これも箱バン? アメ車ならではのデカくてかっこいい箱型バンランキング【11選】

  • 2023.10.30

世の中、SUVやクロスオーバー車が猛威をふるっている昨今の自動車業界だけど、もっと趣味性の高いクルマが好きな人たちが気にしている車種がバンの存在。アウトドアやキャンプ愛好家が急増したことも手伝って、人もクルマも乗せられて、ちょっと人とは違うクルマで趣味を謳歌したい人たちにうってつけなのがバンだったりする。その中でもアメリカのスクエアな箱型ボディのバンはアウトドア好きだけでなく、クルマ好きも「おおっ」となる車種が目白押し。箱型のバン自体がアメリカでは失われつつあるので、いつかは乗りたいなと思っている人たちはそろそろ本腰入れないと手の届かないクルマになってしまうかも。そんなことになる前にちょっと気になるアメリカのバンの持つカッコ良さを絶版モデルを基本におさらい。趣味人的にもおしゃれにも乗ることもできる11台を時代別にピックアップしてみる。

クラシックバンはクルマ好きも憧れる安定のカッコ良さがある。

いわゆるフロントノーズが短く箱型デザインになるバンの歴史はアメリカでも古く、商用ベースのトランスポーターとしては戦後から存在していた。戦後の好景気で人々の生活が豊かになって、多くのレジャーや趣味が生まれたことで、一般ユーザー向けのバン(当初は商用のコマーシャルバンと差別化するためにスポーツバンと呼ばれた)が1960年代になると各社から製造されるように。いわゆる趣味のクルマとしてのバンの起源がここにある。

クラシックなバンの良さはなんといってもデザインの可愛さ。といってもアメリカ車らしくエンジンは大排気量。快適装備などは無いけれど、アメリカ旧車は機関系のレストア&アップデートは可能なので、情熱と予算があれば充実したバンライフが送れる。ただし、年々価値が高まってきているのでベース車両の捜索は難航するかもしれない。

1. 1960s Chevrolet Corvair Greenbrier Sportswagon(1960年式 シボレー・コルベア・グリーンブレア・スポーツワゴン)

リアに空冷水平対向6気筒エンジンを搭載したシボレー・コルベアのバンタイプとして1961~1965年式まで存在したグリーンブレア・スポーツワゴン。アメリカでは人を乗せることができるパッセンジャータイプのバンもワゴンという呼び名が当時は一般的だった。

ベースとなるコルベアはコンパクトなボディサイズで、クーペからコンバーチブル、バンにピックアップと多彩なボディラインナップで展開され、当時のVWの対抗馬として生まれたが短命に終わった車種。今ではバンタイプはレアなクラシックカーになっているけれど、アメリカにはコアなファンがしっかりとレストアした車両も存在している。

2. 1964 Dodge A100 Sportsman Van(1964年式 ダッジ A100・スポーツマン・バン)

クライスラーのブランドだったダッジもVWタイプ2の対抗馬としてA-100を開発。これがダッジバンのご先祖モデルになる。キャブオーバータイプのボディに大きな丸目2灯のデザインはアメリカらしからぬ可愛さがあるので、現代のストリートで目立つこと間違いなし。

ボディもコンパクトバン&トラックというカテゴリーに属していて、日本の道路事情でも困ることはないサイズ感。といってもアメリカ車らしくV8エンジンという可愛くない設定もあったのが往年のアメリカ車らしさだ。ちなみにこのデザインでの製造は1970年式まで、それ以降ダッジはフルサイズバンのみのラインナップになっていった。(Photo by Stellantis)

3. 1968 Chevrolet Sportsvan(1968年式 シボレー・スポーツバン)

シボレーやGMCのバンのご先祖様。1964年にデビューし、これがその第2世代モデル。初代からキャブオーバータイプのデザインで、この世代からデザインではヘッドライトがフロントマスク下部に移動し、機関ではV8エンジンも設定された。

