ホモロゲという言葉に憧れた! シルビアベースのグループB WRCレーサー。

WRC グループB ホモロゲーションを取得するためにシルビアをベースに2.4リッターエンジンを搭載し戦闘力を高めたメーカー謹製ハイパフォーマンス仕様、日産240RSロッキーオートが所有する貴重なホモロゲマシンの魅力に迫る!

無骨なまでにシンプルな車内はコックピットと呼ぶに相応しい。

ボンネットにはシルビアと同形状ながら、中央と両脇に大きなエアスリットが入るのが特徴で、軽量なFRP製となる。また前端にはシルビアのバッジが備わる

ホモロゲーションという用語は「公認」を意味するフランス語で、モータースポーツなどではラリー競技などに出場するマシンが、市販の量産車両であることを公認されたベース車両であることを意味する。そのため、ホモロゲマシンというと、限りなく競技車両に近い状態で市販されるホットモデルを指すことになるのだ。多くの人がホモロゲに憧れを抱く理由はここにある。

中でもラリーで有名なWRCのグループBカテゴリーには、アウディクワトロやランチア037、プジョー205ターボ16など、名だたるホモロゲマシンが群雄割拠していた。そんなグループBに日産が投入したホモロゲマシンが今回紹介する240RSだ。

S110型シルビア2ドアクーペをベースにボディを大幅に拡幅し、競技専用のFJ24型エンジンを搭載。ベースはシルビアながら中身は全くの別物なので、正式車名にシルビアの文字は入らない純ラリーマシン。日産のラリー黄金期を支えた歴史的にも価値のある車両だ。

今回はロッキーオートが所有する実走行1万キロ強という貴重な個体を紹介しよう。

リアスポイラーはFRP製のトランクリッドと一体型となる。バックランプが埋め込まれたリアバンパーはシルビアと同じものと思われる

1987 NISSAN 240RSのディテールを拝見!

ラジエター開口部のために中央が大きくえぐれたバンパーはスポイラーと一体の専用設計となる。

ブリスターフェンダーは本来別体でリベット留めとなるがこの個体はパテ埋めされている。

市販バージョンでも1t以下となる970㎏で販売されたため、内装は必要最低限しか備わらない。ダッシュもパネルに穴を開けメーターを装着しただけの簡素なもの。

助手席側にはレーシングドライバーの松田次生氏のサインが入る。

エンジンは2.4リッターのFJ24型で、競技専用ユニット。ソレックス50φを2連装する。

ブレーキは前後別にリモートブースターが備わり、オプションで前後のブレーキバランスを調整可能だった。

【DATA】
ROCKY AUTO
愛知県岡崎市小美町字殿街道153
TEL0564-66-5488(完全予約制)
営業/10:00 〜19:00
https://rockyauto.co.jp/

(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)

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