、汗や油脂分などで自然に栄養補給もできる。大して着ないくせにオイルばかり入れてたら、革ジャンだってお腹いっぱいになりすぎて、ろくなことにはならない。たくさん着れば、味も出て、メンテも同時に行えちゃうのだ。ここでは主に味出し術、そしてプロに聞いた正しい革ジャンのメンテ方法を説明する。せっかく高い金額を払って革ジャンをゲットしたんだから、末長く付き合いたいもの。これを読んで、ちょっとでも参考になったら幸いです。

1.水を吹きかけて強制エイジング。

本当は強制エイジングなんてせずに、地道に革ジャンを着込んで味を出すべきなんだけど、週末しか革ジャンを着ることができない社会人にとって、少しでも手っ取り早く味を出したいと思うのは人情というもの。

ここでおすすめなのが、ちょっと水を吹き掛けて皺をつけるというワザ。水を吹き掛けることで皺が付きやすくなり、一旦付いた皺は、消えることはない。昔はシャワーで革ジャンに水をかけよう! みたいな記事を俺も書いたことがあるが、失敗するリスクもあるので、最近は推奨していない。で、皆さんにおすすめしたいのが霧吹き。早速手順を説明しよう。

まず皺を付けたい部分に霧吹きで濡らす。多少濡れすぎてもOK。皺の出やすい部分は、ジッパーやポケットの玉縁付近の縫製部分。ここを濡らして揉むと、パッカリングが出て、着込んだように見える。

フロントジッパー部分もきちんと揉んであげよう。

ライダースの場合、ポケットフラップの端を折り曲げたりすると、それっぽく見えるぞ。

着ている状態で吹き掛けるのもOK。特に腕の蛇腹部分はしっかりと皺が付くのでおすすめ。これと同じ原理で、小雨の中を革ジャンで歩くのもアリ。俺は「恵みの雨」と呼んでいる(笑)。

2.ひたすら揉む。

普段、革ジャンを着ている時でも、革ジャンをとにかく触って揉むようにしよう。そうすることで手の脂も入り、革に皺が刻まれていく。

「鞣す」という文字が、革を柔らかくすると書くように、「揉む」は手で柔らかくすると書く。とにかく揉む。これが極上のエイジングへの第一歩だ。俺は、裾や襟、フロントジッパー部分をいつも無意識に揉んでいる。意識せずとも無意識にできるようになれば本物だ。気づいた時には、良い感じの皺が革ジャンに広がっているはずだ。

3.革ジャンウォーキング。

俺のYouTubeでも紹介しているが、この方法が革ジャンにはいちばん良いかもしれない。方法は簡単。革ジャンを着てとにかく歩くこと。歩くことで革ジャンの味が出るだけではなく、自身が健康になって体型維持にもつながる。良いこと尽くしでしょ?

味を出したいブーツを併用すると、さらに楽しい。おすすめなのは、万歩計アプリをスマホに入れておくこと。歩くモチベーションにもなるしね。現在、俺は「四国八十八ヶ所お遍路万歩計」を愛用中。結構楽しい。

4.力仕事は革ジャンで。

例えば荷物を運ぶ時、お掃除の時、部屋の模様替えの時などなど……大きな荷物を運ぶ時は、是非とも革ジャンを着て行っていただきたい。その際は革ジャンのフロントは是非締めてほしい。荷物が革ジャンと擦れて、良いアタリが出るチャンスだ。

ちなみに早めに革ジャンの味を出したいなら、フロントは締めておいた方がいい。力のテンションがかかり、いろんな皺が入るのだ。余談だが、俺は海外出張の時でも国際線の中で革ジャンは絶対脱がずにフロントは締めている。

5.革ジャンの上に重ね着せよ。

革ジャンは防寒性がないために、真冬には着ることができないが、革ジャンをインナーにして上からコートやベストを羽織れば、防寒性もアップして長く着ることができる。それだけではない。上に着ることで革表面が擦れ、光沢が出たりとエイジングが進むのだ。

真冬に着ることで味も出て、上に羽織ることでさらに味も出る。いいことづくめではないか。俺が真冬に革ジャンの上に着るのは、コート、レザーダウンベストが主。この写真のベストはバズリクソンズのもの。

6.保管には気を使え。

革ジャンのメンテというと、とかくオイルやクリーナー、ブラシに目が行きがちだが、同様に大切なのがハンガー。春から夏にかけて、ずっとハンガーに掛けておくのなら、せめていいハンガーを使いたい。俺が愛用しているのはナカタハンガー。ハンガーを選ぶ際、重要なのは「肩の厚み」。これが薄かったりすると、革ジャンの肩に変な癖がついてしまい、型崩れを起こしてしまう。20万円近くの革ジャンを大切に扱うなら、それ相応のハンガーを使おうぜ。

ハンガーに掛ける際、大切なのは肩の厚み。上の写真を見ると、革ジャンの肩とハンガーがきちんと合っているのがわかる。反対に、絶対にやってはいけないのが下の写真。こんな貧弱なハンガーを使ったら、革ジャンも泣いちゃうぜ。

こちらが私モヒカン小川が愛用しているナカタハンガー×Lightningのレザーラバーハンガー。木から削り出して作っており、まるで工芸品のよう。

(出典/「Lightning 2024年2月号 Vol.358」)

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