日本の道路状況でも運転しやすい、アメリカンスタイルの日本車。
アメリカにも日本同様、旧いZの愛好家が多く存在している。ただし日本と少し異なるのはそのカスタムに方向性。国内のZ乗りはL型エンジンとキャブレターにこだわるが、アメリカのZは’90〜’00年代の日本製スポーツカーのエンジンに載せ替えることも多い。ここで紹介するロッキーオートが現在販売している240Zも、エンジンがターボ付のRB25に換装されている。
この個体はもともとアメリカで製作されたもの。それをロッキーオートが輸入し、日本の道路状況に合うよう、冷却系などを中心に見直しされている。
日産のRBシリーズのエンジンの中でも、最もバランスがいいとされているRB25DETを搭載し、ブーストアップなどでライトチューン。軽い車体ということもあり、走行中でもアクセルをドンッと踏み込めば、やすやすとリアタイヤが空転するほどのパワー感。とはいえ扱いにくいことはない。クラッチは軽く、ミートポイントもごく普通。パワステも付いていることもあり、日常使いはもちろん、ワインディングなどのスポーティな走行も楽しめる。左ハンドルなのでウインカーレバーとシフトに戸惑うかもしれないが、走り出してストップ&ゴーを繰り返せばすぐに慣れるだろう。
注目したいのはヴィンテージエアー社のオートエアコンがインストールされている点。こういった快適装備は現在の自然環境を考えると非常にありがたい。真夏にクーラーを使うかどうかは別として、あるとないとでは気分的にも大違いだ。そしてもうひとつのポイントがリアに鎮座した巨大なスピーカー&ウーハー。アメリカのカスタムカーの多くは、どれも音響設備にも手を抜いていない。それがヴィンテージカーであってもだ。速さだけでなく、ドライブそのものを楽しむのがアメリカのカスタムスタイルなのだろう。
ロッキーオートの渡辺社長もこのクルマに太鼓判を押す。乗ること自体が楽しい、クルマの本来の楽しみ方を具現化した一台だ。
1973 DATSUN FAIRLADY Z with RB25DET
メタリックブルーにオールペンされ、シルバーのレーシングストライプが入った1973年製のフェアレディ240Z(HLS30)。車両本体価格は878万円となり、車検付きでロッキーオートで発売中だ。
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「Lightning2022年5月号 Vol.337」)
Text/M.Sasaki 佐々木雅啓 Photo/D.Katsumura 勝村大輔 取材協力/ロッキーオート TEL0564-66-5488
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