懐かしさが逆に新鮮。アメリカ生まれの昭和玩具。
デパートのおもちゃ売り場にいくと、最近の子供向け玩具のクオリティの高さに驚かされる。それに比べて昭和世代が子供の頃に夢中になった玩具ときたら、どれも単純明快かつ奇想天外。中でも欧米から入ってきた輸入玩具は当時の少年達にとってまさに黒船状態。
例えばゲイラカイト。日本の伝統を感じる〝凧〟とは一線を博した、いかにもアメリカンなデザインにガツンとやられた。日本なら竹馬でトコトコ歩くだけだが、海外玩具だと底にスプリングがついてピョンピョン跳ねるホッピングになる。モーラーだって元はアメリカで生まれたもので、当初はストリートでパフォーマンスをしながら販売をされていたんだとか。
定番商品として継続的に売られていたり、復刻されていたりと、昭和玩具はまだまだ熱い!
1.コカ・コーラ ヨーヨー
’70年代半ば、アメリカからヨーヨー世界チャンピオンが来日し、全国各地でイベントを開催。少年たちはそこで披露される犬の散歩や東京タワー、ムーンサルトなど高度なテクニックを競い合って習得した。
2.スライム
奇抜な緑色のゲル状のおもちゃ。遊び方としては、触って感触を楽しむ、窓ガラスにぶつけてドロドロと落ちる様を眺めるなど。ちなみに現在でも販売されている、隠れたベストセラーなのだ。
3.ルービックキューブ
ハンガリーの建築学社エルノー・ルービックが開発した立体パズル。6面揃えられると学校ではヒーローだった。現在でも世界中で愛好者が多く、全面を揃える速さを競う世界選手権も開催されている。
4.バンバンボール
コカ・コーラ社がヨーヨーに続いて投入。羽子板のようなラケットを使いゴムで繋がれたボールを弾いて遊ぶおもちゃだったが、ヨーヨーほどテクニックに広がりがなく、人気も短期で終わってしまった。正規品以外に類似の偽物も多数出回った。
5.ゲイラカイト
「NASAの元技術者が開発」という触れ込みで日本上陸を果たしたスポーツカイト。紙と竹で作られ壊れやすい上に揚げるのが難しかった日本の凧に対し、誰でも簡単に揚げられて壊れにくいため、正月の日本の空はゲイラカイト一色になった。
6.アメリカンクラッカー
‘71年に「アメリカで大流行」という謳い文句で登場した。紐を上下させることで2つのボールが当たってカチカチと音を出す。これをタイミングよく連続して鳴らす。目の前でやるとちょっと怖い。
7.マジックスネーク
ルービックキューブに続き’81年に登場した立体パズル。三角形のピースを回し様々な形に変形させて楽しむ。ルービックキューブにハマった子どもたちが飛びついて買ったものの、作ることができるバリエーションが限られているためブームは続かなかった。
8.モーラー
鼻先に透明な糸が付けられており、それを引っ張ることでまるで生きているかのように動かすことができる。写真のように指の間をスルスルと移動させて遊ぶのだ。だから何だと言われればそれまでだが……。現在は3種類のカラーバリエーションで復刻販売されている。
9.ホッピング
ステップの下部には強力なバネが設置されており、高く飛ぶことができる。やりすぎると胃下垂になるというデマが出回ったことも。現在では競技化され、世界的な競技大会も開催されている。撮影の時にやったら超ムズかった(汗)
(出典/「Lightning2022年10月号 Vol.342」)
Text/S.Yasuda 安田真悟 Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
関連する記事
-
- 2024.04.08
脱力したようなツラがツボで、ついハマる。「mojojojo」の手縫いのぬいぐるみ
-
- 2024.04.04
もしも、超人が実在したら…? 『キン肉マン』に魅せられた男