メーカーでもあり店舗でもある新拠点
弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であろう。ボクシングシューズをもとにした[ヘンリー]は、革靴好きのあいだで瞬く間に地位を築きあげた定番名品として知られている。
同ブランドの母体は「ザ ジン フットウェア」。「ジン」とは“magazine(雑誌)”や自主制作物としての“zine”に由来する。本格的なワークブーツの製作にこだわる「シュアブーツ」、アパレルブランド「ミーレスタディオン」など、複数のブランドを展開している。そして同社は、ついに東京・入谷に自社ビルを完成させた。
1階は店舗、2階と3階には、それぞれ企画と縫製を手がける工場を併設。「ザ ジン フットウエア」という屋号を軸に、企画から製作までを自社で一貫して行い、さらにその販売機能も備えるというワンストップの新拠点となったのだ。代表の鈴木英明さんは今後の展望についてこう語る。
「オリジナルブランドも大事にしながら、店舗としても『革靴と服』のスタイルを追求していきたい。そういった意味では、自社以外のブランドと協業していくことも検討しています。自社内外問わず、さまざまな点と点を繋いで編集していく。それこそが“Zine”という名に込めた想いです」。

ZINE FOOTWEARとは?

1Fがオリジナルブランドやセレクト品を取り扱う店舗。2Fが企画機能をもった工房、3Fが縫製工場となっている。目下改装中である4Fは、ショールームとして使用予定。
【1F】THE ZINE FOOTWEAR CLUB

オリジナルの革靴ブランドである「ブラザーブリッジ」、「シュアブーツ」や、バンダナを展開する「ワンイヤーブランド」などのセレクトブランドが並ぶ。
【2-3F】ZINE FACTORY


CAD設計や型紙を引くための設備が整えられ、木型製作やレザー素材のストックのための空間も設けられた2F。職人を有し、縫製工場として機能する3F。これほどの工程をワンストップで完結できる工場は極めて稀である。
ZINE FACTORYのものづくり
入谷にある「ザ ジン フットウェア」のビルは、2Fが企画室、3Fが縫製工場として稼働している。その名も「ザ ジン ファクトリー」。企画から大方の製作までをひとつのビルで完結させる、稀有なものづくりの場に潜入した。
【企画】企画から木型づくりまで自社で行う稀有な存在

「ザ ジン フットウェア」において特筆すべきは、シューズメーカーの要である、企画・開発・設計に丁寧に取り組んでいる点。縫製や底付けでは職人の感覚や手仕事を大事にしつつも、ミリ単位の精度が求められる工程においては機械設備を導入している。たとえば企画等の工程で用いられる、パターンに沿って革を抜き出す“カット加工機”などがそれにあたる。この手仕事と機械化の絶妙なバランスが「ザ ジン ファクトリー」のメーカーとしての思想なのだ。また、自社内に開発や設計の機能を持っているメーカーは極めて希少。職人間のコミュニケーションを取りやすいというメリットもある。





【縫製】作り手の技術と熱量が多様な製作を可能にする

続いて3Fの縫製工場へ。型紙に沿ってカットされた革を縫製でつなぎ合わせ、アッパーをほとんど完成形の状態にまで仕上げる重要なパートである。その他、ハトメの打ち込みや、量産前のサンプルシューズの製作も、このフロアで行われている。ここで靴づくりに携わる職人たちはひとりだけで縫製から仕上げまでを完結させられる技術を持つ熟練の職人たち。さらに、革の厚さによって使用するミシンを使い分け、カーフなどの薄い革からエンジニアブーツまで製作できる極めて稀な縫製工場なのだ。好きな革靴の幅が広い代表の鈴木さんが率いる「ザ ジン ファクトリー」ならではの特徴である。







【問い合わせ】
ザ ジン フットウェア クラブ
TEL03-5830-3102
Photo/Ryota Yukitake 行竹亮太 Text/Shuhei Takano 高野周平
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