ジーンズ誕生よりずっと昔、エジプトやメソポタミア文明の時代から インディゴブルーは人々を魅了していた。

インディゴとは藍染めの染料で美しいブルーが特徴。エジプト文明、メソポタミア文明など古代文明でもすでに使用されていたことが確認されている。日本でも、遣唐使の時代に大陸から蓼藍による染色が伝わったようだが、他の種類の藍染めは、それ以前から存在していた。

アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカと世界中で発展していったインディゴは、最古の染料の1つと言ってもいい。

ワークウエアに欠かせない、インディゴ。

20世紀に入ってアメリカでインディゴの需要を一気に高めることになったのがジーンズだ。現代人にとってもっとも身近なインディゴアイテムと言えるだろう。

インディゴと藍がイコールだとして考えると、日米で意外な共通点が見つかる

デニムジーンズは鉱山の労働者のために考案されたワークウエアである。

日本では、藍染めといえば、半纏(はんてん)、もんペなどの作業衣料などが多い。つまりワークウエアとしての需要は大きかった。

日本で農作業に藍染め衣料が多かった理由はいくつかある。

まずひとつに、江戸時代には庶民は絹を着ることを禁じられたので、主流は木綿の衣料。しかし木綿を染められる染料が藍以外にはほとんどなかった。

さらに、藍には防虫効果があり、農作業には適していた。

日本から多くの移民が移り住んだハワイ固有のワークウエアであるパラカは、インディゴ染めの糸を使って、アメリカのワークウエアのような形の作業着を作ったもの。サトウキビの硬い茎や葉から身体を守る農作業従事者が着用した。日本のかすりのような柄は、まさに日系移民たちのテキスタイルだったと言われている。

フランスでも伝統的な木綿や麻の作業着はインディゴで染められていた。

古今東西、ワークウエアとインディゴには密接な関係があったのだ。

インディゴの美しいブルーは、芸術の世界でも多用された。

また、糸を染め、生地を染めるだけでなく、さらには羊毛や動物の革を染め、世界中のファッション業界では常に人気の染料となっている。いずれも、昔からあった染色だが、毎年、新鮮なアイテムが多数作られている。

とても身近で、しかも謎の多い色がインディゴブルー。

人々を魅了する色である。

そんなインディゴの魅力を一層高めるのが、CLUTCH Magazine11月号vol.93。特集は「INDIGO MAGIC 世界は藍とともに」。藍を愛するすべての人へ。

表紙はインディゴアイテムの品揃えが充実するセレクトショップ、新宿のジャンキースペシャル・マネージャーの西”カルロス”徹さん。インディゴ染めの糸から作ったハワイアンパラカのセットアップで身を固めた。購入は
https://club-lightning.com/collections/clutch-magazine-back-number/products/clutch_202311_vol93
から

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松島親方
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松島親方

買い物番長

『Lightning』,『2nd』,『CLUTCH Magazine』男性スタイル&カルチャー誌の統括編集長。ロンドンのセレクトショップ「CLUTCH CAFE」のプロデューサーも務める。 物欲を満たすためには海をも越え、全地球規模で買い物を楽しんでいる。
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