目指すのは走りも存在感も究極のベビーツイン
度を超えた旧車狂として、本誌読者にはおなじみ「ラングリッツ東京」の猪狩さんがナックルヘッドとマグナムを所有することは、本誌でも紹介してきた通り。4カム特集としては異端のマグナムだが、猪狩さんがナックルヘッドと並行してマグナムを愛し続けるのにはワケがある。猪狩さんのハーレー人生は20歳を目前に手に入れたショベルヘッドからスタート。その後、KとWLを乗り継ぎ、ナックルヘッドに辿り着いた。
「愛車がナックルヘッドだけになった時にふと、理想は究極のビッグツインと究極のベビーツインに乗りたいと考えました。KとWLに乗って、自分にとって究極のベビーツインとは? と考えた時に〝マグナムしかない〟と閃いて、探し回った結果、この車両に出会いました。初めて乗った時に吹け上がりも加速も恐怖を感じるほどすべてが刺激的で、Wの腰下にアイアンの腰上が乗るアンバランスな外観も含め、ゾクゾクしたんです」
猪狩さんが考える究極とは? 誰も同じバイクに乗っていないという所有感、つまり希少性も重要で、実働コンディションのマグナムは非常にレアが故にそうそう被ることはない。資料こそ存在はするものの、詳細があまり明らかにされていないミステリアスな存在感も魅力といえる。だがしかし、希少性だけで走って面白くないバイクでは究極というには物足りない。初めて乗った時の衝撃こそ、猪狩さんがマグナムに虜になった最大の理由である。乗り始めて8年目、今も常に自分の手で愛情をかけながらビッグツインに対してのベビーツインの短所を補うようにセッティングを煮詰め、自分にとっての究極を目指して進化し続けているのだ。愛してやまないバイクを自分の手で究極に導く人生のホビーに終わりはなさそうだ。

ラングリッツ東京/ショップマネージャー猪狩顕さん|1941年FLナックルヘッドとこのマグナムを愛機とするヴィンテージH-D狂。自分にとって究極のビッグツイン/ベビーツインを目指して、整備やカスタムもできる限り自らの手で行なっている。現在はマグナムは腰上をO/Hするため、バラしているトコロ。

カスタムサイクルエンジニアリングのランディ・スミスが開発した45マグナム。Wの腰下にアイアンスポーツの腰上を組み合わせ、純正パーツでO HV化するオールドスクールなチューンである。このエンジンは49年WLのケースを使用してWRクランクを採用し、クイックな吹け上がりを実現する。

1949 WL“The 45 Magnum”


WRクランクを内蔵する腰下にXLCHの腰上を組み合わせたホットなエンジンを軽量なWLフレームに搭載するマグナム。プライベーターの自由なアイデアで国産パーツなどを駆使しながら猪狩さん独自の色にカスタムされ、進化し続ける一台。こちらは昨年の姿だが、現在はシートやフロントエンドが変更されている。



フューエルタンクはハマータンクをベースにシフトゲージを取り付けたタンクサイドシフト仕様。ロッカーカバーと同様のサイドのライトニングがトレードマーク。リアハブはHONDA CLを使用。ドラムブレーキでスプロケ交換が可能なため、レースでも用いられる手法である。フォークやブレーキ、ハンドルは現在変更されているが、国産パーツを使ったカスタムもこのマシンの特徴である。
(出典/「
text&photo/Y.Kinpara 金原悠太 取材協力/ラングリッツ東京 TEL03-6427-2768 https://langlitzjapan.com
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