Monday|ミリタリートラッドの足元を支えるタフなダービーシューズ。
新しい1週間のはじまりは、大好きなミリタリートラッドスタイルと決めている。カジュアルな装いでもキュッとタイを締めれば気分も清々しいものだ。そうなれば、足元もミリタリー繋がりで。MOD(イギリス国防省)のオフィシャルサプライヤーとして長年、靴を作り続けるサンダースのダービーシューズを選ぶのが相応しい。光沢のあるポリッシュドレザーは堅牢性に優れ、ラバーソールだから雨にも強く、とにかく疲れにくい。なにかと忙しない1日にもうってつけなのだ。
SANDERS|MILITARY DERBY SHOE
英国サンダースのアーカイブから復刻された、ミリタリーシリーズのベストセラーモデル。いまでは希少な3本針ミシンで仕上げる、別名ピューリタンステッチのトゥがその堅牢性を物語る。5万600円(グラストンベリーショールーム☎03-6231-0213)
Tuesday|見る見るうちに輝きが増すコードバンを眺める至福のとき。
コードバンの輝きは、ダイヤモンドの美しさに勝るとも劣らない。断然革靴派にとって日頃の手入れは日課のようなものだけれど、たまにはプロのシューシャイナーに託して、丁寧に磨いてもらうのも悪くないだろう。銀座三越にある「シューリペア・シューシャイン」では履いたまま磨いてくれる昔ながらのスタイルが楽しめるので、気に入っている。重厚な椅子に腰掛け、ピカピカに磨かれていく愛靴を眺めるのは、なによりも至福のひとときだ。
【DATA】
銀座三越 本館5階
シューリペア・シューシャイン
東京都中央区銀座4-6-16
☎ 03-3562-1111(銀座三越大代表)
営業/10:00~20:00
休み/不定休
ALDEN|54321 ALGONQUIN OXFORD
V字に施されるトゥステッチが特徴のオールデン定番モデルは靴好きなら誰しもが憧れる一足。最高級品質と評価される米国ホーウィン社謹製のNo.8コードバンは磨かれることで、より一層の芳醇な輝きを放つ。13万6400円(ラコタ☎03-3545-3322)
Wednesday|雨の日だって革靴を履けば、気持ちは晴れやか。
断然革靴派なら、雨の日だって憂鬱になんてならない。なぜなら、そんな日にこそお似合いの靴があるから。例えば、雨の多いイギリス生まれのトリッカーズもそう。特殊な塗料でコーティングしたゴースレザーは撥水性にも優れているから、多少の雨ジミなら簡単なケアだけで跡に残らない。彼女も雨水の侵入を防いでくれるノルヴェイジャンウェルテッド製法がお得意のパラブーツをちゃんと選んで履いてきた。さすが俺の彼女!
【MAN】Tricker’s|M2508 MALTON
代名詞でもある、オレンジブラウンの[モールトン]。カーフに特殊塗料を施したゴースレザーを採用することで、穴飾りがエレガントなルックスに撥水性と耐久性も備えている。8万8000円(トリッカーズ青山店☎03-6805-1930)
【WOMAN】Paraboot|MICHAEL
コバ部分に施されたL字ウエルトが靴内部への水の侵入を防ぐ、昔ながらのノルヴェイジャン製法を得意とするフランス生まれのパラブーツ。オリジナルラバーソールで雨の日も快適。6万9300円(パラブーツ青山店☎03-5766-6688)
Thursday|いい靴を履いて出かけると素敵な場所へ僕を誘ってくれる。
今日はいつもよりジェントルに、グレンチェック柄のセットアップに身を包んで銀座の街をぶらり。そんな日の足元は、品格漂うジョンロブの[ウィリアム]と決めている。“良い靴は履き主を良い場所へ連れていってくれる” という、ある異国の有名なことわざがあるけれど、英国紳士にもなった気分で、ついこんな素敵なバーバーにも気負いなく入ってしまう。これもひとつ、革靴の魔力なのかな。
【DATA】
ダブル・アールエル・ウィズ・ルドローブラント
東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7F
☎ 03-6252-5433
営業/11:00~20:00(館の営業時間に準ずる)
JOHN LOBB|WILLIAM
1940年代にジョンロブが考案した元祖ダブルモンクの[ウィリアム]。英国の気品を漂わせながら、モダンな佇まいをも持ち合わせる、無二の名靴として、長年愛される。21万6700円(ジョン ロブジャパン☎03-6267-6010)
