機能に裏打ちされた プロダクトに魅力を感じる。
「60代になった今でも知的好奇心が衰えることはなく、過去を振り返ることなく前を向いています。今回の取材は、手放せないヴィンテージというお題ですが、これからも増え続けていくでしょうね」と語る辻本氏。
アトリエには、ウエアからオーディオ、カメラ、クルマ、自転車、など様々なジャンルのヴィンテージが並ぶ。しかもどれも市場には滅多に出てこないものばかり。各分野を熱量を持って深く追求し、様々なコネクションを築き、運とタイミングがなければ手にできないスペシャルヴィンテージが一堂に介していた。そこには氏の優れた審美眼に加えて、哲学を感じるこだわりがある。
「僕が興味を持つのは、目的を持った機能に基づいて作られたプロダクトです。わかりやすく言えば、ミリタリーウエアや軍用車。そこの本質から外れたものは買わないですね。例えば、ROLEXのスポーツモデル。機能性を追求してタフなステンレスケースを採用しているのだから、金無垢仕様やダイヤ装飾を買うのは違うかなと。それなら宝飾時計として作られた格式高いモデルにする。実はシンプルな視点で選んでるんです」
「目的を持って生まれたプロダクトに惹かれる」
右はROLEX GMTマスターの最初期Ref.6542。光沢を残しつつ、美しくブラウンチェンジした個体は超希少。左はエクスプローラー2のマーク1ベゼル&ダイヤルという最初期でアルビノに経年変化したスペシャル。
ROLEXデイトナにおいては視認性を重視し、白文字盤の仕様を複数本所有。その中でも手放せないのが、1988年に初の自動巻機構を採用したRef.16520の中でも、最初期の200タキベゼルのポーセリンMK1段落ちダイヤル。
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