1.Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)のローファー|会社員・佐藤惟吾さん
10年程前にニューヨークの本店で入手して以来、ソールをハーフラバーにして何度もリペアしながら履き続けている。「やっぱりオールデン製ならではの、ちょっと武骨な雰囲気が魅力ですよね。ドレスからカジュアルまで対応してくれるから、オンオフ問わず活躍しています」
しかも、「なるべく自然の経年変化を楽しみたい」と、メンテナンスはブラッシングくらい。その結果、部分的に傷が付いていたり色が抜けたりしているが、それがほどよい風合いとなっている。
「コードバンだけど水や汚れもあまり気にしません。ピカピカよりも、履き込んだ質感が好きなんです。それにアンライニングだから柔らかく、素足で履いても気持ちいい。ほとんどスニーカー感覚ですね。むしろ自分的にはスニーカーよりも歩きやすい。かなりラフに接しているけど、一生モノの大切な一足です」
愛用歴:10年ほど
購入場所:ニューヨークのブルフルックスブラザーズ本店
購入時の価格:7万円くらい
2.Paraboot(パラブーツ)のランス|「Pt.アルフレッド」店長・本江浩二さん
恵比寿にある名店Pt. アルフレッドのオーナーであり、40年以上に渡って、ファッション業界で働く本江さん。長年、現場での実体験を積み重ねている本江さんが選んだのは、まさに質実剛健という言葉がぴったりなローファーだ。
「一般的な機能服や道具という観点だと、少し外れるかもしれませんが、街の洋服屋が推す実用的な道具として、パラブーツのランスほど万能なアイテムはありません。パラブーツらしく登山靴にルーツを持つノルヴェージャン製法で生産されているので、兎にも角にもタフですし、ローファーでも気兼ねなく履けるのが一番の理由。
さらにリスレザーとネーミングされたオリジナルのカーフは、しっかりとオイル分があるので、多少の雨なら気になりませんし、傷や汚れにも強いんです。デザイン面では、カジュアル寄りな見た目なので、スラックスからミリタリーまで合わせられて、年中履けてしまうユーティリティ性も、このローファーをリコメンドした理由です」
愛用歴:13年
購入場所:Pt.アルフレッド
購入時の価格:7万9200円
3.Tres Outlaws(トレスアウトロウズ)のカスタムウエスタンブーツ|「ランデブー オーグローブ」オーナー・前淵俊介さん
セレクトショップの草分け的な存在であるシップスの前身「ミウラ&サンズ」からキャリアをスタートし、世界中から良質なプロダクトを買い付けるバイヤーとして活躍する前淵さん。世界各国の服作りや歴史に精通する前淵さんが選んだのは、カウボーイカルチャーを色濃く感じるウエスタンブーツだ。
「ウエスタンブーツは、10代の時から大好きなアイテムで、本場テキサスをプライベートで訪れ、老舗店へオーダーしたこともあります。今回のブーツは、ルグローブ時代に特別オーダーしたトレスアウトロウズ。ウエスタンブーツはカウボーイにとって、ワークブーツでもあり、正装にも使うドレスシューズでもあります。
この別注品は、後者をイメージして、装飾性を高めたレザーや刺繍のパターン、トゥやカカトの形状などを細かくオーダーしました。サイズを合わせれば走れるくらい快適です。デニムではなく、あえてスーツに合わせるのが自分のスタイル。ファッションでも道具でも一級品ですよ」
愛用歴:20年くらい
購入場所:ルグローブ
購入時の価格:15万〜50万円くらい
4.RED WING SHOES(レッドウィングシューズ)の2268 エンジニア PT91|「古着屋ジャム」福嶋政憲さん
名作として名高いレッドウィング PT91のオーナーは、日本各地に全13店舗を展開する古着屋ジャムの代表である福嶋さん。古着店として独立する際に前職の先輩から譲り受け、以来普段履きとしても、そして本来の目的でもある作業靴としても愛用しているという。
「レザーやジージャンといった古着らしいアイテムとの相性が良く、冬の登場機会が多いのですが、新店立ち上げの際の内装現場でも大活躍。スチールトゥ で安心感があるし、傷も気にせずガツガツ履けるのが良いですね。茶芯が出るのがPT91までとされており、経年変化も魅力のひとつです」
愛用歴:15年
購入場所:前職の先輩から
購入時の価格:0円
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年2月号 Vol.191」)
Photo/Satoshi Ohmura, Yuta Okuyama, Nanako Hidaka, Shunichiro Kai, Norihito Suzuki, Takuya Furusue, Akira Mori, Yoshika Amino Text/Okamoto 546, Shuhei Sato, Masatsugu Kuwabara, Tsuyoshi Hasegawa, Shinsuke Isomura, Kiyoto Kuniryo, Shuhei Takano, Kazuki Imanishi
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