いまや若者だけでなく大人世代もメイクに興味を持つ人が増えている。清潔感や好感度をより高めるツールとしてもはや無視できないメンズメイクの基本から、最先端の韓国風までを見ていこう。
1.高校生&大学生向け! ナチュラルに気になる部分はカバーする基本のメイク
20歳前後の若い世代は、肌にハリも明るさもあるので、悩みはほぼナシ。ただ、目の下のクマや青ヒゲは老けて見えるので、しっかりカバーするのがポイント。全部隠そうとすると化粧している感が出てしまうので、ヒゲなどちょっと隠しきれてないかな、ぐらいがちょうどいい。
また1分程度でOKなので化粧水のコットンでパックしたり、高保湿リップを塗っておくだけで肌が応えてくれる。隠しすぎない引き算メイクで素質を引き出していく。
【気になる部分】
✓眉頭が薄いせいで間延びした印象。
眉で印象は大きく変わるのは周知の事実。センターパートスタイルなら、眉頭の印象で顔の引き締まり方が変わる。
✓目の下のクマは疲れて見える原因。
若い世代に多いのが青クマ。この世代の魅力であるフレッシュ感が台無しになるので絶対にカバーしたい。
✓肌の凹凸が目立つとイケメン度が下がる。
ハリはあるものの、軽度の毛穴の開きやニキビなどがあるのも若者の特徴。ほうっておくより、メイクしたほうが“映え”る。
✓青々としてしまうヒゲは男臭くなるので注意。
大人世代ほどヤバくはないが、だからこそ、青々としているのはNG。隠しすぎると不自然になるので、ほどほどに。
✓カサカサ唇は絶対NG! マイナスイメージしかない。
カサカサの唇は悲しいほどモテない。でも、保湿すればすぐに復活するのがこの世代のいいところ。
【メイクのポイント】
【ポイント①】足りない部分のみを描き足す。
毛が薄い部分のみアイブロウで描き足す。眉頭は描きすぎると不自然になるので注意。スクリューブラシで輪郭をぼかすと自然に。
【ポイント②】コンシーラーでアラを隠す。
クマやヒゲはコンシーラーで隠す。肌に合う色がないときは、2色混ぜて調整する。目のキワまで塗ると不自然になるので注意。
【ポイント③】気持ち程度のシェーディング。
シェーディングは入れすぎると化粧してる感が出てしまうので、あくまで気持ち程度。鼻の横にスッと入れるだけでOK。
【ポイント④】BBクリームで凹凸を飛ばす。
色つきのBBクリームを気になる部分のみ塗布する。自然に仕上がるし、外側と陰影がついてハイライト効果も生まれるのでおススメ。
【ポイント⑤】最初に保湿してプルプルに。
基礎化粧後、高保湿リップを塗布。メイク中パック状態なのでぷるんとした唇に。外出前は普通のリップで軽くツヤを出す。
さあ、さっそくやってみよう!
1.保湿してベースを整える。
化粧水をコットンに含んで塗布。化粧水は国産メーカーの敏感肌用を使用すると、だいたい誰にでも合うのでおススメ。
1分程コットンパック。はがす前に手で扇いでクールダウンさせて毛穴を引き締まる。
乳液を塗布。額ははずして、ほおを中心に、つけすぎると汗をかいたときにヨレてしまうので注意。
ティッシュオフしてテカリを防ぐ。
高保湿リップを綿棒で塗布。メイクしている間にパック効果を発揮して、縦ジワを目立たなくしてくれるからだ。
2.コンシーラーでアラを隠す。
コンシーラー2色を混ぜて肌に合う色を作ったら、目の下のクマがある部分に指先でポンポンと塗布する。
スポンジでなじませると自然に仕上がる。
ヒゲが青く見える部分と口角に塗布。指でたたき込むようにするといい。全部隠さなくてもいいので厚塗りしないように。
【使ったのはコレ】
「フィットミー コンシーラー」20と35。
3.BBクリームで毛穴をカバー。
小鼻からほおに塗布。コンシーラーやファンでは重すぎるので色つきBBクリームで。最後にスポンジでなじませる。
アゴはスポンジで。グラデーションになってなじむ。
【使ったのはコレ】
「ウーノ フェイスカラークリエイター」。
4.眉を描き足す。
眉頭と眉尻が薄いところに、グレーのアイブロウで描き足す。
スクリューブラシでしっかりなじませる。特に眉頭は描いた感があると違和感が出るのでていねいになじませる。
【使ったのはコレ】
「ファイブイズム バイ スリー アイブロウスティック」
5.軽くシェーディングする。
眉頭から鼻の付け根にシェーディングを入れる。サッと1回ブラシを滑らせるだけでOK。
【使ったのはコレ】
「トップショップ メイクアップ ブロンザー」
6.リップを塗る。
軽くリップクリームを指で塗布。中央をメインに軽くポンポンと付けるイメージ。
最初に塗った高保湿リップのままだとグロスぐらいツヤが出てしまうので、必ずティッシュオフ!
