あの「ヴィブラムソール」の研究開発施設に行ってきました!

革靴好きの下駄箱にはヴィブラムソールのシューズが必ず一つは存在しますよね? 数あるソールメーカーの中でも群を抜いた知名度と生産数を誇る同社の中国テクノロジーセンターが設立10周年を迎えるにあたり、世界各国のメディアを招待したプレスツアーとパーティーが2019年4月9日に開催され、日本からはアウトドアメディアと共に、2ndも参加してきました。

ヴィブラムの由来とは?

新しいデザインのソールを作る前の設計図。ここから試作し、履き心地や耐久性・スペックのテストを行います。

そもそも、ヴィブラム社設立やその社名の由来をご存知ですか? 時代は今から約85年前、1935年まで遡ります。イタリアの登山家であり、登山ガイドであったヴィターレ・ブラマーニさんが仲間と共にアルプス山脈を遠征していた時、自分以外全員を滑落事故で亡くしてしまうという壮絶な事故がありました。「このような悲劇が二度と起こらない、氷の上でも滑らない安全なソールを作りたい」という思いから、1937年にヴィブラム社は設立されました。

他社の追随を許さない、圧倒的な生産数とデザイン数。

ショールームに展示されている、製品化されたソールの数々。これはごく一部で、長い壁中を多数のソールで埋め尽くされていた。

一概にゴムソールといっても、使用するフィールドによって必要なスペックが変わる為、その種類は数えきれないほど存在します。配合の種類だけで100パターン以上あり、常に新しい配合の開発・改良がおこなわれています。配合パターンはゴムの硬さ、柔らかさに加えて、耐久性やグリップ力などを靴の用途に合わせて調合。そうして生み出されたゴムを用い、フィールドに適した形へと成型されていくのです。その数は年間でなんと300デザイン以上!!

生産の際に大事にしている9箇条。工場や食堂など各所にこのポスターが飾られていたほか、プリントされたシャツが存在するほど徹底しています。

世界中で愛され、求められる名脇役。

訪問したテクノロジーセンターは今年で設立10周年。その設立背景はアウトドア用シューズの多くがアジア生産に変わってきた事が挙げられます。一方イタリア工場ではヨーロッパならでは、現在もドレスシューズ用のソール生産が多いとの事。このように世界各国でそれぞれニーズが違い、それに対して全力で対応できる体制がしっかりと整えられている同社は、生産国が違ってもヴィターレ・ブラマーニさんの設立時の思いを今も確実に受け継いでいます。

夜に開催されたナイトパーティーでは本社のあるイタリア・現地中国の他にも、アメリカ・フランス・イギリスなど多くの国からメディアが招待されていました。みんなヴィブラム社製のソールが使われている靴を履き、世間話に花を咲かせている光景を見ていると、様々な土地で必要とされ続け、人々の生活に根付いているソールの奥深さをまざまざと感じたイベントでした。

創設者ヴィターレ・ブラマーニ氏のご子孫、マッテオ・ブラマーニさん。写真撮影をお願いすると快く受けてくれ、「2ndは大好きな雑誌のひとつ。日本に行ったら必ずチェックしているよ。」と嬉しい一言も。もちろん足下はヴィブラム社製の[ファイブフィンガーズ]。

是非一度持っている靴をチェックし、お気に入りのソールを探してみてください。そして、ソールを主役にファッションを考え、コーディネートを楽しんでみたいですね。

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

Pick Up おすすめ記事

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

メイド・イン・ノーサンプトンを貫く英国靴の筆頭「Crockett & Jones」のモノづくり

  • 2026.10.21

革靴の聖地であるノーサンプトンにて1879年に初声をあげた〈クロケット&ジョーンズ〉。英国靴を語る上で欠かすことのできない同ブランドのモノづくりの現場に足を運んだ。 一足の革靴に宿る147年の歴史と誇り 革靴産業の一大拠点として名を馳せる英国・ノーサンプトン。中世から靴職人が集まり、17世紀には軍用...