大阪でトラッドに こだわり続けて50年

新大阪駅から電車で10分ほど、本町駅に隣接する船場センタービルに店を構える「トラッドハウス フクスミ」は1965年創業、名前通りのトラッドショップ。元は男性衣料の卸問屋から始まったという。現在、店を束ねるのは社長の福角康宏さん。創業者を父に持つ2代目だ。

「元々、このビルがあったところはバラックが立ち並ぶ問屋街だったんです。うちもそこで商売をしていたようで、高速道路の建設などで、立ち退いた時期があったりと苦労をしたと聞いています。現在のような店になったのは、このビルがオープンして少し経ってからのことで、初めは紳士服という括りで営業をしていました。1975年頃、思い切ってトラッドに舵を切ったんだそうです」

社長の父であり、創業者の福角覚さんは今も常連さんに愛される名物店長だった。
「先代は本当に話しが上手だったんです。私も結構話し好きなのですが、全然敵いません。亡くなった今でも先代の知り合いや古い常連さんに、あんたの父親にはよく捕まったわ。なんて言われることもありますよ」

そんなことを言いつつも、2代目の福角康宏さんも口は達者だ。店内に並んでいるジャケットをはじめ多くのアイテムは、そのほとんどがオーダーをするお客様に見ていただくためのサンプルだそう。
「店に並んでいるジャケットは型ごとにサイズを20以上用意しているので常時100着以上は並んでいると思います。他にも店頭には並んでいないのですが、パンツやベストなども用意をしています。これだけの数を用意する理由は、大阪という土地柄かネットでのオーダーが一番多いからなんです。
ネットでオーダーは手軽だし、良い面もありますけど、やっぱり物を見て決めないと不安じゃないですか。なのでお客様にサイズを聞いてサンプルを自宅に無料で送るようにしているんです。決して価格は安くないので、失敗はしてほしくないし、できる限りお手伝いさせていただきたいので」
話を聞いていて伝わってくるのはお客様にいい服を長く着てほしいという真心。お客様本位のトラッドショップが大阪にはあった。
【DATA】
トラッドハウス フクスミ
大阪府大阪市中央区船場中央3-2-8 B106
船場センタービル8号館地下1階北通り
TEL06-6251-4976
営業/12:00〜18:30(土12:00〜18:00)
休み/月日祝
http://www.rakuten.co.jp/fukusumi/
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
Photo/Nao Mizoguchi, Nanako Hidaka, Takuya Furusue Text/Kiyoto Kuniryo, Yu Namatame, Shuhei Takano
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