じつはちょっと歴史があるジープ・ラングラー・アンリミテッド。

ジープの誇るフラッグシップモデルであるラングラーに存在するアンリミテッドというモデル。これはどんなモデルかというと、日本人はラングラー初の4ドアモデルと認識している人が多いかもしれないけれど、実はこれ元々はロングホイールベースモデルのこと。というわけで、そんなアンリミテッドモデルの歴史といっしょに、新車価格や中古車事情などまで深掘りしてみる。

アンリミテッドの歴史は2代目TJラングラーから。

先代のYJから生まれたジープ・ラングラー。その2代目として1996年に生まれたTJラングラーに設定されたのがアンリミテッドの始まり。これは通常のラングラーでは2370mmのホイールベースを2630mmまで延長したLWB(ロングホイールベース)バージョンに付けられたモデル名だった。もちろん、凸凹の悪路での走破性ではショートホイールベースモデルに軍配は上がるけれど、居住性や高速安定性などをラングラーに求めるユーザーたちに向けて設定された。

2005年式ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン。CJ(シビリアンジープ)の正統継承モデルといえるラングラーに1996年モデルから設定されたのがロングホイールベースのアンリミテッド。2ドアのみの設定だった。これは悪路走破性を高めたアンリミテッドのルビコンモデル。Photo by Stellantis

JKモデルで生まれたラングラー初の4ドアモデルがアンリミテッドに。

ダイムラー・クライスラーの元でモデルチェンジした3代目であるJKラングラーには歴史上初めて4ドアモデルが設定された。この4ドアモデルは通常の2ドアモデルよりもホイールベースが延長されていることからアンリミテッドという名前を継承。逆に2ドアモデルはショートホイールベースのみになり、ホイールベースの長さというよりも、ドアの枚数で差別化された。

2007年式ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン。スパルタンなデザインとスポーティな2ドアモデルのみだったジープ・ラングラーにSUVの性格をプラスしたのが4ドアモデル。2ドアモデルよりもロングホイールベース化されているのでそれまでのアンリミテッドの名前が冠され、4ドアのみの設定になった。Photo by Stellantis

現在アンリミテッドの名前はアメリカでは採用されていない。

第4世代になる2018年式からデビューするJLラングラーから本国アメリカではアンリミテッドの名前は採用されず、単に2ドアおよび4ドアモデルとしてモデルチェンジした。ただ、日本の正規輸入車は4ドアモデルにアンリミテッドという名前を現在も継承している。アメリカでは無くなったモデル名なので、アメリカでアンリミテッドといえばJKラングラー以前の年式だと思われるのであしからず。

現行世代となるJLラングラーにはアンリミテッドの名前は採用されず、単に2ドア、4ドアとして差別化されることに。ただし日本国内モデルは4ドアモデルにアンリミテッドの名前は継続して使われ、2ドアモデルは正規輸入では販売されていない。Photo by Stellantis

気になるボディサイズと後悔しない中古車選びやカスタムは?

アンリミテッドモデルは本国アメリカよりも日本の方がメジャー。一人一台のアメリカでは2ドアモデルも人気だが、日本では逆に4ドアモデルのみが販売されていたりと文化が違う。やっぱりジープは2ドアでしょという生粋のジープ愛好家もいるけど、普段使いであれば4ドアモデルの方が使い勝手は良い。

正規輸入がされているモデルなので、右ハンドル仕様だし、日本国内でも多くの中古車が流通しているので探しやすいアメリカ車のひとつかと。気になるボディサイズは全長4870×全幅1895×全高1845mmとアメリカ車ながらコンパクトなのもうれしい。

さらにラングラーはアメリカに多くのカスタムパーツが存在するので自分好みのスタイルにカスタムすることも可能。日本ではあえてアメリカ本国仕様にカスタムしたりするのもあり。

中古車選びはきっちりメンテされた記録のある低走行距離車が理想。それだけでなくジープを得意とする専門店に相談するのがおすすめだ。

本国アメリカではアンリミテッドをさらにカスタムして悪路走破性を高めたカスタムも定番。なかには見た目がガラリと変わるほど、カスタムパーツは豊富にそろうので、程度の良い中古車をベースに少しずつ自分ならではのカスタムをして唯一無二の1台に仕上げるのも楽しい
この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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