【基本】スチームとドライの使い分けがキモ。
アイロンがけで、スチーム機能をきちんと使いこなせている人はどのくらいいるだろうか? 実はアイロンがけできれいに仕上がるかどうかは、スチームとドライの使い分けがキモ。そこで、主にイタリアブランドの代理店業務を行うエスディーアイの営業担当・大橋崇弘さんに、アイロンがけの基本を教えてもらった。
大橋さんいわく、アイロンがけの基本は「アイロンを浮かせた状態でしっかりスチーム。その後、ドライで無駄な力を加えずアイロンを滑らせる」。これを念頭に入れて、スラックパンツのアイロンのかけ方をご紹介しよう。
【ポイント】スラックパンツのアイロンがけでおさえるのはこの4つ。
【A】マーベルト
腰裏の布地。捻じれてシワになりやすく、汗も多く含む場所なのでアイロンかけは必要不可欠。
【B】ヒップ
パンツの中でもっとも負担のかかる部分であり、シルエットの要でもある。
【C】クリース
前後のセンターの入る折り目は、精悍な印象を与えるスーツには欠かない意匠だ。
【D】裾
シングルやダブルと仕上げ方は様々だが、しっかり折り目が入っていることが美しいシルエットを作り出す。
【かけ方】シンプルなようで構造は複雑。おさえるべきポイントを頭に入れて、いざスタート!
【1】まずは内側のマーベルトから。腰の動きに合わせて捻じれやすい部分なので、まずは手でシワを伸ばす。
【2】縫い目や布の重なりを手で確認しながらシワにならないようにアイロンをかけていく。スチームをあてた後に、ドライで水分を飛ばす。
【3】レッグ部分のアイロンかけは内側のみ。前後のクリースがしっかり折り目にくるよう整えてアイロン台へセット。
【4】まずは裾から。折り目がずれないように手をあてながら、気持ちしっかり目にアイロンをかける。ダブル仕様の場合は生地が重なっているので、やや力をいれて。
【5】ひざ部分は動きが多いのでクリースが薄くなりやすい。クリースの位置を確かめながら慎重に。
【6】シワの原因となる裏のポケットスレーキは外に引っ張り出しておく。腰周りはプリーツやフロントジップなどのディテールが多いので、気をつけながらベルト部分までしっかりとアイロンがけする。
【7】パンツのアイロンがけで一番テクニックを要するのがヒップ周りだ。まずはヒップの膨らみに合わせて生地が斜めに走っているのを確認。空いた手で生地を斜め外側に引っ張りながらアイロンをかけていく。
【8】最後は股下のクロッチ部分。蒸気を多めにあてて、プレスせずにアイロンを軽くあてる程度で水気を飛ばして仕上げる。
パリッとアイロンがけされた洋服は、気持ちもシャキッとさせる。シャツの襟や、パンツの裾など、案外他人は見ているもの。面倒だと思っているアイロンがけも、きれいに仕上げることを喜びに変えれば、やりがいのあるものになってくるだろう。
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