サヴィル・ロウのビスポーク靴店に潜入!

  • 2024.06.26

サヴィル・ロウと言えば、背広の語源となったという説があるほど老舗のテーラーが軒を並べる通りとして、日本でもその名は知られている。そのテーラー街の中ほどに、オーダーメイド靴専門店がある。専門店といっても、売るだけではない。ここで全てが完結するファクトリーストアなのだ。

憧れの地でビスポークまずは靴から。

ロンドンに暮らす男性にとって、サヴィル・ロウのビスポークテーラーでスーツを仕立てることは憧れ。日本で言うところの「いつかはクラウン」のようなものだ。

およそ270メートルの一本道、サヴィル・ロウには多くのビスポークテーラーが軒を連ねる。その歴史は古く、現存する最古のテーラーは1800年代の中頃。やはり英国の歴史は長い。

サヴィル・ロウに限らず、ロンドンのテーラーの多くは地上階が顧客を招き入れるスペースで、地下が仕立ての工房というのがスタンダード。ここで紹介するビスポークシューメーカーArthur Sleepも同様のスタイル。店の前の路上から、クラフトマンが働く姿が覗ける。

常時稼働しているクラフトマンが複数いるので、信じられないスピードで靴が完成していく。ベテラン揃いなので仕上がりも安心

こちらの店、一番の人気は刺繍入りのスリッパーズ。ベルベットローファーは刺繍バリエーションも豊富だ。最近の新作はチャッカブーツで、カジュアルな装いに最適なアクティブデザインが大好評。よほどの繁忙期でなければオーダーしてから1〜2日で完成するスピード感は、「その場で作る」からこそ。短期旅行者でも、持って帰ることができるのは嬉しい。「いつかはサヴィル・ロウでビスポークを……」の夢、スーツよりハードルは高くない。

Arthur Sleepの定番人気はベルベットのスリッパーズ&ローファー。伝統的なものから洒落の利いたものまで刺繍が可能。ビスポークでおよそ£1000前後のプライスゾーン
スウェードのチャッカタイプ、その名もThe Diego Boot。ラバーソールを備えたスニーカー感覚の快適さ。アッパーの表裏にレザーを使っているので、革は2種類を選ぶ。価格は£1000
ビスポークテーラーのような敷居の高さが感じられないのは、気さくなスタッフたちのおかげ。どうしても悩んでしまいがちだが、いろいろ相談に乗ってくれるので安心
地下にある素材庫には様々な種類のレザーがストックされている。実際に使う革をじっくり吟味できるのはありがたい
シューズの内底に刻印するための金型がいろいろ。こうした刻印作業も手作業で行われているマニュファクチュアリング仕様

【DATA】
Arthur Sleep
No. 7-8 Savile Row London ,United Kingdom
Tel.+44(0) 208 123 6619
https://arthursleep.com/

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2024年5月号 Vol.95」)

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