Friday|ペニーローファーなくしてアメリカントラッドは語れず。
リンカーンの顔が描かれた面が上になった状態で拾った1セント銅貨をラッキーペニーと呼び、ローファーの切れ込みにお守りとして挟んで持ち歩く。そんなアメリカの験担ぎからペニーローファーの愛称は生まれた。さらには、“幸運を呼ぶポケット”、サドル部分の切れ込みは、G.H.バスが初めて採用したとか。もし極東の島国でペニーを見つけたら、どれほどラッキーだろう。
【MAN】G.H.BASS|11010H LARSON
サドル部分の両端がタコ糸を巻きつけた牛肉のように見えることから、その愛称はビーフロールとも。白黒のコンビカラーはトラッドなローファーに新鮮味を与える。2万5300円(G.H.バス トウキョウ☎03-5843-0777)
【WOMAN】G.H.BASS|41010 LARSON
G.H.バスがモカシン靴から着想を得て作り上げたローファーは1936年からほぼ変わらないデザインだが、代名詞のハイシャインレザーにミニマルな定番デザインは長く愛用できる。2万2000円(G.H.バス トウキョウ)
Saturday|週末は余計な気を使わなくていい靴で、気持ちも装いもリラックス。
スウェットパーカにヴィンテージデニムの王道アメカジスタイルには、レッドウィングのアイリッシュセッターがお約束。1989年に日本企画としてデビューしたベージュ色のラフアウトスウェードはどこか洗練された印象もある。彼女も古着がメインのコーディネイトで足元には、これまたお馴染みの、ティンバーランドのスリーアイレットだ。
【MAN】RED WING|6″ CLASSIC MOC
ハンティングブーツとして1950年代に登場したアイコン[#875]のデザインをベースに、1989年の日本企画として生まれたベージュカラーのラフアウトスウェードモデル。とくにタウンユースで人気。4万1690円(レッドウィング・ジャパン☎03-5791-3280)
【WOMAN】Timberland|3EYE CLASSIC LUG
手縫いで仕上げるモカ縫いの伝統的なモカシンシューズをベースに凹凸のあるラグソールの組み合わせが定番のアウトドアシューズ。’90年代のアメカジ、キレカジブームでも人気を博した。1万9800円(VF ジャパン☎0120-953-844)
Sunday|セーヌ沿いを歩くパリの恋人たち。そんな気分で優雅な休日を。
日曜日は、何をするでもなく彼女と街を散歩しながら、今週あったことや思ったこととか他愛のないことを話していたい。ここはセーヌ川のほとりでもなければ、ましてやフランスでもないけれど、2人揃ってジェイエムウエストンの革靴を履きながら歩いていると、気分はまるでパリの恋人たち。出会っては別れる、恋多き伊達男のように、僕はトレンチコートの襟を立ててみるのたが、どうにも僕は彼女にぞっこんのようだ(笑)。
【MAN】J.M. WESTON|EUGENE GOLF #926
[ゴルフ #641]の系譜におけるモデルとして2020年に登場。つまみモカ縫いによる、ややボリュームのあるトゥシルエットが太めのジーンズとも好相性。13万7500円(ジェイエムウエストン 青山店☎03-6805-1691)
【WOMAN】J.M. WESTON|SIGNATURE LOAFER #180
ジェイエムウエストンを代表するモデルであり、フレンチシックの王道。シンプルなローファースタイルにも関わらず、他のどれとも被らない気品ある佇まいは別格。12万6500円(ジェイエムウエストン 青山店)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「断然革靴派 2nd 2022年4月号増刊」)
Photo/Yohei Kojima Styling/Shogo Y oshimura Text/Kazuki Ueda Hair/Kazuki Fujiwara(Perle) Make/RISAKO MA TSUSHITA(Perle) Model/Tatsuro Y asui,Miyako T akayama
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