トラックテックの装着で走行時フルブレーキの性能も向上する
一般的なバイクは『フロント7:リア3』という配分で正しいブレーキ動作が行われるのだが、そのメカニズムを順を追って簡単に説明すると「まず急制動時に車体重量の多くがフロントタイヤに掛かりはじめ→タイヤが潰れて適正量の接地面積に達し→フォークが路面の凹凸に追従しながら沈み始める」という動きとなるのだが、こうしたことからも「サスの性能」が「ブレーキング」に大きく関わっていることがお分かりになるだろう。
ここではその一連の動きを「人が何かにつまずき、転んだ時の動き」を例にして左図によって解説しているのだが、「バイクの制動」において「サスの動き」がいかに重要かが、きっと理解できるハズ。これはすべてのライダーに知っていただきたいポイントだ。


①走っている人が何かにつまずく
乗り手がブレーキを握り、キャリパーに油圧がかかり、ブレーキが効きはじめる
②慌てて手を出し、地面を手のひらでとらえる
回転しているタイヤのトレッド面に重心が集まり、タイヤの接地面が潰れ、路面をとらえる
※重要ポイント フォークの沈み込みより先に路面をタイヤがとらえるということ


①手のひらが地面をとらえるのと同時に肘をバネのように曲げ、衝撃を緩和させる
タイヤが制動抵抗を受け、フォークが沈み込み始める
②手のひらがスリップしても地面を捕らえて離さず肘のバネを効かせる
タイヤとフォークが路面の凹凸に合わせつつ摺動する
※重要ポイント フォークは制動中も微妙に路面に追従すべくストロークしている


①転倒から手のひらの接地で弱まった慣性を感じ、顔を地面に叩きつけないよう胸から着地
速度が弱まり、目的の停止位置に達してブレーキレバーを緩める
②完全に止まったことを感じて、肘を伸ばして体を起こす
タイヤの回転が完全に止まり、フォークが緩やかに伸び始める
始まりは1999年、米国AMAフラットトラックで研究開発を重ねたトラックテックの歴史
これまでさまざまなパーツに対して文字どおり『研究開発(R&D)』を重ね、リリースしてきたサンダンスだが、トラックテックにしても然り。理想のフォーク、その動きを実現すべくロードレースのみならず1999年に米国のAMAフラットトラック883クラスにシーズンで参戦し、データを収集。当時の経験が現在に生かされているという。
ちなみにその起点は『XL1200S用フォークチューニングサービス』で、メニュー内容はというと強化スプリングを組み込み、ダンパーチューブ加工やオリジナルブレンドのオイルの注入および油面調整を行うものなのだが、それを自社のマシンだけでなく、米国FT883プロシリーズに参戦するウィリー・マッコイ選手にも供給。結果、1999年から2年連続で王座に輝いている。そうした実践による技術の証明は実にサンダンスらしい。

2008年よりトラックテックをブランド化し、オリジナルのフォークスプリングを販売開始。現在はΦ49がラインナップに加わり、オイルの種類も増加しているのはご存じの通り。

90年代の終わりごろからフォーク・チューンナップサービスをメニュー化し、XL1200S強化スプリングキットをリリース。これがトラックテックの起点だろう。

1999年からAMAプロ883ダートで2連覇を果たしたウィリー・マッコイ選手にフォークチューンやマフラーを供給。その際の経験がトラックテックに息づく。

1999年、AMA883ダートにシーズンを通して参戦したサンダンス。ZAK柴崎が求める「スキーヤーのような強靭な脚」、その開発の場として確かに最高の舞台だ。
バイクの走りを司るディメンションをオフセット ・ トリプルで正しく補正する
バイクを正しく走らせる要素に「車体のディメンション」があるが、残念ながらハーレーのソレはサスの動きと同様に「正しき数値」から逸脱しているのが現実だろう。広大な大陸での直進安定性を求めた結果、深く寝たキャスター角と過大すぎるトレール量など、そのアンバランスさが原因であることは言うまでもないが、サンダンスではそれを補正するトリプルヨーク(三ツ又)もラインアップ。ハーレーといえども「真っ当なバイク」として正しく走りを追求する姿勢はさすがである。
ちなみに乗り手の好みやリアサス長、フォークの長さを含めた車体のディメンションに応じて4種類のオフセット量でトリプルを用意する同店だが、これは「機械を機械として正しく捉える」サンダンスの哲学の具現化に他ならない。無論、バイクとして適切なトレール量である110㎜前後を確保すべく、ユーザーごとに適切に対応しているという。正しく安全な数値で安心の走りを提供する点もまさにT-SPECの真骨頂である。
Traktek Φ39㎜用トリプルヨーク

フォークとネックシャフトのオフセット量を適正化し、信頼感のあるハンドリングを実現するサンダンス定番パーツ。オフセット量は50、45、40、35㎜の4種類を用意し、あらゆるユーザーの用途に対応する。
TraktekΦ39㎜用トリプルヨーク

Φ39用と同様にH-Dで起こりやすい「ふらつき感」を解消するΦ35㎜フォーク用トリプル。純正と同様のルックスで驚くほどのハンドリング向上を果たす。ノーマルの性能がネガティブな分、絶大な効果を体感できる。
Traktek Φ39㎜用ビレット・トリプルヨーク

ステムシャフト部のカラーを交換することでオフセット量が変更可能なアルミ・ビレットトリプル。コスト的に鋳物タイプにメインの座を渡したが、これが最初のトラックテック・トリプルヨークである。もちろん性能と品質は折り紙つきだ。
(出典/「
text&photo/M.Watanabe 渡辺まこと 取材協力/サンダンスエンタープライズ TEL03-5450-7720 https://www.sundance.co.jp
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