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【アップルVP単独インタビュー】M2チップでファンレス『真の薄さ』を実現したMacBook Air 15インチ

WWDC KeynoteのMacBook Air 15インチの紹介時に登壇したアップルのハードウェアエンジニアリング担当VPであるケイト・バジェロン氏と、Macのプロダクトマーケティングを担当するローラ・メッツ氏に、単独でインタビューする機会を得た。

ジョブズが見せた『初代Air』から、歴史を重ねて辿り着いた『真の薄さ』

長年のアップルファンにとって、『Air』という称号は、スティーブ・ジョブズがマニラ封筒から取り出した『薄くて、軽い、ウェッジシェイプのデバイス』に付けられたものだと思うのだが、最近のMacBook Airは、初代のイメージと違うものになっているようにも思う。

そこで、まず今のアップルにとって『Air』とは何を意味するのか突っ込んでみた。

マーケティングのローラ氏は「ノートブックに出来ることすべてを詰め込んで、どこにでも持って行ける、一日中使えるデバイス」だと答えてくれた。

ケイト氏は、もうちょっと突っ込んだ回答をしてくれた。

「過去のプロダクトは、進化を繰り返して来ました。ご指摘の初代のMacBook Airは(と言って、少し微笑む。私がジョブズのことを引き合いに出したからだと思う)、ウェッジシェイプで実際の厚みより薄く見えるようにデザインされていました」

「そして、時が経ち、最新のM2チップのベネフィットを利用することで、本当の意味での薄い形状を実現することができました。つまり、エンジニアリングとフォームファクターの両立を実現することができたのです、これはApple Siliconが実現したことです」


たしかに、初代MacBook Airは薄いように見えて最厚部は1.94cmあった。インテル世代に始まりM1に移行した現在も使い続けられているMacBook Airは最厚部は1.61cm。それに対して、M2搭載のMacBook Air 13インチは1.13cm、15インチは1.15cmと実際には圧倒的に薄くなっているのだ。

最新のM2搭載のMacBook Airは、旧来のものより最厚部でおよそ60~70%の薄さになっている。旧来の『薄く見えるデザイン』も良いが、現行のM2 MacBook Airは『真の薄さ』を実現している。特に15インチの大きさに対する薄さは、エンジニアリング的には驚異的だと言えるだろう。

M2世代MacBook Airの薄くてフラットなデザインは、ファンレスで動作するApple Siliconあってのものだったのである。

機能追加して厚さ1.15cm、重さ1.51kgという絶妙なバランスポイント

もうひとつ聞きたかったのは、薄さを担保した上で維持したバッテリーライフと、向上した音質についてだ。

バッテリーライフは最大18時間(Apple TVアプリでのムービー再生)。ディスプレイサイズが大きくなっているのにもかかわらず、このライフを維持するために内蔵リチウムイオンバッテリーは、52.6Whから66.5Whに拡大されている。

また、スピーカーにはフォースキャンセリングウーファー(大型のウーファーを上下に逆位相で動作させ、振動を増やさずに重低音を増す仕組み)が追加された6スピーカーで、ノートパソコンとは思えないほど迫力あるサウンドを実現している。これが大画面と相まって映画などを楽しむのに非常に良い。

しかし、欲張ると重量を増やしてしまう。重量は、13インチの1.24gに対して、15インチは1.51kgに過ぎない。わずか270gの増加でディスプレイを含む全体の大型化、バッテリーライフの維持、フォースキャンセリングウーファーの追加を行っているのだ。マーケティング担当のローラ氏がまず答えてくれた。

「『薄くて軽量である』ということは非常に大切だと考えています。また、ユーザーの方々は13インチのMacBook Airの長いバッテリーライフを非常に気に入って下さっています。15.3インチのディスプレイを搭載することで、25%ピクセルが増しているので、13インチモデルと同等のバッテリーライフを維持するために、バッテリーを大型化しました。また、ご指摘の点の他に、トラックパッドも大型化しています」

そして、ケイト氏が後を引き継いでくれた。

「通常、こういう薄くて軽量なものを、大型化するのは非常に困難なものです。今回のMacBook Airでは、エンジニアリングのチームが、多くの試行錯誤を経て非常に素晴らしいバランスポイントを見つけてくれました」

Apple Siliconが、このM2 MacBook Air 15インチを実現した

その話を聞いて、あらためて15インチのMacBook Airを見ると、非常に大きいのにほぼ13インチモデルと同じ厚さを実現している(結果的に、非常に薄く、広く見える)ことに気付く。本機は奇跡的なバランスを獲得している。これは傑作だ。

ケイト氏が最後に強調してくれた。

「あらためて補足すると、やはりApple Siliconがあるから作ることができた製品だと思います。大きくて、軽くて、薄い15インチのモデルを、Macのラインナップに加えることができたことを非常に喜ばしく思っています。購入を検討していただくのに、非常にいいタイミングだと思います」

圧倒的にハイパフォーマンスなM2 Pro/Maxを搭載した14/16インチに加えて、リーズナブルなM1 MacBook Air、薄くて高性能なM2 MacBook Airという2台の13インチに、さらに薄くて軽いのに大画面を持つ15インチのMacBook Airが追加された。

Apple Siliconの真価が生きた、爛熟したラインナップが実現したと言えるだろう。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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