使用期間20年以上のベルトが見せる経年変化とは。
もはや発売から20年以上経過したベルトであればそれだけでヴィンテージと言っても言い過ぎではないけれど、さすがブランド設立30年以上。なかには創業当初からのユーザーの方もいる。
原宿にあるショップには数多くのベルトが並び、その中には実際にユーザーが育て、経年変化したエイジングサンプルも展示されているけれど、さらにその一角にはオーナーの堀内さんいわく「成仏コーナー」が存在する。
ここには、もはやベルトとしてはその役目を全うした、リペアもできないほどに使い倒されたサンプルが並んでいる。つまりヴィンテージワークスのヴィンテージってわけだ。オーナーの堀内さんに聞けば、
「長年使ってこられた方がいよいよ使えなくなって新品を購入してくれて、それまで使っていたベルトを置いていってくれたんですよ。どれもノーメンテでほぼ毎日着用されていたものが多く、もはや経年変化を通り越してしまっているので成仏させてあげるべく、経年変化見本というよりは年代モノとして展示しています」とのこと。
実際の成仏ベルトはほとんどメンテされることがなく、20年以上着用し続けられたモノばかりだという。定期的にメンテをしていれば(ブランド的には半年に一度はオイルアップして保湿をすることを推奨している)もしかしたらもう少し長く使えたのかもしれないけれど、それでも毎日ノーメンテの使用でも20年以上使えるのだから、もはや一生モノといえるクオリティを体現している。
その雰囲気はかなりのものだけど、もはやベルトとしてはリペアができないほどのダメージがあるのが残念。でもメンテをしっかりしていれば、美しい経年変化を楽しみながら長年使い続けることができるってことが同時にわかるのであった。
一般的には20年以上も同じベルトを愛用することなんてほとんどない。それでも毎日のように使いたくなるヴィンテージワークスの「凄さ」を成仏したベルトたちが教えてくれている。
使い込まれて天命を全うしたベルトたちがけっこうカッコいいから参るよね。
本来はリペアもできないほど使い込まれたベルトたちだけど、その雰囲気はヴィンテージベルトそのもの。たまにメンテをしてあげれば20年近く使用することもできるという実例からも、ヴィンテージワークスのクオリティのすごさがわかる。
まるでクラッシュしたヴィンテージジーンズにも似た重厚な雰囲気がすばらしい。できれば使用できるギリギリのところでこの雰囲気をキープしたいところだけれど、まずはここまで使った情熱に脱帽である。
ただ使用する環境などでも経年変化の表情や耐用年数は変わるので、あくまでも参考程度にしていただきたい。
1998 DH5536
1998年製のDH5536と推測される26年モノ。元々はブラックだったがノーメンテによる使用によって革の銀面が剥がれ落ちてこの表情に。オイルが足りていないのでレザー表面にクラック(ひび割れ)のような経年変化が。この表情でギリギリまで使用に耐えていたという。
1993 DH5536
シリアルナンバーから1993年と創業間もないころに旅立っていったDH5536の30年モノ。もはやピンを通す穴が破れてしまい、レザーの銀面も剥がれ落ちてしまっているのでリペア不可能になってしまった。もともとはのカラーは濃いブラウンだった。
Early 2000s DH5669
ダブルピンタイプのDH5669は推定2000年くらいに製造されたモノ。約四半世紀の使用でこれも銀面が剥がれ落ち、ところどころにひび割れが。これは乾燥によるもので、たまにはオイルアップしてあげればここまで劣化はしないというが、雰囲気は抜群にカッコいい。
【DATA】
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