チー・シューCEOサプライズ来日とProject Auraへの言及
XREAL One Proの発表会の最後に、サプライズとして本国から徐馳(Chi Xu:チー・シュー)創業者兼CEOが登場し、次世代戦略の中核として位置づけられる本プロジェクトの概要を語ってくれた。
Project Auraは、Android XRデバイスとして登場する。Android XRは、実空間にウィンドウや3Dオブジェクトを固定する『空間コンピューティング』を実現するデバイスになるはずだ。実際の視界に、表示をオーバーラップするオプティカルシースルー(OST)方式は、初期に「アップルが諦めた」と言われている。アップルは次善の策として、実際の視界をカメラで取り込みコンピュータ表示を合成するビデオシースルー(VST)方式を採用したという噂なので、Project AuraがOSTでどこまで理想に近づけるのかは非常に興味深い。
しかし、現状のXREAL OneやOne Proの出来を考えると、あながち「アップルができなかったから無理」というものでもないような気がしてくる。
期待されるスペックと、XREALの戦略
Project Auraは、従来のXREAL OneやOne Proで採用されていたX1チップの改良版X1Sを搭載し、パフォーマンスは従来比で約25%向上するとされる。マルチタスク処理においても大幅な改善が図られて、よりスムーズな操作体験が期待されているようだ。
また、視野角は70度とされており、オプティカルシースルータイプのARグラスとしては驚くほど広い点も注目に値する。X1Sチップとデバイス側でSnapdragonの利用が想定されており、それぞれ、Apple Vision ProにおけるR1とM2を組み合わせた構成に対応するカタチとなる。
Apple Vision Proは素晴らしいが、重く、そして高価過ぎることは確か。もし、Project Neoが現在言われているような性能を実現するのであれば、軽くコンパクトなもうひとつの選択肢になりそうだ。もちろん、価格は現時点では未発表だが、たとえばREAL One Proの倍、たとえば20万円で出たとしたら、Apple Vision Proよりかなり手が届きやすいデバイスになる。
もちろん、アップルもvisionOSの熟成を進めていることを考えると、今後それを搭載したモデルが登場することになるだろうから、現行Apple Vision Proと比べても仕方ないかもしれないが、より安価で、対抗軸となり得る空間コンピューティングデバイスが登場したら、それはそれで楽しいことになりそうだ。
Project Auraは2026年登場。細かい時期については明言されなかったが、「なるべく早く提供したい」とのことで、XREALのスピード感からいえば、前半に登場しそうな雰囲気である。
登場が楽しみだ。
しかし、同時に、これはAndroidデバイスなので、アップルエコシステムの中にいる筆者としては、現行のXREAL One Proがけっこう買い時なのではないかとも思える。
まぁ、悩みは尽きないわけだが(笑)
(村上タクタ)
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