アメリカのシルバージュエリーは「ナバホ族」から始まった!
ネイティブアメリカンが装飾品にシルバーを使い始めたのは、諸説あるが、19世紀中頃といわれている。鉄鍛冶の技術がスペインからの入植者によってメキシコに伝わり、そこからニューメキシコに拠点を置くナバホ族に継承されたというのが有力だ。シルバーとターコイズを組み合わせる伝統は、19世紀末にはあったという。
1910年代、鉄道開通をきっかけにナバホ族たちのリザベーションは観光地化。スーベニアとして彼らの工芸品だったジュエリーやラグなどが販売され、フレッドハービーなど、資本のある会社による大量生産品も多く出回り始めた。そして1950年代、新たな動きがみられるようになった。ジュエリーを工芸品から作品へと昇華させる、大物アーティストたちの台頭である。
’70年代には、ハリウッドスターたちがこぞって身につけ、ネイティブアメリカンジュエリーが大ブームを巻き起こした。ターコイズも高騰したが、当時は高価なものほど売れたそうだ。そんなナバホ族の作家たちは、伝統を守りつつ、現代的な感性でジュエリーをいまも作り続ける。
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旧きよき伝統的な製法が現代作家にも受け継がれる。
今回、取材を依頼したのは上野の名店「ブレーブストレーディングカンパニー」。オーナーの薄井さんは、多くのネイティブアメリカンの作家と交流があり、年に数度は現地に出向く。店頭にはレアモノも数多く並び圧巻だ。そこで、ネイティブアメリカンジュエリーの起源でもあるナバホ族のアクセサリーの系譜をおすすめアイテムと一緒に教えてもらった。
【問い合わせ】
ブレーブストレーディングカンパニー
TEL03-3836-0373
http://www.bravestrading.com
1・2.ピン Artist : Unknown(作者不明)【1920-’30s】
上のピンはアルバカーキにあったベルトレーディングポストのもの。下の石はフォックス。上3万5800円、下2万9800円
3・4.バングル Artist : Unknown(作者不明)【1920-’30s】
1920〜’30年代頃のバングル。フレッドハービースタイルよりも地金が厚く、品質が高い。左9万3800円、右4万8000円
5.バングル Artist : Fred Peshlakai(フレッド・ペシュラカイ)【1950s-】
ナバホ族を代表する大作家のひとりであるフレッド・ペシュラカイ。ハイグレードなローンマウンテンを使ったミュージアムピース。参考商品
6.バングル Artist : Fred Peshlakai(フレッド・ペシュラカイ)【1950s-】
いまも見ても色褪せないモダンなスタンプワークと得意とするロープを組み合わせたバングル。裏にはホールマークが入る。参考商品
7.バングル Artist : Fred Peshlakai(フレッド・ペシュラカイ)【1950s-】
シンプルイズベストで力強いバングルは、得意とするロープ使い。ハンドで地金を捻っていく伝統的な手法だ。参考商品
8.リング Artist : Fred Peshlakai(フレッド・ペシュラカイ)【1950s-】
太古の植物の化石であるペトリファイドウッドを使ったリング。氏の作品が売られているのは稀である。58万8000円
9.バングル Artist : Kenneth Begay(ケネス・ビゲイ)【1950-’60s】
’50〜’60年代にかけてチャールズ・ロロマたちと並び、天才と称されたケネス・ビゲイ。ファイルワークを使った力強い作品。68万8000円
10.バングル Artist : Kenneth Begay(ケネス・ビゲイ)【1950-’60s】
シンプルなスタンプワークからもセンスが感じられるバングル。工芸品からアート作品へ昇華させた功労者のひとりだ。56万8000円
11.ボロータイ Artist : Jeo H.Quintana(ジョー・H・キンタナ)【1970-】
コチティ族の大作家。現在の人気作家シピークレイジーホースの父親でもある。コーラルとモレンシーを使用したボロータイ。17万8000円
12.バングル Artist : Jeo H.Quintana(ジョー・H・キンタナ)【1970-】
ジョークインターナは作品によっては、ホピ族が得意とするオーバーレイの技法も使っている。かなりモダンな印象である。28万8000円
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