それまで存在したシボレー・コルベアベースのグリーンブレア・スポーツワゴンに取って代わるモデルとして生まれた車種で、ボディサイズもコンパクトで、エンジンやブレーキなどは当時のコンパクトカーだったシェビー2ノバから流用していた。いまやアメリカでもなかなか見かけないレア車のひとつ。兄弟ブランドのGMCからはハンディバンという車名で販売されていた。

4. 1970 Ford Econoline 100(1970年式 フォード・エコノライン 100)

フォードを代表するバンであるエコノラインの’70年式。エコノラインはコンパクトな車格で1960年にデビューし、1968年にモデルチェンジしてよりスクエアなフォルムでいかにもアメリカのバンらしいデザインになった。

エコノラインはE-Seriesと名前を変えながらも2014年まで続く歴史のある車種で、丸目モデルは1974年式まで。その後はフルサイズの車格に拡大し、堂々としたボディサイズになるので、コンパクトな車格の丸目ボディを楽しみたいなら1974年式までのエコノラインがおすすめ。

ただし好コンディションで現存している個体はそれほど多くない。きっちりとレストアされた車両を探すか、程度良いベース車を輸入して日本で仕上げて乗るのもあり。

5. 1975 Chevrolet Sportsvan(1975年式 シボレー・スポーツバン)

フルサイズのボディへと拡大し、いわゆるアメリカのバンらしいデザインになったシボレーのスポーツバンの第三世代。この世代からバンモデルはGシリーズというシリーズ名でよばれ、同じくフルサイズのピックアップトラックだったC/Kシリーズと共通のコンポーネントになった。とくにシボレー系車種はレストア&リペアパーツが豊富なので、程度の良いベース車をきっちりとレストアすれば普段使いも可能なクオリティに再生できる。

Gシリーズは基本的なコンセプトを変えることなく1996年までフルモデルチェンジされることなく生産された長寿モデルだったりするけれど、1970~1980年代のモデルはほどよくクラシックで、きっちり整備すれば日常使いもできる年式といえる。

6. 1979 GMC Rally STX(1979年式 GMC ラリー STX)

シボレーと兄弟ブランドになるGMCもシボレーのバンと同じ歴史を辿り、バッジ違いのモデルとして存在。GMCのバンはラリーやバンデューラといったモデル名として存在した。バッジが違うだけでシボレーの同型車種とほとんど変わらないデザイン。現存数はメジャーブランドだったシボレーよりも少ないかもしれない。

ヤングタイマーも注目株。

1980年代から2000年代初頭までのいわゆるヤングタイマーな年代も見逃せない。もはや機能が現代車両と変わらないので、しっかりとレストア&整備をしてあげれば日常的に使うことができる。ちょっと古臭いこのあたりの年式はOBS(オールドボディスタイル)という呼ばれ方をされるようになった世代のモデルなので、今後ますます注目されるようになると車両価格も高騰するかもしれない。

この時代のモデルはキャンピング仕様に架装されたコンバージョンモデルも数多く生産されていたので、アウトドアの相棒として即戦力な車種も見つけることができる。ふてぶてしい顔つきのモデルが多くアメリカっぽさがプンプンしているのも魅力。

7. 1990s GMC Vandura Starcraft Conversion(GMC バンデューラ・スタークラフトコンバージョン)

1980年代からはフルサイズバンをベースに架装メーカーが様々な追加装備を施したコンバージョンモデルが多数生まれる。これはGMCバンデューラをベースにハイルーフ化し、室内を豪華な内装にすることで居住性を高めたスタークラフトのコンバージョン。

サイドの窓も大きなモノに換装されているなど、各架装メーカーがしのぎを削っていたので、いろいろな仕様が存在している。角目4灯のふてぶてしい顔つきは今のクルマにはないデザイン。今のおじさんたちは若いころにリアルタイムで見ていたので「懐かしい」と思ったり今でも憧れのモデルだという人も多いのでは。

8. 1998 Chevrolet Astro(1998年式 シボレー・アストロ)

