【私的名品-L.L.Bean】90年代から変わらず持ち続ける30年もの。

今も昔も変わらず、私のワードローブに欠かせないアイテム。それがL.L.Beanのボートアンドトート。その由来や名品たる所以は、もはや言わずもがなだが、私とL.L.Beanというブランドとの出会いはいつだっただろうか? それは思い起こせば90年代。私が高校生だった頃だ。

MJに熱狂した中学時代。忘れられないL.L.Beanのバックパック。

当時の私はバスケットボールアメリカ代表、通称「ドリームチーム」のバルセロナオリンピックでの活躍と、スラムダンクの最新号に目を輝かしていたバスケ少年。万年補欠ではあったものの、バッシュだけはジョーダンⅦのオリンピックモデルを着用(もちろん1年生のころは部活指定のアシックスなので、2年から)するなど、今も昔も思いっきり格好から入るタイプの人間だ。

覚えている限り、自らのお金で積極的に選んで購入した通学用のシューズは、ナイキのコルテッツ。グレースウェードのパンチングレザーにパープルのスウッシュの通学シューズを、千葉県北部出身にとっての一番近い東京「上野」にて購入したことを覚えている。

今はなき「山男フットギア」といえば、上野アメ横のスニーカー専門店。90年代の中学生にとって「店員さん」と言えば、多くは怖い存在だったため、恐る恐る店員さんと話しながら買った初めてのレザー製スニーカーだ。何かのきっかけでアッパーが破れたが、それでも大事に履いたっけ。

そんな中学生時代を過ごしていた私の世代の多くは、アメリカのブランドやアメリカ製というものに特別なものを感じてしまう。もちろん、『Boon』をはじめとした雑誌が古着ブーム、アメリカブランドブームを牽引したのと同時に、他の雑誌がモード旋風を巻き起こしたり、音楽ムーブメントからB-BOYが発生したり、ストリート系や裏原系……といった具合に、この時代に青春時代を過ごした男性は受けたファッションムーブメントの幅が広い。

さまざまなファッションスタイルに翻弄された青春時代ではあるものの、私が中学生当時から今も(つまり30年あまり)所有しているものといえば、前述のジョーダンⅦとL.L.Beanのバックパック。ん? 冒頭の写真はトートバッグだったけど? そう、バックパック。今も続くデザインで、L.L.ビーンのナイロン製バックパックと言えば、あれですよ。

話の主役はボートアンドトートじゃない!

中学生の頃に買ってもらった当時は私には少し大きかったL.L.Beanのナイロン製バックパック。高校生になってからは部活や修学旅行、大学生になってからもちょっとした旅行などで使っていた気がする。中に隠れたタグには、残念ながら「Made in U.S.A.」の表記ではなく、「Made  in Korea」とある。

また、「DELUXE BOOK PACK」との記されていること、名前や住所、電話番号を書き加えられるようになっていることから、私自身がそうであったように、学生の通学用を想定したと思われる。斜めに配置されたリフレクターは夜道のティーンエイジャーの多くを無用な事故から救ってくれたはずだ。

ナイロンの裏面の劣化が激しかったためさすがにもう何年も使っていなかったのだが、実家の押し入れから引っ張り出してから早数年、同僚に教えてもらった洗剤で剥がれたナイロン裏地と嫌な臭いを除去することに成功し、実は今夏からまた使い始めたいと思っている。

大きく分けて大中小の3つの荷室を備えていて、大荷室は着替えやPCなど、中荷室はペンホルダーやジップポケットなども内蔵するため筆記具やデジタルガジェットなどの小物から書類などまで入れ分けるのにぴったり。小荷室はすぐに取り出したい財布や鍵など。様々なシーンで使える容量と飽きのこないデザインの普遍性は、現在でも同じデザインのバックパックがリリースされていることから明らか。

便利さを身をもって知っているという理由のほか、懐かしさもあり、小学生の息子にも同じデザインのバックパックを買い与えた。祖父祖母の家にお泊まりに行く時などに、着替えとたっくさんのオモチャや本を詰め込んでくれている。

もちろんこちらも10年選手! 言わずもがなの名品。

なお、もちろん冒頭の写真のトートバッグも長年愛用する私物だ。S、M、L、さらにXLサイズまで、私のライフスタイルには欠かせないアイテムだ。

使い続けるたびに劣化し、写真のようにボロボロになってなお、荷物を運ぶという用途を損なわず、哀愁を帯びる様子は、「Good-Aging」と呼ぶにふさわしい。相変わらずお手頃な価格、そしていつ店頭を見ても販売しているという事実、そしてアメリカ製を貫き通す姿勢は、もはや尊敬すべき対象だ。

超実用のサイドポケットは80年代の登山用から派生。

最後に、このところずっと使い続けているナイロン製バックパック。サイドの縦長の荷室が、ペットボトルや折り畳み傘などをぴったりと収納するためとても重宝している。

おそらく登山用の道具を収納するために開発されたポケット形状で、80年代のL.L.Beanのナイロン製バッグではよく見かける「JS」と表記されたファスナーを付属する。これは「JANSPORT」がOEM生産していたことを推察させる。ビンテージのナイロンバックパックは、ナイロンの劣化によって嫌な臭いがすることも多いが、最近はあの臭いを綺麗に除去できる洗剤もあるので、ぜひ挑戦してみてほしい。

マイファーストL.L.Beanは、誰がなんと言おうと名品。

思い出のバックパックはアメリカ製でもなければ、ナイロンの劣化も避けられない。次に紹介したボートアンドトートほど特別なバリューはないのかもしれない。でも、誰がなんと言おうと私にとってのファーストL.L.Beanは「DELUXE BOOK PACK」。購入から30年余り、使わなくなってから20年余りの時を経て、今また活躍の時を迎えている。

この記事を書いた人
おすぎ村
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おすぎ村

ブランドディレクター

『2nd』のECサイト「CLUB-2nd」にて商品企画・開発を担当。貴重なヴィンテージをサンプリングした人気ブランドへの別注などを世に送り出している。2nd、Lightningの元編集長にして現在は2ndのブランドディレクター
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