お話を伺ったのはこちら「ザフィフスストリートマーケット」
約6年前よりてヴィンテージハットを中心に展開。実店舗としては国内随一の品揃えを誇る。ショップにはハットのほかアメカジやミリタリーのヴィンテージなども充実する。
【DATA】
ザフィフスストリートマーケット
愛知県名古屋市北区丸新町93-2F
TEL052-253-6338
営業/12:00~20:00
休み/月曜
https://thefifthstreetmarket.com
紳士の嗜みとして長い歴史を誇るハット。
ひと昔前までは堅苦しいイメージの強かったハットだが、近年はジョニー・デップなどハリウッドスターや日本の著名人の間でもラフなファッションに違和感なく合わせるシーンも見られるなど、ファッションアイテムのひとつとして認知されている。ちなみに「ハット」というのは英語で頭に乗せるものの総称として使われるが、ここでは周囲にツバ(ブリム)があり頭頂部(クラウントップ)が谷型に折れている、いわゆる中折れ帽を指す。
ハットの歴史については諸説ああるが、チャップリンでお馴染みのボウラーハットやシルクハットからの派生という説が濃厚で、文献を見てみても19世紀には現代のフォルムが完成していたようだ。そのため、現在ヴィンテージとして流通するもののなかでも古いものだと1800年代後半、1900年代初頭というものも見られるが、一般的には素材使いが今よりも贅沢で、ハンドメイドが主流だった1960年代以前をヴィンテージと呼ぶことが多い。
知られるブランドとしてはアメリカのステットソンやドブス、イタリアのボルサリーノ、イギリスのクリスティーズなどがある。年代によって若干は異なるが、基本的なスタイルは19世紀後半にはできあがっていたようだ。
現行品を上回る品質のヴィンテージも多い。
「個人的にアメリカ好きなのでアメリカのステットソンを中心に扱っています」
というのは、名古屋市北区の「ザフィフスストリートマーケット」代表の宮島隆明さん。店内にはウエアや雑貨のほかに、ハットだけでも常時約150点が並ぶ国内屈指のヴィンテージショップ。
「基本的に1960年代以前のものが中心です。現行品に比べて素材(ビーバーやラビット)の質が良く(現行品は含有率が低い)、また製法が丁寧なものが多く、現行品も当然いいものがたくさんありますが、身につけた時の雰囲気が違いますね」
気になる流通価格だが、’60年代で3~5万円台、’60年代以前で4~6万円台で、状態やレア度で価格はピンキリ。サイズは大きいものは小さくできるので、実際に試着できない場合はジャストか少し大きめを選ぶのが吉だそう。
古くとも耐久性に難があるどころか、万が一損傷した場合でも修理することもできるし、いいものを選んで手入れをすれば何十年と愛用することだって可能だ。帽子は「第二の顔」とも言われるアイテムだけに、ハット好きならぜひとも「本物」と出会っていただきたい。
市場価格を知る!
国内での流通価格は2021年12月現在で、1960年代で3~5万円台、それ以前だと4 ~6万円台が平均で、人気度やレア度によって10万円を超えるものも。オークションやネット販売でも安く手に入ることもあるが、保管状況やダメージ具合、サイズなどが確認できないこともあるため、当たり外れが大きいというリスクもあるので注意。
STETSON
BORSALINO
MALLORY
DOBBS
◆
海外ではヴィンテージ市場も確立されているが、国内の場合、古着店に少しだけあったり、数が多くてもネット販売専門だったりして、実物を手に取れる店舗はほぼ皆無。まだ素人には入りにくい状況といえる。それだけに自分に合うお気に入りを見つけたら迷わず手に入れたい。
※情報は取材当時のものです。
(出典「Lightning2022年2月号 Vol.334」)
Text/M.Terano 寺野正樹 Photo/H.Yoda 依田裕章 取材協力/ ザフィフスストリートマーケット TEL052-253-6338
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