せっかくだから本物の軍用車に乗ってみないか?|1986 AM GENERAL HMMWV(M-1097R1)

今回紹介するのは、AMジェネラルがアメリカ軍に納入した高機動多用途装輪車両(High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle)。頭文字HMMWVから「ハンヴィー」の愛称で呼ばれるハマーH1の原型となった軍用車両だ。

1986 AM GENERAL HMMWV(M-1097R1)

ハマーH1の輸入販売を数多く手がけているスカイオートが独自のコネクションで日本に輸入した個体で、日本では非常に珍しい一台と言っていいだろう。元来が軍用車ということもあって、不明点も多いが、車両に備わるプレートから判明していることを調べてみたところ、このクルマは’86年製造の一般的なHMMWVを、’09年に軍内の再資本化プログラムによってフレームオフしてオーバーホールした車両で、M-1097R1という大型兵器などの輸送車として生まれ変わった個体。さらにリパワープログラムによって6.5リッターのディーゼルエンジンに交換されていることも判明している。

ちなみに足回りやエンジン周りの消耗品は市販バージョンのハマーH1と同じものとなっているそうで、これまで数多くのハマーを整備してきたスカイオートなら、メンテナンスやパーツ供給に困ることはないそうだ。アメリカでは軍用車も耐用年数を超えると民間に払い下げられるが、日本に輸出するのは膨大なノウハウと書類が必要となるそう。せっかくなら本物に乗ってみたいという人にオススメの一台だ。

一番手前はサイドブレーキレバーで、その奥がトランスファーレバー、一番奥がATのセレクターレバー。市販車と異なり、飾りっ気は全くない。

車体は巨大だが、M-1097R1の中央は板張りとなっており、セカンドシートは左右に1脚ずつとなるため、乗車定員はたった4名となる。

「武骨」という言葉を絵に描いたようなゴツいデザインのホイールに、37×12.5R16.5という特殊サイズのタイヤを装着。

ピックアップ形状の車体なので、荷台が備わるのが特徴。キャビンとの間のキャンバストップをめくれば長尺物の兵器も搭載できる構造となっている。

エンジンは’09年の軍内での改修プログラムによって、新しい6.5リッターのディーゼルエンジンが換装されている。

足回りを覗くと車体下部になぜか斧やハンマーなどが隠されている。万が一の故障の際に鹵獲(ろかく)対策で車体を壊すため?

ハマーH1とは異なり飾り気のないダッシュ。イグニッションキーもなくスイッチで始動する。

AM GENERALはジープシリーズと同じAMCから派生したブランドとなるため、フロントグリルはジープのアイコンである7スロットとなるのが大きな特徴。

Specification:

全長:4788mm
全幅:2184mm
全高:1829mm
ホイールベース:3302mm
エンジン:水冷V型8気筒
排気量:6478cc
燃料供給方式:インジェクション
駆動方式:4輪駆動
乗車定員:4名
車両価格:760万円(税込)

スカイオート
埼玉県越谷市南荻島708-1
TEL048-976-1235
10時〜20時(休前日は18時半まで)
第2、第4、第5火曜、水曜休
https://www.skyauto.co.jp

(出典/「Lightning 2025年5月号 Vol.373」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

Pick Up おすすめ記事

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...