【使ったのはコレ】
「ザ パブリック オーガニック スーパーリフレッシュ 精油リップスティック」。
2.大人世代はアラを隠して、精悍な顔立ちに演出! 冠婚葬祭や撮影などここぞという時のおすすめメイク
大人世代は毛穴の開きやくすみ、乾燥などが悩み。むくみも気になる年齢なので、フェイスローラーやシェーディングもすると、より精悍な顔立ちに。むくみやシミをカバーし、血行を少しだけ上げるメイクをすると仕事ができる男に見せられる。キリッと引き締めて血行よく見せるのがポイントだ。
【気になる部分】
✓薄い目尻が頼りない印象に。
アップバングにする人が多いこの世代。眉が薄いと顔が締まらない。毛が薄いところは描き足して精悍さを取り戻そう。
✓大人世代のクマは疲れよりも不健康に見える。
たるみや色素沈着もあって、すっぴんだと不健康そうに見えるお年ごろ。せめてクマの色だけでもカバーしよう。
✓増殖する一方のシミは老いを感じさせる原因。
知らぬ間に増えたシミ。全部隠す必要はないけど、目立つものはコンシーラーでカバーするだけでマイナス5歳肌に。
✓青ヒゲが目立つと清潔感がなくなる。
清潔感が命の大人世代の天敵が、剃っても剃っても目立つ青ヒゲ。これは絶対カバーしたい。
✓血色も潤いもない唇は生命力を感じさせない。
肌のくすみが気になってくるお年ごろ。せめて唇の血色だけでもプラスして生命力を感じさせよう。
【メイクのポイント】
【ポイント①】眉尻を描き足して凛々しさをプラス。
メンズのアイブロウはグレーがマスト! 眉尻は描きすぎても失敗しにくいので、薄いところはしっかり描き足す。
【ポイント②】クマもシミもアラはすべて隠す。
クマとヒゲはオレンジのコンシーラーがおススメ。シミは肌に近い色味のコンシーラーで一つひとつ隠す。
【ポイント③】下地でトーン、ファンデーションで肌質アップ。
全体的にトーンアップさせたいので、色つきのBBクリームを下地として使用。ファンでは部分的に使うのがコツ。
【ポイント④】シェーディングで精悍な顔立ちに。
たるみ始めた輪郭は、シェーディングが効果的。エラのラインのほか、ほお骨にも入れるとシャープな印象になる。
【ポイント⑤】血色リップでほんのり色づける。
メンズはリップ以外で血色をプラスするところがないので、ほんのり色づく程度に入れることでメリハリが出る。
さあ、さっそくやってみよう!
