トラッド好きが愛用する、メイド・イン・ジャパンの名品。【Part1】

世界に轟くジャパンメイドのクオリティ。トラッドスタイルを愛する16人の洒落者が太鼓判を押すトラッドファッションに欠かせない名品を4回にわたりご紹介。今回は音楽、ファッションシーンで活躍する4人の愛用品を紹介する。

1.ファクトリーメイド×ステットソン×ヘッズのカンカン帽|ミュージシャン・渡辺俊美さん

天然の花麦を使用した本格仕様。型はクラウンを高く、ブリム幅を広げることで、オーバーサイジングな現代のスタイルにも合わせやすいようアップデートを加えている。2万7500円(グーニー PR03-6441-2142)

1990年代よりミュージシャンとして活躍しながら、洗練されたファッションにも一目置かれてきた渡辺俊美さん。なかでもヘッドウェアは、顔の一部と言っても過言ではないアイコニックなアイテム。

夏になれば、やはり清涼感のあるカンカン帽に手が伸びてしまうという。最近のお気に入りは、今季よりスタートした、自身がプロデュースを手掛ける帽子専業ブランド、ヘッズのひと品。なんと、アメリカの老舗ブランド、ステットソンとのコラボによる日本製だ。

「熟練の技術が必要となるカンカン帽を、国内最大手の中央帽子さんの協力の下、今では希少な国産で作ることができました。カンカン帽は形が決まっている分、フィット感を出すのが非常に難しいのですが、これは日本人の頭にもフィットしやすい。

そのあたりの正確な作りは流石、メイド・イン・ジャパンならではですね。服もそうですが、帽子もトラッドなアイテムだからこそ、素材が大事ですよね。これは、昔ながらの天然の花麦で作っているので生地が肉厚で丈夫。叩くとしっかり“カンカン”と鳴るんですよ」

ミュージシャン・渡辺俊美さん|TOKYO No.1 SOUL SETをはじめ、THE ZOOT16や猪苗代湖ズなど、さまざまなユニットでミュージシャンとして活躍中。今季より、自身がプロデュースを手掛けるヘッドウエアブランド「ヘッズ」を始動

2.クロ x J.プレス オリジナルスのデニムカーゴ|「J.プレス&サンズ アオヤマ」バイヤー・黒野智也さん

M-65トラウザーズならではのゆったりとしたシルエットをそのまま活かしたカーゴパンツ。コットン100%の厚くて荒めのデニム生地の経年変化が楽しみ。4万1800円(ジェイプレス&サンズ青山  03-6805-0315)

Jプレスを代表するプロダクツでもあるブレザーにオリーブのカーゴパンツを合わせるいわゆるミリタリートラッドスタイルを、もう少し新鮮に見せたいと思ったのがきっかけで、岡山発のクロとのコラボ企画がはじまったデニムカーゴパンツ。

モチーフとなったのは名作として名高いアメリカ軍のM65トラウザーズ。ヴィンテージの個体を用意し、シルエットやサイズなどそのままに、仕様も変更せず、あくまでも本物ままを表現。

もちろんミリタリートラッドスタイルを表現する上で重要なアイテムではあるが、同時に1990年代のストリート感も演出できることも黒野さんの計算にはあったという。

「何もいじらずそのまま作るのが1番カッコ良いんじゃないかと思いストレートにM65を作りました。穿き慣れている方にはお馴染みのシルエットです。生地や洗いは90年代をイメージし、コットン100%の厚くて硬いヴィンテージ特有の凹凸のあるデニム生地を採用、洗い加工でいかにも90年代らしいブルーデニムを表現しました。単純にボクが一生かけて穿きたいと思える1本です」

「J.プレス&サンズ アオヤマ」バイヤー・黒野智也さん| 2019年から、ジェイプレス&サンズ青山にてバイヤーとして勤務するもコラボレーションを含めた企画やPR業務など幅広くこなす。趣味は古着巡りとカメラ、ランニングなど

3.ループウィラーのLW290|フリー編集者・小暮昌弘さん

「LW290」というモデルは、「LW ライト」という吊り裏毛を使ったスウェットフーディだ。適度な肉厚で編まれた素材なので、通年を通して快適に着用できる。1万9800円(ループウィラー 千駄ヶ谷03-5414-2350)

幻の機械を見たさに和歌山県まで出掛けて行ったのは8年前になります。ループウィラーというスウェットシャツの素材を編む「吊り編み機」という機械です。アメリカで60年代までは普通に生産されていた「吊り編み」のスウェットですが、現在、この素材を作れるのは和歌山県にある約200台の機械のみ。

実はループウィラーはスウェットでもTシャツでもすべて「吊り編み機」で編まれた素材で製品を作る稀有なブランドです。工場の天井から整然と吊るされた機械は、まるでSF映画に出てくる繭のよう。

もともとこの機械は欧州で製作されていたそうですが、和歌山にあるのはすべて日本製です。輸入された機械を参考に作られたものだとも聞きました。スローモーションのようにゆっくりと機械が回って素材が編まれていく。

1時間かけてもわずか1メートルしか編めない。速度が遅い分、編み地の目が詰められるのでしっかりとした素材で出来上がり、着心地もいい。ループウィラーのスウェットシャツを着用するとき、機械遺産とも言えるこの「吊り編み機」の光景をいつも思い出します」

フリー編集者・小暮昌弘さん

1957年生まれ。法政大学卒業。婦人画報社現(ハースト婦人画報社)で雑誌『メンズクラブ』の編集長を務めた後、フリーランスの編集者に。現在は、雑誌やウェブメディアなどで活動中

4.クロース&クロージングのカスタムオーダーシャツ|「クロース&クロージング」オーナー・瀬古洋平さん

シャツ専業ファクトリーにて一貫して作られるカスタムオーダーシャツ。納期はオーダーから約1ヶ月という速さも国内生産ならでは。国内生地1万2100円~、海外生地1万6500円~(クロース&クロージング 045-530-0629)

オールシーズン活躍するシャツは、大人のカジュアルスタイルにおいて必要不可欠な存在。ホワイトシャツはもちろん、季節やコーディネイトによってカラーシャツを着分けるのも乙だ。

そんなワードローブに必須のアイテムであるシャツだからこそ、体型や好みに合わせたこだわりの1枚を持ちたいもの 。「ボク自身、シャツはほぼ毎日のように着用していて、コーディネイトの中心と言っても過言ではないほど。

そのため、既製品にはないオーダーならではの自分らしいディテールや色を楽しめるのはオーダーシャツの良いところです。ここ最近は、柄の組み合わせよりも色の組み合わせの妙を楽しむことが多くなってきたので、季節感を含め、シャツの色で自分らしさを表現したいなと思っています」

「クロース&クロージング」オーナー・瀬古洋平さん|  東急田園都市線「たまプラーザ駅」から徒歩5分。肩肘張らずにデイリーに、そして流行に左右されることなく長く着られる大人のウエアを揃える隠れ家的ショップを営む

情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 20227月号 Vol.184」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

高額商品もお得にゲット! 夏の“福”を呼ぶオンラインフェス「イナズマ福袋フェア」8月15・16日開催

  • 2026.08.04

真夏のオンラインフェスの開催が決定! 今回はなんと“福袋”。人気ブランドの人気アイテムを袋に詰め込んで販売するぞ。中身は開けてのお楽しみ。もちろん恒例の2日間ライブ配信も。さらに○○グランプリも開催。オンラインショッピング会場には1000円の入場料がかかるが、LIVE配信、抽選会、○○GPは参加無料...

Pick Up おすすめ記事

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...