フルサイズバンよりもコンパクトでミニバンよりも広い空間を持ったボディで商用からパッセンジャーカーとしても愛されたシボレーのアストロ。アメリカ車ならではのV8エンジンの設定は無かったが、コンパクトな車格が日本の道路事情にも合い、4WDの設定もあったことから多くの人に受け入れられ正規輸入もされた。今では一周回ったのか、程度の良いアストロの人気が再燃の兆し。

豪華装備やユーティリティをグレードアップしたコンバージョンモデルも数多く存在しているので、アメリカンバンの入門車両としてもおすすめ。ただし程度の良い個体を忍耐強く探す必要はある。2005年まで存在していたので、もはや最終モデルでもヤングタイマーといえる。兄弟ブランドのGMCからはサファリという車名で販売された。(Photo by General Motors)

9. 2000 Dodge Ram Van(2000年式 ダッジ・ラムバン)

ダッジA100の後継モデルとしてフルサイズボディで生まれ変わったダッジのBシリーズと呼ばれたバンモデル。当初はトレーズマン、スポーツマンというモデル名だったが、1981年にラムシリーズに統合され、2003年まで生産された。

フルサイズながらショートボディも存在し、V8エンジンの設定もあったことから、正規輸入はなかったけれどシボレー・アストロよりもパワフルな走りを求める人たちに愛されて日本にも多くの個体が輸入された。とくに最終世代となる第3世代の1998~2003年モデルは数多く日本に入ってきている。ただし今となってはもはやヤングタイマーな世代。走り回って疲れた車両も多いので、きっちりと整備された好コンディションの車両に出会えたら憧れのバンライフを満喫できる。(Photo by Stellantis)

ちょい旧モデルなら現代車両と同じ感覚で乗れる。

さすがにバンの中古車となると現存数が多くても、車種の性格上、走行距離過多になりがち。ただし、アメリカでも低走行車は存在するし、新車で日本に輸入されてきて、国内でそれほど走っていない車両であればちょい旧モデルというチョイスも悪くない。中身は現代車両とそれほど変わらないので、きっちりと整備すれば快適に乗ることができるのもうれしい。

といっても現代のアメリカンバンはボディサイズが大きいので、そこだけは慣れてもらうしかない。それでも国産のバンにはない力強さや存在感、それに大排気量のエンジンがあるので、人とはあまりかぶりたくないクルマを選びたいならおすすめだ。

10. 2010 Chevrolet Express(2010年式 シボレー・エクスプレス)

現在も生産されているので新車でも手に入れることができるシボレーのGシリーズになるフルサイズバンがエクスプレスの存在。兄弟ブランドのGMCではサバナというモデルで販売されている。2003年にフェイスリフトされ、写真の2010年式モデルでも古臭さは感じない。ライバルブランドのフォードやダッジから箱型のフルサイズバンが消滅したので、現行モデルで昔ながらの箱型バンはこのモデルのみになっている。

ただショートホイールベースモデルでも全長約5700mm、全幅2012mmというボディサイズには少々慣れが必要かもしれないけれど新車で威風堂々としてフルサイズバンの風格を楽しめる。ちなみに2027年には新世代のバンを発表するとGMがアナウンスしているので、次世代モデルは箱型デザインにならないかもしれない。(Photo by General Motors)

11. 2014 Ford E-Series(2014年式 フォード・Eシリーズ)

フォードを代表するバンであるエコノラインはE-Seriesの名前でモデルチェンジされながら継続販売されていたが、バンモデルは2014年に終了。現在はフォード・トランジットが後継モデルとして存在するけれど、いわゆる箱型のボディではなくなっている。

箱型のフォードのフルサイズバンを高年式で乗るなら最新でも写真の2014年モデルになる。フルサイズボディなのでショートホイールベースでも全長約5500mm、全幅2014mmとシボレー・エクスプレスと変わらないサイズ感。(Photo by Ford Motor Company)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部