1.保湿ついでにむくみを取る。
化粧水をコットンに含ませて塗布。
化粧水を浸透させている間にフェイスローラーでむくみを取る。
乳液は手で塗布する。
【使ったのはコレ】
右:「リファ ラインリフト」。中:「SHISEIDOメン ハイドレーティング ローション」。左:「イーラル オム プライム フェイスエマルジョン」
2.下地でトーンアップ。
色つきのBBクリームを下地として塗布。肌の色と凹凸が補正できる。首との境目も塗ってなじませるのがポイント。
【使ったのはコレ】
「SHISEIDOメン ヴァイブラント BBモイスチャライザー」
3.クマとヒゲを隠す。
BBクリームにオレンジのコンシーラーを混ぜてヒゲ部分に塗布する。あごのヒゲ部分も同様に塗布する。
目の下のクマは、ヒゲ部分よりもBBクリームを多めに混ぜて塗布する。
塗布した箇所全体をブラシでなじませる。
【使ったのはコレ】
右:「SHISEIDOメン ヴァイブラント BBモイスチャライザー」。左:「クリニーク イーブン ベター コンシーラー」のピーチブライトナー。
4.シミや肌荒れを隠す。
目頭、目尻、小鼻、口まわりと、シミとヒゲの目立つ部分だけコンシーラーを筆に取って塗布。ブラシでなじませる。
【使ったのはコレ】
「ファイブイズム バイ スリー コンシール バー」03.5
5.額とほおにファンデを塗る。
ファンデーションを指にとって額とほおを中心にポンポンと塗布する。ヒゲはたたき込むように塗布。
ブラシで外側へのばす。首や耳にのばす。
【使ったのはコレ】
「ファイブイズム バイ スリー ネイキッドコンプレクション バー」09
6.ルースパウダーをのせる。
マットにしたいのでルースパウダーを塗布。大きなブラシで中心から外へ。首と耳にも塗布する。厚塗りは厳禁。
【使ったのはコレ】
「イニスフリー ノーセバム ミネラルパウダー」
7.眉を描く。
眉のアンダーラインを直線でしっかり描いたら、毛が薄いところを埋めるように描き足していく。
スクリューブラシでしっかりぼかしてなじませる。
【使ったのはコレ】
「オルビス ミスター ビアード&アイブロー ペンシル」ブレイブグレー
8.シェーディング。
肌より少し濃い色をブラシに取ってエラのラインに沿って塗布。これもやりすぎないように気をつける。
【使ったのはコレ】
「ルナソル カラーリングソフトチークス」
9.リップを塗る。
全体にほんのりピンクに色づくリップを塗布。欲しいのは血色だけなので、ティッシュオフしてツヤは消す。
【使ったのはコレ】
「SHISEIDOメン モイスチャライジング リップ クリエイター TINT」
3.メンズメイクの最先端はやっぱり韓国。ナチュラル系とクール&ドレッシー系メイクの2タイプをレクチャー!
メンズメイクのお手本といえば韓国風メイク。ふだん着にもなじみやすいナチュラル系メイクと、ステージでも映えるクール&ドレッシー系メイク。まずはこの2パターンを押さえればメンズメイクの今が見えてくる。ヘアとメイクのバランスも参考にしてほしい。
韓国風メイクで最も重要なのは美肌と立体感。保湿は大切だが、ツヤは女性よりも控えめに。シェーディングで陰影をつけてシャープで引き締まった顔立ちを目指そう。
まずはベースメイクから。
ナチュラル系にもドレッシー系にも通じるベースメイク。美肌と立体感を生み出すためにもこのテクニックはしっかりマスターしておきたいところ。
使用したアイテムはこちら!
A:化粧水・乳液/無印良品 B:グロウオンベース ハイドラ/エチュード C:プロポリスアンプルインクッション/CNP D:ミネラライジング ポア コンシーラー(1.5)/ザ セム E:センムル パーフェクト ポア パクト/ザ セム F:ブロウ コントゥアリングキット/エチュードハウス G:プレイ カラーアイパレット ベストラブ/エチュードハウス H:センムル シングルシャドウ(BR12)/ザ セム I:ルックアット マイアイズ(RD308)/エチュードハウス J:モダンシャドウイタルプリズ ム(#6 ローズコサージュ)/ミシャ K:センムル シングルシャドウ(WH01)/ザ セム L:アートクラス バイロダン(シェーディング&ハイライター)/トゥークールフォースクール M:イドゥラ ビューティリップバーム/シャネル N:ベルベットリップティント(DAFFODIL)/3CE O:デアルージュ シアー(No.9)/ミシャ P:リキッドライナー(ブラック)/ラブ・ライナー
