こだわる人のバイカースタイル|「オールドマウンテン」CEO/クリエイティブディレクター・辻ノ内実さん

ここ数年で空前のブームとなっている日本のキャンプシーン。そこでひと際、強い存在感を放つオールドマウンテンの辻ノ内さんをピックアップ。モノ作りはもちろん、そのモノ選びにも定評のある辻ノ内さんの愛車は、ハーレーの歴史的なビッグツインエンジンだ。

’47年式のナックルを2台所有して通な使い分けを嗜む!

「オールドマウンテン」CEO/クリエイティブディレクター・辻ノ内 実さん|1977年生まれ。島根県出身。近年のガレージブランドを中心としたアウトドアブームの牽引役のひとり。2024年にはグランピング施設EXTRAORDINARY PLACE MOTO SHIMAを米子の無人島にオープン。Instagram@old__mountain

ここ数年のキャンプブームを牽引するガレージ系ブランドのひとつであるオールドマウンテン。そのプロダクツは言わずもがな、ディレクターである辻ノ内さんは、これまでに数十台のクルマを乗り継いできた大のカーガイでもある辻ノ内さんだが、最近はその情熱がバイクに向いているとか。

「10代の時からバイクに乗っていたのですが、20代で独立したタイミングでいろいろと苦労することもあって、しばらくバイクに手を出さなかったんです。ここ数年で気持ち的に余裕が出て、ずっと憧れていたハーレーのナックルヘッドに乗ろうと決意したんです。そうしたら、立て続けにオファーがあって、’47年式のナックルヘッドを2台持つことに(笑)」

辻ノ内さんは一度ハマると、とことん突き詰める性格。現在はハーレーのWLをチャボエンジニアリングの木村信也さんにカスタムしてもらっているそう。

「10代の時に多大な影響を受けたのが、地元で有名なバイク乗りでもあった革人形作家の本池秀夫さんと、雑誌で拝見した木村信也さんでした。縁あって、この2人とお仕事をご一緒してもらう機会があって、10代の時に抱いていた夢が叶いました。今後はバイクとキャンプを繋ぐような提案をしていきたく、そのひとつが米子の無人島を改装したグランピング施設である“モトシマ”。手ぶらで行けるので、バイクでも気兼ねなく使えるキャンプを楽しめるんです」

辻ノ内さんの一生モノとなる愛用ギア。

愛用しているヘルメットは、ナックルヘッドと相性の良いヴィンテージ。右がヴィンテージヘルメットの花形である名作ベルの500TX。左がカルト的な人気を誇るマックホール。どんな車両にも合うようにホワイトをチョイスした。

10代の時より憧れており、現在は様々なプロジェクトを共にしている本池秀夫さんが手掛けるモーターのエンジニアブーツ。ヴィンテージのエンジニアブーツをモチーフとしたデザインで、早くもいい風合いになっている。

左の2本は、辻ノ内さんが手掛けるオールドマウンテンのオリジナルで、新作となる。右は王道のコンチョベルト。どれも個性的な表情で、これからエイジングを楽しみながら使う予定だ。

アンティークのストーブは、キャンプやガレージで使っている。詳しい年代はわからないが、その作りから1900年代初頭の可能性も。細かな装飾が施され、職人技を感じる逸品。

オールドマウンテンのヒット作であるオカマドンとシェラカップ。この2つがあれば、簡単にご飯が炊けるスグレモノ。かなりコンパクトなので、バイクキャンプでも活躍する。

徹底したこだわりから生産数が少なく、常に抽選販売となっているオールドマウンテンの張替えキットをフル装備したカーミットチェア。もともとバイカー用に設計されたため、コンパクトに収納できる名作チェアだ。

ロレックスのアンティークウォッチに、本池秀夫さんが1点ずつハンドメイドで制作したスペシャルなシルバーベルトがカスタムされている。リングもモトで、スペシャルな18金フェザーリング。バイク乗りらしい無骨さ。

愛用しているグローブは実力派ブランドであるヴィン&エイジのもの。’90年代に流行したレザーライダースをオマージュしたようなボーンデザインが個性的だ。ジッパーを開くと、スタッズカスタムが見えるのがオシャレ。

オールドマウンテンのウォレットは、オリーブにのクロコダイルとラクダ革のコンビ。そこにオールドマウンテン×モトのコラボレーションによるウォレットチェーンを装備。バイク乗りにウォレットチェーンはマスト。

オールドマウンテンを代表するプロダクトのひとつが、ハンドメイドの木製オリジナルカップ。アイコンであるラクダをモチーフに、職人がひとつずつ削っている。持ち運びしやすいようにストラップをカスタムした。

1947 Harley-Davidson FL|純正ルックを楽しむナックルのファイナルイヤー。

コレクターから譲り受けたというハーレーのナックルヘッド。ハーレー社の初となるOHVエンジンであり、1936年に登場した。この1947年製は、ナックルヘッドの最終年であり、1940年よりリリースされた1200㏄のFLとなる。純正度の高い個体なので、あえてカスタムはほとんどせず、純正ルックを楽しむために所有している。

この日は20年来の相棒であるエアロレザーのフライトジャケットでツーリング。足元にはウエスコのサイドゴアをチョイス。純正度の高いナックルで、クラシックな雰囲気を楽しんでいる。

こちらは純正のシートではないが、年代を考慮してチョイス。ブラウンのレザーに、さり気ないスタッズカスタムがマッチ。ブラックの車体なので、ブラウンが映えている。

かなり手を入れており、絶好調であるが、不意にトラブルに見舞われるのもヴィンテージハーレーの醍醐味。プラグは常に携帯しており、日々の軽いメインテナンスも欠かさない。

ファイナルイヤーとなるハーレーのナックルヘッド。エアクリーナーのカバーなども純正であり、オリジナリティの高い個体となっている。純正度の高いナックルは今では値段が急騰している。

1947 Harley-Davidson FL|さり気ないボバースタイルを施した47ナックルヘッド!

立て続けにオファーがあり、同じ’47年製のナックルヘッドも所有している。アメリカで見つかった個体で、純正度が高いナックルながらも、品良くボバーカスタムが施されており、なんとも魅力的な個体となっている。ハンドルは人気のフランダースで、純正のフェンダーはチョップされている。マフラーはワンオフで製作。

前後のフェンダーはカットされているが、ともに純正パーツ。スプリンガーフォークなどもオリジナルで、ハンドルは、フランダースのヴィンテージを使い、高めに設定している。

タンクもこの年代ならではのファイヤーボールエンブレムの純正。シフトレバーには、サイコロのモチーフにパーツをカスタム。ブラックで統一したカラーリングも素晴らしい。

ボバーカスタムに合わせて、マフラーはワンオフのパーツに変更している。エンドが上に向いた形状をしており、遊び心のある仕上がりに。音もほどよい大きさが大人っぽい。

(出典/「Lightning 2024年7月号 Vol.363」)

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Lightning 編集部
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