9都市24公演で開催の全国ツアー『20th Century Live Tour 2024 〜地球をとびだそう!〜』ファイナル公演レポート。V6・少年隊と往年のヒット曲メドレーなど全27曲を披露に会場が沸いた!

「地球のみなさんに、宇宙から熱い思いを送りたい」というコンセプトのもと、20246月から全国9都市24公演を開催した「20th Century Live Tour 2024~地球をとびだそう!~」。梅雨明けが発表され、暑さがピークに達したともいえる719日、千秋楽となった神奈川県民ホール 大ホールでは、開演を待つ観客の熱気がみなぎっていた。

圧巻のパフォーマンスに会場は熱気に包まれた。

舞台全体を覆うように降ろされた、ステージが透けて見えるスクリーンにアニメーションの映像が映し出されると共に、1曲目「トライアングル」がスタート。優しいメロディと坂本昌行、長野 博、井ノ原快彦の歌声がペンライトが揺れる会場を包む。スクリーン越しに3人の姿が現れると、客席からは大きな歓声があがる。スクリーンが上がり、バンドメンバー、ジュニアの林 一敬、手島麗央、4人の女性ダンサーが現れ、艶やかな照明や噴煙の演出とともに「X,T,C,beat」「Over Drive」とダンサブルなナンバーで一気に攻めていく。3人そろってサングラスを着用してスタートした「大人Guyz」では客席に紙幣が放舞い散ったり、3人が銃で客席にグッズを放ったりと早くもお祭り状態に。「Air」「夏のメモリー」と夏らしい爽やかなナンバーが続き、ステージと客席が一体化していく。そして「『旅立ちの鐘』という曲です、聴いてください」と井ノ原が曲紹介をし、4月に配信されたシングルを披露。美しいコーラスが印象的なTHE ALFEEの高見沢俊彦が提供したノスタルジックなミディアムバラードでは、3人が代わる代わる客席に降りてパフォーマンス。1階席の観客にハイタッチでコミュニケーションをとりながら、2階席や3階席に向かって手を振る気遣いを忘れない3人の優しい表情が印象的だった。

ステージに戻った3人はしばしMC。ここで長野が「宇宙に行きたい」と主張しツアータイトルのコンセプトを示唆する。続いて昭和の時代の古き良き喫茶文化を、未来へとつなぐことをコンセプトにして20th Centuryがプロデュースし、202311月に東京都渋谷区にオープンした「喫茶二十世紀」の話に。完全予約制のこの喫茶店に「行った人?」の問いかけに、客席の大半が元気に手を上げる。ここで、「喫茶二十世紀」の道案内やインテリア、メニューなどの店内を紹介するVTRも公開。そのVTRの間に、ステージは「喫茶二十世紀」を再現したセットに。エプロンと蝶ネクタイのマスター風の出立ちの3人が、ステージ中央に用意されたカウンターでコーヒーを淹れたり飲んだりしながら「回れよ地球」をパフォーマンス。ほっぺたに手をやってキュートなポーズを取って曲が終わると、観客からは「可愛い!」の声が。続いて「『喫茶二十世紀』でライブをやったらどうなるか?」をテーマに、コーナーを展開。客席にも着席を促し、トニセン3人全員が40代になったタイミングでリリースしたというV646枚目のシングルに収録された「不惑」を、ゆったりとしたムードの中で座りながら歌いあげる。

客席がまさに喫茶店でくつろいでいるかのうようにまったりした後は、長野の即興の考案による振り付けで観客が参加する、最新配信シングル「Hurry up ~今すぐに君の手を~」に。続く、キーボードとアコースティックギターで始まる美しいナンバー「ある日願いが叶ったんだ」の途中で、何かに導かれるように長野がステージ後方に去っていく。そしてバックのスクリーンにはアニメと合成されたUFOに連れ去られる長野の映像が。UFOから宇宙でのライブのオファーを受けたということで、ここでコンセプトの「地球を飛び出す」ことに紐づいていく。

その話はいったん置いておいて、ライブ中盤は「20世紀の曲を演奏する」と言うことで、トニセンのルーツをテーマに、かつて3人がバックダンサーを務めていた先輩グループ、少年隊をリスペクトするコーナーに突入。坂本が東山紀之、長野が植草克秀、井ノ原が錦織一清を担当し、時が経ても「体にしみこんでいた」と言う、華麗なステップを披露し「What’s your name?」「ダイヤモンド・アイズ」「デカメロン伝説」「君だけに」「レイニー・エクスプレス」「まいったネ 今夜」とヒット曲の数々を、光り輝くスパンコールで飾られた白の上下の衣装で披露。「歌っちゃったな」「踊っちゃったね」「盛り上がっちゃった」と、少年隊コーナーに3人でアイディアを出し合ったことなど、熱い思いをトーク。

そしてまた客席に着席を促し、さっきのMCの続きへ。UFOに連れ去られた長野は、宇宙の音楽フェス「ギャラクシー・ソニック」の依頼を受けたと言う展開に。ここからはV6のヒット曲を引っ提げて、そのフェスに参加するというコンセプトのコーナーに突入。宇宙と交渉できる曲としてV67枚目のシングル「WAになっておどろう」から始まり、「地球をふりだそう」と続く。V6のデビュー曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」、「Believe Your Smile」「愛のMelody」とさまざまなタイプの曲を披露し客席の盛り上がりは最高潮に。「僕たちの友だちの曲です!」とComing Centuryの「夏のかけら」を披露し、「俺たちが20th Century」と自己紹介して、デビューシングルに収録された「Theme of Coming Century」へと続いていく。本編ラストの、舞台のための書き下ろされたナンバー「カノトイハナサガモノラ」では、バンドメンバーは宇宙人のようなアンテナをつけて登場、メンバー3人は終始にこやかに客席に手を振る。「次は地球で会おうぜ!」と銀河の人たち、地球の人々にジュニア、ダンサー、バンドのメンバーを紹介し、客席には銀テープが放たれ、曲の終わりでは3人が3方向に深々と頭を下げステージを終了した。

アンコールでは地球に戻ってきたトニセンがTシャツ姿で再登場。夏らしいナンバー「ツラいチャプター」では3人が代わるがわる客席に降りて、パフォーマンス。「ライブを大切に、できる限りステージに立ち続けて行きたい」(長野)「歌って踊るアイドルとしては最年長になったけど、地道に頑張っていきます」(井ノ原)「パワーの交換をすることでお互い持ちつ持たれつ(笑)いきたい。ずっと曲を届けていきたいので応援よろしくお願いします」(坂本)と挨拶し、大ラスの「あなたと」を歌い上げ、手を振り会場を後にした。

昨年の全国ツアーに続き、2年連続の開催となったトニセンのライブ。そして「これくらいのステップでよければいくらでもできるんで(笑)、できる限りアイドルとしてやっていきたい」と語っていた井ノ原。ファンと共有してきた30年近い日々。固く結ばれた絆を再確認し、ここからの年月は焦らずマイペースに、ずっとライブをやり続けていくことを決意したツアーだったに違いない。

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Men's PREPPY 編集部
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