1.化粧水と乳液で肌を整える。
化粧水Aをたっぷりコットンに取り、顔全体になじませて潤す。乳液Aは手のひらで下から上へやさしくリフトアップするように付ける。
2.化粧下地を薄く付ける。
ジェル状の化粧下地Bを薄く均一に付ける。肌にツヤを出し、ファンデーションの仕上がりともちを向上させる。
3.クッションファンデでカバーする。
クッションファンデCをスポンジに取り、広い部分から毛穴を埋めるようにのせていく。カバー力が高いが素肌感の出せるファンデがおススメ。
4.細部までていねいに塗る。
目のまわりや小鼻など、細かいところもていねいに。メンズは前髪を上げることが多いので、生え際の中までしっかりファンデをオン。
5.ニキビ跡や赤みをカバー。
ニキビ跡や赤みのある部分など、必要なところだけにコンシーラーDを少量のせ、指で軽く叩いてなじませる。
6.おでこや鼻まわりのテカリを抑える。
ファンデーションだけだとツヤが出すぎるので、最後に粒子の小さいルースパウダーEを。おでこや鼻まわりなどのテカリが気になる部分にのせる。
韓国風ナチュラル系メイクのやり方
1.アイブロウで眉を整える。
濃い目のブラウン系のアイブロウパウダーFをブラシに取り眉の輪郭を描く。眉頭の幅、眉尻、眉山の幅を決めてから、中を塗りつぶすようにする。
2.ブラシで輪郭をぼかす。
眉の輪郭をブラシでなぞって少しぼかす。眉頭も濃すぎると違和感があるので、パフで軽く叩いてなじませる。
3.アイカラーをのせる。
ブラウン系のアイカラーG・Hを二重幅にのせる。さらにピンク系ブラウンIをアイホールの半分程度まで広げてのせる。
4.アイシャドウを薄くかぶせる。
3で塗ったアイシャドウの上から白のアイシャドウKを薄くかぶせる。色の強さをやわらげ、メンズにもなじみやすくなる。
5.目尻に赤みをのせる。
下まぶたの目尻側1/3に、ピンクブラウンIをのせる。ラインを太くしすぎず、涙袋の半分以下に。赤みをのせることで色気を出せる。
6.シェーディングパウダーをオン。
シェーディングパウダーLを太めのブラシに取り、眉頭から小鼻の上まで縦に入れ、影をつけて鼻筋を強調。あごラインにものせて輪郭をシャープに見せる。
7.リップを重ね付け。
唇に保湿用リップMをなじませてからヌーディカラーのリップNを重ねる。輪郭に沿って自然にぼかしながら塗る。
韓国風クール&ドレッシー系メイクのやり方
1.アイブロウで眉を整える。
濃いブラウン系のアイブロウパウダーFで眉を描く。形はナチュラル系と同様だが、やや濃い目にする。
2.アイシャドウをのせる。
ブラウン系のアイシャドウHを二重幅にのせ、さらにラメ入りのローズブラウンJを重ねて、アイホールの下半分まで広げる。
3.目の輪郭を強調する。
下まぶたの目尻の外側~黒目の内側までローズブラウンのアイシャドウJをのせる。目の輪郭が強調されて目力がアップする。
4.アイライナーを引く。
黒のアイライナーPをまつ毛の上から塗る。まぶたを軽く持ち上げて粘膜側からもペンを入れてまつ毛の中のすき間を埋める。目尻は2mmほど長く描く。
5.シェーディングを入れる。
シェーディングパウダーLを鼻筋の横、目頭のくぼみ、眉下に入れて引き締め、立体感を強調。耳下~あごラインにも入れて、横顔も引き締まった印象に。
6.ハイライトで立体感を。
ハイライトパウダーLを鼻筋と、あご中央のふくらんだ部分にのせる。高さを感じさせたいところにのせて、立体感をさらに出す。
7.リップを重ね付け。
保湿リップMを塗ってから、ピーチ系のリップカラーOを唇の形に沿って塗る。ツヤはあってもくすんだペール系の色味を選ぶと女性っぽくなるのを防げる。
◆
今回紹介したのは実際にヘアメイクや撮影などを行っているプロの技。自分でメイクするには慣れが必要だけれど、せっかくなら最高にかっこよくなれるプロ仕込みのメイク術でトライしよう!
※スタイルの担当者のサロンは取材時の所属です。
(出典:「Men’s PREPPY 2021年7月号」)
Photo:Toshimitsu Koda、Shota Sotodate、kazuki Sano
関連する記事
-
- 2024.01.25
顔の印象を左右するのは眉! 初心者のための眉メイク法
-
- 2024.01.20
メンズメイクの第一歩はコレ! BBクリームをモノにする。